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【先行公開】「私はサッカーが上手い子どもではありませんでした。」学ぶ技法を学ぶ術 『フットボーラー独学術』はじめに

10月18日に発売となる柴村直弥氏初の著書『フットボール独学術 生きる力を自ら養う技法』
異色のキャリアを歩むフットボーラー柴村直弥 氏のキャリアを振り返りつつ、自らのスキルを高めるために役立った方法、技法を綴ります。キャリアのメイク術とも呼べる内容です。
本日は発売に先駆けて「はじめに」を先行公開です!

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フットボーラー独学術
生きる力を自ら養う技法』
著者 柴村直弥
ISBN 9784862556189
ページ数 336
判型 46
定価 1870円 税込
出版社 カンゼン
発売日 2021年10月18日

著者の柴村直弥は小学生の頃から自ら学ぶことを習慣化し、プロサッカー選手への道を切り開いていった。
選手としてそこまで特徴があったわけではなかったにもかかわらず、UEFAヨーロッパリーグ、AFCアジアチャンピオンズリーグ出場を果たせたのは、語学などサッカースキル以外の「学ぶ技法を学ぶ術」を持っていたからだ。
本書ではサッカー業界の様々な仕組み、流れを紹介しながら、サッカー選手として、そして引退後、社会で生きていくための技法を公開する。

はじめに

はじめに
 
 私はサッカーが上手い子どもではありませんでした。
 小学生の頃にプレーしていたチームは公式戦1回戦負けが常で、試合に勝った記憶もあまりありません。選手としてこれといった特徴もありませんでした。
 中学校時代は補欠で、高校の推薦をもらえずに一般入試で普通科に入学しました。高校1年生の頃は100人の部員の中で最も下の序列でした。高校1年生の終わり頃まで私がプロサッカー選手になれるとは、誰もが思わなかったことでしょう。
 そんな私が高校2年生の夏に日本一、秋に広島県選抜として国体で全国3位、名門の中央大学で2年時からレギュラー、そして、プロサッカー選手としてJリーグや海外で12年間プレーできたのは、小学生の頃の体験やその頃から日々取り組んできた様々なことの積み重ねが大きな要因だったように思います。
 1993年にJリーグが開幕し、プロサッカー選手を志す人が増えていきました。Jリーグ開幕当時、小学5年生だった私もその1人です。その後、小学生男子の「なりたい職業ランキング」ではサッカー選手が1位となることが多く、近年もどのアンケートでもだいたいトップ3には入っています。
 そのような人気職業であるサッカー選手を目指している少年は全国に何万人といる中で、実際にプロになれる少年は1%にも達しません。
 2006年から2015年まで小学生の日本サッカー協会への選手登録数は、多少上下しているものの、毎年30万人程度います。単純にこれを6学年で割ると、1学年当たり5万人程度の選手がいることになります。
 そのうち2020年に新たにJリーグの選手となり、新人研修を受けた選手は200人程度です。2013年に小学6年生だった選手が高校を卒業して新卒でJリーガーになるタイミングが2020年2月の新人研修参加になります。新たにJリーガーになる選手は高卒、大卒のタイミングであることが多いので、この2020年の新人研修に参加している200人程度の選手を仮にすべて高卒、大卒の新卒と仮定したとしても、高卒(2013年に小学6年生5万人)と大卒(2009年に小学6年生5万人)を足した10万人の選手から200人程度がJリーガー(J1、J2、J3)になったことになり、その確率は0・2%、500人に1人という計算になります。
 私がプロサッカー選手としてのキャリアをスタートした2005年に新たにJリーガーとなった選手は、当時はまだJ3がなかったため、J1、J2の選手たちのみで103人でした。
 これはJリーグの新人研修で村井満チェアマンが話していたことですが、その103人の選手たちが10年後の2015年時点で公式戦に何試合出場していたのか調べたところ、約半分に当たる46人の選手が0~50試合だったそうです。年間の公式戦が40~50試合あることから10年間で最大400~500試合と考えると、試合出場数が10%未満の選手が半分程度だったことがわかります。しかも、そのうち0試合だった選手が18人、つまり、0・2%の狭き門を潜り抜けてプロになった選手のうち5人に1人に当たる17%の選手は1試合も出場することなく引退していったことになります。そして、引退までの平均年数は6・3年だったそうです。
 そんな中で私は日本代表に選ばれたこともJリーグで華々しい活躍をしたこともありません。それでもプロサッカー選手として12年間プレーし、海外も含めて公式戦に140試合程度出場し、欧州やアジアの強豪国が集うUEFAヨーロッパリーグやAFCアジアチャンピオンズリーグなどの大会に出場することができたのは、もちろん、周囲の方々のおかげであることは明白とはいえ、様々なことに自ら取り組んできたことで、サッカーの能力と人生を生きていくためのスキルが向上していたことも大きな要因だったと思います。
 本書ではサッカーの能力と人生を生きていくためのスキルを向上させていくことに役立ったと私自身が感じた方法、技法を紹介します。プロサッカー選手を目指している方、海外で活躍したい方、そして、プロサッカー選手を引退したあとの人生が心配な方など、様々な方にとって少しでも何かの参考になれば幸いです。

柴村直弥

著者プロフィール

柴村直弥(しばむら・なおや)
1982年9月11日生まれ、広島県出身。広島皆実高校2年時に全国高校総体優勝。中央大学卒業後、アルビレックス新潟シンガポールを経てアビスパ福岡でJリーグデビューし、徳島ヴォルティスでは主将を務めた。ラトビアのヴェンツピルスに移籍した2011年に日本人として初めてラトビアリーグ、ラトビアカップの2冠を達成し、UEFAヨーロッパリーグに出場。ウズベキスタンのパフタコールでAFCアジアチャンピオンズリーグに出場し、ポーランドのストミール・オルシティンでプレーしたのちに当時J1のヴァンフォーレ甲府に移籍。
現在は一般企業のコンサルティング業務や外資系企業とのビジネス業、サッカー解説、執筆、講演などをこなしながら、プレーヤー(東京都社会人リーグ1部SHIBUYA CITY FC)としても活躍。

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