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環境を考えて 服の選び方や買い方を、考え直してみたい

私は今、マレーシア在住の編集者・文筆家、野本響子さんの執筆サークル「東南アジアの編集室」に参加しています。

そのサークル内で、環境問題の話や、アパレルの廃棄問題の話になりました。話題の始まりは、seicoさんが気候変動のお話をしてくださったことです。

その様子を少し説明をすると、この数年の気候変動はとても看過できないよね。世界中の温暖化を抑制するためにはCO2の排出を抑える必要があるようだ。それに大きく影響していそうなのが、衣料廃棄問題のようだぞ…と皆で意見交換してたどり着いた、というわけです。
新品の服ではなく古着についてですが、こんな記事もみつかりました。


この10年でアパレルはずいぶん変わった

この10〜15年の間で比較的質が良く、ずいぶん手頃な値段でお洋服が買えるようになったなぁと実感しています。

以前はファストファッションという形態がなかったのが、日本を代表するファストファッション ユニクロを始め、GAP、H&M、ZARA、Forever21(一回倒産したけど)など、かなり選択肢が増えましたよね。

一方で、DCブランドや、国内の百貨店に入るブランドなどがどんどん衰退化し、日本では三陽商会がバーバリー事業を撤退したり、レナウンが民事再生手続、ワールドやサンエーインターナショナル、イトキンなども続々とリアル店舗を縮小再編したりなど、事業が厳しくなっているんだろうなぁと感じます。

ビームスやユナイテッドアローズ、ベイクルーズ、シップスなど20年以上存続するセレクトショップと呼ばれるブランドたちは、こぞってセカンドラインと呼ばれる、やや安価なブランドを打ち出し始めたのも、このファストファッション台頭の時期に重なります。

過剰生産された洋服たちはどこへ行くの?

ところで、この安くて手頃な服たちって、安価にするために大量のロット数で作られているのですが、売れ残ったりした在庫たちは最終的に廃棄の道を辿るんだよっていうこと、服を購入するみなさんはご存知でしょうか?

環境省のサステナブルファッションのホームページによると、年間1家庭で48万トン衣料品を廃棄してるとのこと。安くてそれなりに快適なものを手に入れていても、48万トンも廃棄って聞くとなんだかちょっと心情的に迫るものがあります…。

とはいえ、目の前に実物としてみることがないので、知ったところで実感がない?という人も多いのが現実かもしれません。

でも、この数字をみてみるとどうでしょう?

同じく環境省のホームページによると、1年間で1回も着ていない服というのが、国民一人当たりなんと平均25着もあるんだとか。

うーん!確かに…。この事実を聞くと、大なり小なりあれど、誰でも思い当たることがありそうです…。

まずは質の良い服とファストファッションを比べてみる

実際に私たちが服を買ってみて比較してみると、もしかしたら何か思いや実感が湧いてくるかもしれません。

例えば同じカシミヤニットをファストファッションと、質の良いセレクトショップで買ってみます。

お値段などを現実的にこれらのショップたちで販売されているおよその価格帯で、仮に設定してみました(※写真も仮のイメージです)。

a.実の良いカシミヤ16,000円

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b.ファストファッションのカシミヤ7,000円

画像2

一見するとその場での価格は違いますが、でもそれを維持して着続けると考えてみるとどうでしょう…?

衣料にはある程度の耐久年数があります。
いくら質が良くなったとはいえ、値段と素材の差があるのは現実。

私が今まで体感したおよその数値を当てはめてみますが、

a.は(およそ)6年耐久する
b.は(およそ)3年耐久する

という仮定をした時、

a.は耐久年数で換算すると、1年あたり2,600円になります。

対してb.はどうかというと…?

あれ?1年あたり2,300円?そんなに大差がない?

そう考えると実はa.はそんなに高い買い物ではないように思います。

選ぶ前に知ることがたいせつ

私たちにとって洋服を着ることは当たり前。洋服は必要なもの。

でも洋服に対しての考え方はさまざま。

おしゃれでこだわりたい人もいれば、安く済ませたい、適当にしたいという人もいる。

選択肢はそれぞれ。

でも、ファストファッションや、現代の服の製造過程の裏には悲しき廃棄の現実があること…。

これを知っているか知らないかでもずいぶん違う。

また、目の前の値打ちだけではなく、少し俯瞰した長い目で見た視点で、もの持ちや値段の価値を考えることを身につけると、選ぶ基準が増える。

安く買うことばかりは決して罪ではない。捨てることもまたしかり。
でも、安く買ってすぐ捨ててばかりも正しくはない。


どうでしょう、ひとつ長い目線で服を大切に着る、ということは?

すぐに買い捨てしないのも悪くないんじゃないでしょうか。

質の良い服を1枚買えば、廃棄するサイクルが縮まったり、廃棄する服の量が少しは減ります。

それに、質の良い服に袖を通すことは、心身によってもここちよさだったり、快適さを感じることもでき、長く愛着が湧いてくると、手入れをきちんとしようという気持ちも湧いてくるはず。

私はお洋服が大好きで大切にしたい人の1人。だからこそよりよく付き合いって思っている。

こうした思考の転換が、ここちよい自分たちのファッションスタイルだったり、環境保護への一歩にも繋がるような気がしているんです。




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