世界にはたくさんの境目があるのだと思う。空と海の境目。海と地上の境目、地平線。昼と夜の…
蛍ほど求められず蝉ほど 誰かに耳に届くこともない ほろほろと朝露にはなれない涙 蓮の葉は受…
短めの小説、短歌などをやっています。 八首連ねたり二首連ねたり百首連ねたり 小説はたのしく…
感性を墓までもっていていく沈め 気休めにすらならない水面 以下散文 短い 愛して百…
蛍ほど求められず蝉ほど 誰かに耳に届くこともない 蝉時雨 道路にぽつん 立っていて 四面楚歌…
綿雪は山桜の花吹雪よ 手から離れてふらりと落ちる ささやかにこの手に気流を変えられて 予定…
壊れかけた街頭に映る黒髪 謎めく異世界はここにある 日は落ちて陰る退紅のあなたよ 天の川の…
縛り 「春」「夏」「秋」「冬」という言葉を使わない 綿雪 山桜の花吹雪 舞う 残されたのは …
ある廃病院にいたときのこと。それまでの経緯はよく思い出せない。ただ受付カウンターに立っ…
ヘアゴムでまとめた髪を解くとき ぶちぶち抜ける 嗚呼みだれ髪 この世からイチョウの形の髪留…
1 この泉が中心にある何とも清々しい町には、それを中心に様々な店が立ち並んでいる。花屋に…
ある家の使用人は遺言で、主人の遺影に掛けた桜襲の袿はそのままにせよと言い残した。 もち…
1 夏にのみ現れる幽霊がいた。幽霊らしい死装束。そしてその純白を強調する腰まで届く長い黒…