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デマッター・長島昭久(自民)を当選させてはいけないわけ

東京18区(武蔵野市・府中市・小金井市)は、「土菅戦争」と呼ばれる、全国でも有数の激戦区であった。菅直人元首相[民主→立民]と土屋正忠元武蔵野市長[自民党]が熾烈に議席を争ったことから、その頭文字をとったのが「土菅」である。
しかし、2017年総選挙で土屋が落選し、土屋が2021年総選挙には出馬しない変わりに自民党から出たのが長島昭久である。

※本稿では敬称略とする。

長島昭久とは

長島昭久は、前回選挙まで民主党から東京21区で出馬してきた。菅直人政権では、防衛大臣政務官を務めた。にもかかわらず、2017年に民進党を離党、その後小池新党である希望の党に参加、希望の党が瓦解した後は新党設立を模索するも失敗。落ち着いた先がかつての政敵「自民党」である。
そして、今回戦う相手は、自身が政務官を務めた時の内閣総理大臣、菅直人である。

さて、長島昭久を当選させてはいけない、というのは、民主党(民進党)から自民党に行ったから、ではない。どこの政党に属しようが、長島昭久はダメである。主な理由は、彼のデマッター(Twitterでのデマ拡散)と、その根幹となる彼の考え方である。

デマッター①: 学術会議デマの発信・拡散

長島昭久は、菅義偉政権における日本学術会議任命拒否問題に際し、再三デマを繰り返した。(詳細はこちらの記事へ(本記事にも適宜引用)。)
ここでいうデマとは、読み方次第で意味が変わりうる「ミスリード」などではなく、ウソ、偽りをいう。

問題のツイートのはじまりがこれだ。

日本学術会議問題は、政府から明快な説明責任が果たされるべきであることは勿論、首相直轄の内閣府組織として年間10億円の税金が投じられる日本学術会議の実態や、そのOBが所属する日本学士院へ年間6億円も支出されその2/3を財源に終身年金が給付されていること等も国民が知る良い機会にして貰いたい。(長島昭久議員Twitter 2020/10/03 10:00)

まず、(学術会議の)「OBが所属する日本学士院」からはじまるくだりはミスリードである。日本学士院は、日本学術会議のOB組織と読めるが、学士院に行けるのは学術会議のなかでも1~2%である。ここでデマとしてもよいが、学士院会員には学術会議OBも含まれるため、ひとまずミスリードとしておく。

そして、このツイートは細野豪志議員が「日本学術会議OBの年金のことは知らなかった」と引用リツイート(後に削除)したこともあり、大きな批判を受けた。それをふまえ、以下のように一応の謝罪はしている。

…私のツイートでも、学術会議と学士院を混同させ、学士院会員の終身年金にまで言及し、批判の矛先を逸らす結果を招いたことを反省し改めてお詫びします。今後、学術会議をめぐる議論が我が国の科学振興に資する建設的なものとなるよう努めて参ります。(長島昭久議員Twitter 2020/10/06 13:08)

しかし、反省したかのように思えたものの、長島議員は別稿で述べたように、さらに悪質なツイートをしている。それがこれだ。

…学士院会員は終身ですので、亡くなられた後任の方は毎年12月に補充されます。ちなみに国会調査室の調べによると、その後任は過去3年間で、平成29年は2/5人が、30年は6/9人が、令和元年は6/7人が学術会議会員及び連携会員から補充されました。学術会議からかなりの比率で学士院へ上がってます。(長島昭久議員Twitter 2020/10/11 12:47)

このツイートは、「学術会議会員」と人数の多い「学術会議連携会員」をまとめていることにも問題がある。また、学術会議の大半が学士院に行っているというのであれば、「学士院会員/学術会議会員」をみなければならないが、「学士院会員/学術会議OBかつ学士院会員」というもはや意味のない割合を示すなど、かなり悪質である(「長島昭久議員の繰り返されるデマツイート~日本学術会議をめぐって」参照)。
そして、何より結論として述べている「学術会議からかなりの比率で学士院へ上がっています」というのは、紛れもないウソ・デマである。別稿で述べているように、学術会議会員および学術会議連携会員から学士院へ行ける割合は、1~2%程度である。また「上がっています」という言葉は、学術会議と学士院が連続していることを前提とするものだが、それ自体間違っている。

もちろん、長島議員が「1~2%程度でもかなりの比率でかつ、上がるというのは連続を意味しない」といってしまえばそれまでだが、日本語の「かなり」や「上がる」の用法としてそれは無理筋であり、デマに他ならない。
にもかかわらず、そのことを指摘した私のツイートに対するリプライがこれだ。

訂正を要すようなデマは一つもありませんでしたが、表現が舌足らずでミスリーディングを認めおわびしました。(長島昭久議員Twitter 2020/10/16 14:54)

もはや、呆れるしかない。
また、この一連の流れからも、いかに彼が学者を軽んじ、学術会議や学士院を軽んじているかもよくわかるだろう。

デマッター②: 憲法と皇室典範についてのとんでも解釈

長島昭久は、憲法と皇室典範について、悪質な誤った解釈を拡散している。(詳細はこちらの記事へ(本記事にも適宜引用)。)
その始まりがこのツイートである。

日本国憲法憲法第一章には、「男系男子」継承に係る「天皇」が明記されており、これは憲法14条の明示的な例外規定とされているのです。これが憲法解釈の基礎の基礎です。(長島昭久Twitter:2021-09-08-17:38)

後に憲法を改正しないと男系男子しか天皇になれない、という趣旨のツイートもしている。しかし、まず男系男子継承についての明文の規定など憲法に存在しない。憲法2条の読み方としては、「皇位(天皇)は世襲でないといけないけど、あとは国会で変えられる皇室典範に任せた!」というだけである。だが、このような指摘に対して、皇室典範に男系男子とあるから間違っていない、と主張する。
そして、その後の重大なデマツイートがこちらである。

皇室典範は、憲法の付属法です。その中でも、憲法同等の法規範です。(長島昭久Twitter:2021-09-08-20:13)

憲法に皇室典範の名が出ているからとかワケわからない理由を主張するが、皇室典範は紛れもなく、「ただの法律」である。明治憲法(大日本帝国憲法)下においては、皇室典範は明治憲法と並ぶ最高法規であったが、戦後は最高法規は日本国憲法のみであり、皇室典範は名前こそ残しているものの、ただの法律に他ならない。学説による違いなどもない。その象徴が、司法試験である。

皇室典範を改正して女帝を認めることは可能である(旧司40-2・旧司47-1)。

これは、旧司法試験に出題された問題である。正解は、○である。長島昭久議員のいうように、男系男子継承が憲法の解釈の基本ならば、当然これは×になるはずである。長島議員がこの問題を答えたら、不正解だろう。長島議員が何をいおうと、間違い、誤りである。

この後にも、法務省も認める当然のことを述べる私に極めてバカにしたツイートをしたり、後にブロックしたりしたのが、長島昭久である。

やまぬデマ拡散。敵陣をデマで貶める?

以上の私が直接関わったデマに加え、長島昭久は執拗な野党批判を繰り広げる。あることないこと罵るその徹底した反共活動はもはや狂気である。

また、長島昭久を応援する土屋正忠による、もはやデマである「菅直人元総理、3.11福島原発事故で冷却のための海水注入にストップをかけ、日本を危機に陥れた人物」 というブログを貼ったツイートをリツイート(拡散)している。

表現の自由?子ども族議員??

彼は、「表現の自由」を守るだの、「子ども族」議員なるものに認定されただのいわれるが、待ってほしい。彼は、紛れもなく自民党所属である。
表現の自由を「公益及び公の秩序」により規制するとしている(自民党改憲草案21条2項)自民党の議員である。こんなあからさまな表現の自由への制約をしようとする政党は自民党くらいである。
また、子どもの将来を思うのであれば、子どもの将来の選択肢を増やす、あるいは個性を潰したり差別したりしない社会にすべきである。が、彼は選択的夫婦別姓に反対とし、LGBT法案や同性婚にも反対である。「子ども」を思うなら、あり得ない選択だ。

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(https://www.ntv.co.jp/election2021/research/candidate/?id=130953より)

デマの勝利?真実の勝利?

デマであろうとなんだろうと、ほしくて堪らない議席。デマを指摘すれば、ブロックする。「聞く力」?そんなのは彼にはない。
特に自民党に入ってから繰り返されるデマ。現在の民主主義は、デマに左右されたりという負の側面も持つ。しかし、そこに屈してはいけない。
彼が勝ってしまったら、それは「デマの勝利」に等しいのではないか。彼を勝たせないことが、「真実の勝利」でもある。

これまでの長島昭久のデマに関する記事一覧

自民・長島昭久議員のとんでも憲法解釈ツイート(2021/9/9)
ウソであってもデマではないのか~学術会議をめぐるデマを認めぬ長島昭久議員の問題(2020/10/18)
長島昭久議員の繰り返されるデマツイート~日本学術会議をめぐって(2020/10/12)
長島昭久議員ツイートの問題~日本学術会議任命拒否から(2020/10/4)



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