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インター入学10ヶ月経過した娘(8)の現在の英語力は?

#01 自己紹介とこれまでの経緯はこちらから

前回の記事が好評だったので、はりきって続きの記事を書きたいと思います^^ たくさんのイイネを頂きありがとうございます。
今日は、この10ヶ月の娘の英語学習状況と、現在の英語力についてお話します。


前置き

言語習得は個人差が大きいと思いますし、私自身ではなくて娘の事なので、娘個人の英語習得状況を記載するのは、少し悩みました。
ただ、娘が努力している途中経過を記しておきたいという思いと、これから渡航を検討 / 予定されている方にとっては、個別具体的な事例の方が参考になることもあるかなとの思いから、娘に許可を取った上で掲載したいと思います。

非英語圏&母国語を禁止していないインター

大前提として、ここは中国なので、ネイティブの英語が母国語のクラスメイトは少数派です。英語が流暢な子も、フィリピン人、スペイン人、インド人などなので、おそらく母国語は他の言語という子が多そうです。母国語が英語の子は、先生の子供などごく少数(学年に数人いるかいないか?)なのでは?という印象です。

そのため、(人によっては拙い)英語という共通言語でお互いコミュニケーションが取れる、という状況のため、友達とのコミュニケーションからの英語力の向上と言う意味では、アメリカやイギリスなどの英語圏のインターとは正直雲泥の差が生じていると思っています。

加えて、娘の通うインターは、「母国語も大事にする」というコンセプトのため、母国語の授業が週に2~3回ある上、母国語を禁止していません。
母国語を禁止していない、というのは、休み時間だけではなく、授業中も特に制限していないため、グループワークやディスカッションを行う時も日本人同士でペアを組めば日本語で進められる、という状況です。
(それもあって、中国広州に多数あるインターの中でも、特に母国語が英語の生徒が少ない可能性があります。以前見学したブリティッシュスクールは、パッと見で白色人種の子供がもっと多い印象を受けました。)

メリットとデメリット

これは、率直に言って、英語習得という意味ではあまり望ましい環境とは言えないです。慣れ親しんだ、使いやすい日本語という言語にどうしても頼ってしまいます。
休み時間も、本人がよっぽど強く意識しない限り、どうしても日本人のお友達と過ごすことになります。我が家も例に漏れず、日本人の仲の良い女の子たちと休み時間やランチタイムを楽しく過ごしております(笑)

ネイティブ英語に触れる機会が、英語圏と比べると日常生活にもないし、友達同士でも限定的となると、どうしても習得できる英語力は英語圏のインターに通う子と比べると劣るでしょうし、例えば帰国後に英語力を武器に帰国子女枠で受験したり、インターに編入する、といった道も厳しいように思います。
(余談ですが、、日常生活には中国語が溢れているので、娘も中国語に興味を持ち、数十単語は覚えています。レストランで、私と夫が聞き取れなかった店員さんの言葉を聞き取って驚かされたりもします。)

しかし、英語が発展途上で、しかも数年以内に日本への本帰国が決まっている娘にとっては、良い面もあります。

まず、インターに行く場合によく聞かれる、”母国語を忘れてしまう問題”。これに関しては、我が家は皆無です(笑)。家庭だけでなく、日本語のお友達と日々日本語で接しているのと、娘は大の読書家なので、娘の日本語は年齢に対して流暢な方だと思いますし、日々成長しています。

また、カリキュラムが国際バカロレア、STEM教育のため、日本の教科書・指導要領とは内容も目的もまるで異なるので、言語的にも意味がわからないと授業が全く消化しきれないまま終わってしまいます。そして、学問言語が英語だけになってしまうと、せっかく習って覚えた単語も日本では覚え直しになってしまい、まるで習った意味がない状況になり、教育が完全に日本とこちらで分断されてしまいます。

少し具体例

少し具体的に、最近娘が学校で習ってきた内容について説明すると、最近娘は”state of matter" の授業を受けています。
"solid, liquid, gas"があって、"evaporate""melt"などします。
和訳すると、物質の状態について学んでいて、固体液体気体があって、液体から気体になることを蒸発と言います。みたいな内容です。
でも、日本語でも知らない内容・単語を英語で学んでいるので、娘にとっては”state of matter" を習ってて、"solid, liquid, gas"があって、"evaporate"するよ、と、英語のままその概念を理解しています。
これ、和訳しないと、日本でもしテストを受けたら概念は知ってても単語を知らないから”0点”になっちゃいますよね。

そんなわけで、会話や母国語と、いわゆるアカデミック言語は別というケースは良くても、アカデミック言語が英語と日本語を行ったりきたりという状況は、あまりよくなさそうだなと想像します。
アカデミック言語は英語にする、と決めているご家庭なら問題ありませんが、漠然と”将来のために英語も身につけさせたいな”、”でも数年で本帰国したらインターではなく日本の教育を受けさせよう”と思っている家の場合、言語の習得自体は良くても、学問の習得が英語のみの場合、帰国後も学業面で苦労する状況になってしまうだろうな、と。

しかし娘に聞くと、娘のEALの授業では、いくつかの母国語に翻訳した単語が用意されているみたいです。また、母国語クラスの方でも、同じ単元を教材にすることで日本語でも「物質状態」「蒸発」のような単語も学べるようになっていたりします。
(今回の単元では聞いていませんが、以前太陽系の授業を受けた時は連動していた話を聞きました。)
最低限のそういった単語を英語と日本語の両方で学んでおければ、帰国後の混乱も少なさそうだなと思うので、その点はすごく良いなと感じています。

日々の娘の語学状況

そんなわけで、話を戻すと、娘は学校では
・授業中の先生の説明を聞く、先生と話す
・日本語以外の子とのコミュニケーション、ディスカッション
は英語ですが、

・休み時間、ランチタイム
・母国語クラス
・日本語の子との授業中のコミュニケーション、ディスカッション
・行き帰りのスクールバス
はほぼ日本語、という環境です。

そして、日本語以外の子とのコミュニケーションに関して、相手も英語学習中の中国人や韓国人という事も多いので、ネイティブスピーカー複数人と混ざって英語で発話する状況は少ないです。
(娘の学年・クラスに関して言うと、母国語が中国語の子、韓国語の子、日本語の子、が多数派です。)

そして、家庭では、5%くらい私や夫と英語で話す以外は95%日本語、街は中国語で私と夫が通訳アプリを駆使しながらサバイバル中国語で日々暮らしているのを目の当たりにしている、という状況です。笑

あとは、娘は習い事でピアノと油絵教室に通っていますが、どちらも中国人の先生に英語で教わっています。これについてはまたいつか別記事で。

放課後の英語学習

今年2月にこちらのインターに編入してから、本人も慣れるのに大変だろう、学校で疲れているだろう、と、家では特に何もしていなかった我が家。6月まで終わり(Y2が終わり)、英語が思ったより全く伸びておらず、(おまけに1学年上に編入したんだからしょうがないよねと本人も親も思ってしまっていたせいで、母国語クラスの漢字テストも毎回酷い点数。泣)
やはりこのぬるめインター(笑)では英語習得は難しいかな、娘も積極的に新しい子と英語で話してみよう!というタイプでもないし、、と思っていました。

しかしせっかくの環境で英語を全く身につけられないのも勿体無いし、と、周りのママに聞いてみると、なんとほぼみんな、自宅で英語の家庭教師(またはオンライン)授業を受けていた、、、!

なんということでしょう。。。
やはり学校だけでは、圧倒的にアウトプットの機会が足りなさそうだと我が家も気がつき、そこから慌ててオンライン英会話を始めました。

自宅の英会話は、色々試したり探した結果、我が家は Go School に決めました。

最初は対面がいいだろうと思って中国人の女性に来てもらいましたが、肝心の英語力が心許なくて、良い人ではありましたが辞めることに。
(余談ですが、中国広州でネイティブ英語の家庭教師を探すのは大変なうえに非常に高額です)

うちは娘がかなり人見知りなのと、毎回慣れるのに時間がかかるため、担任制で、1レッスン長めの50分のGo Schoolがいいなと思いました。

そんなわけで、英語漬け、になりきらない母国語も大事にした非英語圏のインターに通う娘は、週3日、自宅でオンライン英会話も追加したのでした。

家庭での英語サポート

すでにちらちら書いている通り、そんなわけで、インターに入れればもうOK、丸投げであとは頼んだ!、、、とは、全くならず、我が家の場合は親も英語サポートをしています。

・オンライン英会話(授業は最近はフォローせず完全に任せていますが、スケジュール調整など意外とやる事多い)
・英語で会話タイムを設ける
・英語の本を一緒に読む
・英語の文法の本を読む
・学校との連携

これに関しては良し悪しあると思います。私も夫も、英語は人並み以上に勉強してきましたが、所詮日本の教育で日本に生まれ育った中で身につけた英語力なので、文法も発音も自信がないし、語彙も限定的です。
そんな私たちが英語で話しかけたり英語の本を読んだりすると、却って変な日本語英語を吸収してしまうのでは?と、今も疑心暗鬼です。
でも、学校で担任の先生やEALの先生と面談をした際、ぜひ家庭でも英語でコミュニケーションを取る時間を作って下さい、彼女は両親英語が喋れてラッキーですね、と言って頂いたので、家庭でもたまに英語で会話するようにしています。

現在の娘の英語力の実際

さて、そんなこんなで相変わらず前置きが長すぎて恐縮です。
娘の現在の英語力をどのように伝えたらいいか、私も英語がネイティブではない中で難しいですが、いくつか成長を感じたポイントを書きたいと思います。

会話力
会話力をゼロだったところからすると、この1~2ヶ月で飛躍的に向上したな、と言う印象を受けます。
語彙が増えたし、言い回しも増えたし、何より英語でコミニケーション取ろう、自分の意思を伝えようと言う気持ちが感じられます。

家でたまに英語タイムを設けて、私と英語で会話をしているのですが、勉強したページに日付を書くように、鉛筆を渡した私に対して、一生懸命

I cannot write by pencil on this paper. please give me a pen.
(やや違う言い回しかもです)と、英語で返してきてくれたのです。

紙がツルツルしていて、鉛筆では書きにくい素材だったのですが、つるつると言う表現がわからなくても、別の言い方で書けないからペンが欲しいと言うことを伝えてくれたのです。

これは、もう私の英語力と同じです。私も、言い回しや単語が限定的なので、どうにかこうにか別の表現で言い換えたりして意思疎通しているレベルなので。

英語圏や、母国語が禁止のインターに通っている子に比べたら、全くお話にならないレベルかもしれないですが、、
少なくとも私が見る限りでは、会話力は飛躍的に向上しています。

ただ、性格的な問題ですが、自分からあまり話そうとしないタイプなので、外でどのくらい喋っているのかは正直よくわかりません。

クラスメイトとの交流
8月からY3になったので、クラスメートのことを聞きたいなと思い、クラスの子の名前と出身国を教えてと言ってみました。

すると、クラスメイト全員の名前、スペルと、ほぼ全員の出身国を教えてくれました。
また、女の子の中には、お友達も複数人いる模様。

入学した当初は、日本語が通じる子達とそれ以外の日本語が通じる子としか見れていなかったので、すごい進歩です。
日本人と日本語でだけコミュニケーションを取っているのかな、と思っていたので、人見知りの娘がクラスメイトと英語で会話している姿を想像しただけで胸が熱くなりました。親バカ。

想像ですが、少し英語がわかってきて楽しくなってきたのと、英語ができないままなのは悔しい、という思いが本人の中に芽生えてきているように思います。

私も、日々中国に暮らしていて、中国語ができないもどかしさやストレスをすごく感じているので、その渇望感が原動力になるのはすごくわかります。

発音
学校で、初期のEALでフォニックスを学んでいるので、知らない単語でもフォニックスで発音しようとしています。(でもフォニックス学習が途中で終わってしまい、先生が変わったためやや中途半端、、、) せっかくきれいな発音を身につけつつあったのに、私が日本語英語で発音を直してしまうせいか、最近発音はちょっと日本人ぽい印象。

学校で有志の合唱に通っていて、先日Hiltonでクリスマスソングを披露してきました。クリスマスソングを家で練習している時の発音などはすごく綺麗で、私には真似できないなぁと感じています。

語彙力
半年前までは、知らない単語だらけだったのが、今は身の回りや生活、動物、学習などの基礎単語をかなり習得しています。
「おにごっこしよう」(Let's play tag together)など、私は全く知らなかった英語を身につけているのも子供ならではですよね。
加えて、文法用語(noun, verbなど)や学問用語(evapolation, saturn, odd numberなど)も授業で学んでいます。

リスニング力
どのくらい聞き取れているのかを私が評価するのは難しいのですが、側からオンラインレッスンを見たり、学校の授業内容を教えてくれるところから想像するに、かなりリスニング力もついてきたな、という印象です。
オンラインレッスン開始当初は、先生もかなりゆっくり話していたのが、最近は普通のスピードで話しかけられても理解して反応しています。

また、学校の授業も、当初は日本語ができるクラスメイトに通訳してもらっていたのが、今はほぼ通訳なしでおそらくついていっている様子です。
学校で何を習ったか、家で聞いてみても、以前はわかんない、忘れた、が多かったのが、最近は事細かに教えてくれることも多いです。

ライティング力、文法力
これはまだまだ、かつ私にはよく分からないので、今回は評価外とします。

ゆるインター(命名:私)に通わせている感想

非英語圏&母国語OKの ”ゆるインター” であることで、英語力の向上という観点ではデメリットというかハンデも正直多いですが、
日本語学習も続けられること、他にも娘の性格的にもこの学校にしてよかったな、と今の所は心から思っています。
入学初日から、楽しそうに学校に毎日通っている。日本語のお友達と日々仲良くしながら、異文化にも触れ、無理なく英語や中国語に接している。それが親としては何よりです。

また、ダイバーシティという観点では、周りみんなアメリカ人の中に日本人1人、といった環境より、むしろ中国人や韓国人やインド人や、Mixや、いろんな子がいて、いろんな母国語が飛び交っていて、国籍と言語の壁がない今の環境が、むしろとても良いように感じています。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。気がつけば6000文字超えの大作になってしまった、汗
少しでも参考になれば、もしくはお楽しみ頂けていたら幸いです。
また次回お会いしましょう^^

高身長アパレル ATEYAKA , MIHARU  Director
Kanako
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