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【#全文公開】「はじめに」&「本書の使い方」『算数嫌いな子が好きになる本 増補改訂版』

ご好評いただいていた2017年刊行の『算数嫌いな子が好きになる本 小学校6年分のつまずきと教え方がわかる』が新学習指導要領に対応し、内容もさらに充実! 増補改訂版として、刊行です。

実は、小学校の小学校の教科の中で好きな教科も嫌いな教科も第1位は「算数」だそうです。分かれば楽しいし、分からないと辛いということではないでしょうか。

花まる学習会監修の『算数嫌いな子が好きになる本 増補改訂版』では、「つまずき」のポイントをピックアップして、解説していきます。

本書の「はじめに」「本書の使い方」を全文公開です!

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『算数嫌いな子が好きになる本 増補改訂版
小学校6年分のつまずきと教え方がわかる
花まる学習会
高濱正伸 監修
松島伸浩 著
ISBNコード:978-4-86255-678-3
定価:1,980円(本体1,800円+税)
判型:A5判
ページ数:264P
発売日:2023年4月4日
出版社:カンゼン

はじめに

つまずきの原因がわかれば解決できます
小学校の教科の中で好きな教科も嫌いな教科も第1位は「算数」です。このように好き嫌いがはっきりとわかれる理由は、算数が積み上げの教科であるという点にあります。算数でつまずいている多くの子どもたちは、その前の段階ですでにわからなくなっています。たとえば、小数のかけ算やわり算ができない子は、その前の整数のかけ算やわり算でつまずいていたり、場合によってはくり下がりのひき算や九九でつまずいていたりします。どこかでつまずくとそこからだんだんわからなくなり、苦手意識とともにどんどん嫌いになっていくのが算数なのです。
こうした状況に陥らないためには、まわりの大人が早い段階で気づいてあげることです。もちろん塾などに行くことも一つの方法です。しかしそうした環境にない子どもたちの中には、学校の授業にもついていけずに、なんとなくわかっているふり、わかっているつもりで毎日を過ごしてしまっている子もいるかもしれません。そうした子どもたちのために、つまずきの原因を早く見つけて解決することで、少しでも算数を好きになってもらいたい、そんな思いでこの本を書きました。

手遅れはありません。いつからでもやり直せます
そうは言っても「うちの子はもう6年生だから間に合わないのでは」と思われる方もいるかもしれません。結論から言いますと、どの学年からでも挽回することは可能です。「勉強に早すぎることはあっても遅すぎることはない」というのが私の持論です。今日やったことは必ず明日につながります。そして何よりも、子どもには「もっとできるようになりたい、もっとわかるようになりたい」という向上心があります。行動が伴わない現実を見てきた親からしてみれば想像ができないことかもしれませんが、いつも子どもはどこかで親に認められたいと思っているものです。ただ、勉強においてはまわりとの比較や親の期待から「できない、わからない」と言い出せないでいることも少なくありません。「わからなければ先生に質問すればいいのに」と大人は思いますが、つまずいている子ほどそれができないのです。そもそも、何を質問すればいいのかさえわからない状態になっている場合もあります。そのような状態であっても、一つひとつ学び直していけば必ず克服できます。
増補改訂版では、現行の学習指導要領に合わせて「統計」の単元を追加しました。「速さ」の単元も6年生から5年生に移行し、以前よりもさらにつまずきやすい単元になっています。
まずは子どもがどこでつまずいているのか、本書を使って確認してみてください。これを機会に多くの子どもたちが「算数っておもしろい!わかるって楽しい!」と思ってくれることを心より願っています。

本書の使い方

本書では、小学校6年間で学習する算数のつまずきポイントを54の単元にわけて説明しています。わが子が苦手だと思い当たるところがあればその単元の問題をピックアップして、子どもに取り組ませてみてください。また、本書の「つまずきチェックをしてみましょう」(P010-011参照)など使って、苦手な単元を見つけるのもいいでしょう。
どこでつまずいているかわからない場合は、現学年の1学年前の問題を解いてみる方法もあります。本書の問題はどれも教科書レベルの問題です。問題数も少ないので、必要であればもう1学年前の問題もやってみてください。そして、つまずいている単元が見つかったら、解説を参考にして子どもと一緒に問題を解いてみてください。
本書の解説は、算数が苦手な子どもに教えることを前提にして、単元によっては教科書よりも丁寧な、必要な解き方だけに絞り込んだ説明(最低限必要な公式だけに絞り込み、定理や裏技といったものに頼らない、考え方を重視した説明)になっています。「家庭でできる算数力アップ法」を、P252以降に載せていますので、参考にしてください。

書誌情報

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