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人生のターニングポイントは熱々の麻婆豆腐が運んできてくれた話

先にお伝えしておきます。
さっそく今回のnoteはちょっと長いです。
が、宮崎の春は短いです。
まだ4月が始まったばかりだというのに、桜は緑色の葉っぱが勢いづき、仕事を終えた田植えのトラクターがマイペースに道をふさいでいます。

そんな宮崎での生活も、早いもので1年半が過ぎました。

1年半前、私は静岡県浜松市で製造メーカーの人事担当をしていました。

この製造メーカーで過ごした7年間という月日の中で、私はここには書ききれない程たくさんの素晴らしい方々と出逢うことができました。

「自分の人生を語るうえで、この人との出逢いは欠かせない。」


みなさんにもきっと、そんな素晴らしいご縁が、これまでにいくつもあったのではないでしょうか?
もしくは、これから先にそんな出逢いが待っているかもしれません。

今日は私の人生で大きな意味を持つことになった素敵なご縁の一つを思い返してみようと思います。

私は27歳で、前職の製造メーカーに一般事務職の派遣社員として入社しました。
その半年後、契約社員(一般事務職、1年更新、5年満了)として直接雇用に、

さらにその2年半後(30歳)に、総合職の正社員として再入社し、またさらに2年後には主任に昇進(33歳)。

このままメーカー人事街道まっしぐら!と私も信じて疑いませんでした。
ところが35歳で結婚と同時に退職し宮崎へ移住する、というなんともマイペースな人生を歩んでいます。(お世話になった上司には本当に申し訳ない…)

この時点で、ツッコミどころ満載過ぎてお腹いっぱいだと思いますが、敢えてそこはスルーして(笑)

まだ私が契約社員だった29歳の夏、海外の重要なお取引先様が製造現場を見学(監査)に来られることになり、”名ばかり帰国子女”の私に浜松工場の概要説明を英語でするお役目をいただいた時のこと。

グループ会社の社員さんで、お客様のアテンドをされていたMさんと、ひょんなことから仕事終わりにお食事をご一緒させていただけることに。

忘れもしない。浜松の中華料理屋さんで。
Mさんはさっきまでの流暢な英語とはうって変わって、バリバリの関西弁で初対面の私にも気さくに、アメリカでの生活やご家族のことを話してくれました。

ビビンバの石鍋みたいな熱々の器で出てきた真っ赤な麻婆豆腐を、運ばれたそばから口に運び、「熱っつ!でもうまいっ!あ、辛いっ!」と言いながらそれでも手を止めないMさん。
「やけどしますよ?(笑)少し冷ましてから食べないんですか?」と私が聞くと「料理は食べるタイミングがめっちゃ大事。熱いもんは熱いうちに食べる!それが一番うまいんやで!」と。

それまで関西出身の方とあまり接点がなかった私は、関西の人ってみんなこんな感じなのかなぁ。営業さんてやっぱコミュ力高いなぁ。面白いけど関西のノリ?っていうの?がいまいちよく分からないなぁ。これがMさんに対する最初の印象でした(笑)。

(関西出身のみなさま、ほんとすみません…)

(まさか未来の夫がゴリゴリの関西出身者だとは、この時は全く想像していませんでした…)

食事もひと段落したころ、同席していた私の直属の上司とMさんが自然に社内の組織課題について話はじめ、(私は契約社員だし、変に口挟まないでおこう…)と思っていた時、Mさんが急にこんな質問を放り投げてきました。

Mさん「村井さん(旧姓)、会社はなんのためにあると思う?」

私「…なんのため。社会のため?従業員のため?正直今まで考えたこともなかったです…」

Mさん「会社は永続するためにあんねん。価値のあるサービスや商品は残していくべきやし、もちろん雇用を創出し続けることに意味もある。

もし今後もこの会社で、人事として仕事を続ける気があるんやったら、『ザ・ゴール』という本を読んでみたらええよ。製造業や会社組織のことがめっちゃわかるようになんで。」

帰り道にAmazonでポチり、すぐに読みました。
そしてその半年後に、正社員転換の入社試験を受けていました。
1年後にはグロービスでMBAの単科講座を申し込んでいました。


人事としてもそうですが、私が生涯かけて向き合っていきたい「組織と経営」というとても大きすぎるテーマとの出逢いの瞬間。
ここがまさにスタート地点でした。

Mさんがなぜ、初対面の契約社員にこんな話をしてくれたのかは未だにわかりません。
ただ私にとっては確実に、ここが大きなターニングポイントでした。

一般事務職では、いかに早く正確に効率よく目の前の仕事をバッサバッサとさばけるか、で評価されていたように思います。

でも総合職になってからは、徹底した分析とより柔軟な発想で、豊かな人脈を築きながら協力者を集め、いかに課題を解決するか、いかにチームとしての成果を挙げるか、に評価基準が変わりました。

そこのシフトチェンジに苦労したことは、言うまでもありませんが、その話はまた別の機会に。

ただ一つお伝えできることがあるとすると、
自分がやりたい!こうなりたい!と心から願い、そこに向かってただひたすら進んで行けば、きっといつかそこに近づける日がくる。
…かもしれない。(知らんけど)

まぁ近づいたと思っても、また次のステージが見えて「あれ?まだ先があった…」ってなるんでしょうし、実際すでにもうなってますけど(笑)

これもまた人生。
ゆっくり走るトラクターに道をふさがれて、じれったい気持ちになることもありますが、焦らずじっくりマイペースに、進んだり戻ったり止まったり、を楽しめる人間でありたいものです。

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関西弁指導協力:経営学者の夫さん
(オレの初登場これー??と不服そうでした)
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