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記事一覧

史記 韓非伝

史記 韓非伝 (太田方「韓非子翼毳」より)【書き下し文】 韓非は韓の諸公子なり。
刑名法術の学を喜(この)み、其の帰は黄老に本づく。
非、人となりは口吃、道説する…

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4か月前
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「韓非子」説林下【完成版・一気読み】

「韓非子」説林下 1) 【原文】 伯樂敎二人相踶馬。相與之簡子廏觀馬。一人擧踶馬。其一人從後而循之。三撫其尻而馬不踶。此自以爲失相。其一人曰。子非失相也。此其爲馬也…

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「韓非子」説林下 (37)

「韓非子」説林下 (37) 【書き下し文】 鄭人 一子有り。将(まさ)に宦せんとす。 其の家に謂ひて曰く、必ず壊れたる牆(かき)を築け。是れ不善の人 将(まさ)に窃(ぬす)まん…

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「韓非子」説林下 (36)

「韓非子」説林下 (36) 【書き下し文】 闔盧(こうりょ)郢(えい)(※1)を攻む。戦ひて三たび勝つ。 子胥に問ひて曰く、以て退く可きか、と。 子胥対(こた)へて曰く、人を溺…

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「韓非子」説林下 (35)

「韓非子」説林下 (35) 【書き下し文】 荊王の弟(※1) 秦に在り。秦 出(いだ)さず。 中射の士(※2)曰く、臣に百金を資せば、臣 能く之を出さん、と。 因(よ)りて百金を載…

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「韓非子」説林下 (34)

「韓非子」説林下 (34) 【書き下し文】 靖郭君(※1) 将(まさ)に薛(せつ)に城(きず)かんとす。 客(※2) 以て諫むる者多し。 靖郭君 謁者に謂ひて曰く、客の為に通ずる毋(な…

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「韓非子」説林下 (33)

「韓非子」説林下 (33) 【書き下し文】 韓咎(かんきゅう)(※1)立ちて君と為る。 未だ定まらざりしとき、弟 周に在り。 周 之を重んぜんと欲す。而して韓の(※2)立てざるを…

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「韓非子」説林下 (32)

「韓非子」説林下 (32) 【書き下し文】 斉 魯を伐ちて讒鼎(ざんてい)を索(もと)む。 魯人 其の鴈(がん)(※2)を以て往かしむ。斉人曰く、鴈なり、と。魯人曰く、真なり、と…

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「韓非子」説林下 (31)

「韓非子」説林下 (31) 【書き下し文】 韓趙相ひ与(とも)に難を為す。 韓子 兵を魏に索(もと)めて曰く、願はくは師を借りて以て趙を伐たん、と。魏文侯曰く、寡人 趙と兄…

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「韓非子」説林下 (30)

「韓非子」説林下 (30) 【書き下し文】 荊 陳を伐つ。呉 之を救ふ。 軍間三十里。雨ふる 十日。夜 星みゆ。 左史倚相(いそう) 子期に謂ひて曰く、雨ふる 十日。甲輯(あつ…

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「韓非子」説林下 (29)

「韓非子」説林下 (29) 【書き下し文】 越 已に呉に勝つ。又た卒を荊に索(もと)めて晋を攻む。 左史(※1)倚相(いそう) 荊王に謂ふ。曰く夫(そ)れ越 呉を破る。豪士死し、…

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「韓非子」説林下 (28)

「韓非子」説林下 (28) 【書き下し文】 智伯 将(まさ)に仇由(きゅうゆう)を伐たんとす。而れども道 難にして通ぜず。 乃ち大鐘を鋳て、仇由の君に遣る。仇由の君 大いに説…

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「韓非子」説林下 (27)

「韓非子」説林下 (27) 【書き下し文】 荊王 呉を伐つ。 呉 沮衛蹷融(しょえいけつゆう)をして荊師(※1)を犒(ねぎら)はしむ。 荊の将軍曰く、之を縛せよ。殺して以て鼓に…

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「韓非子」説林下 (26)

「韓非子」説林下 (26) 【書き下し文】 管仲鮑叔 相ひ謂ひて曰く、君(※1)の乱甚(はなはだ)し。必ず国を失はん。斉国の諸公子、其の輔(たす)く可き者は、公子糾に非ずんば…

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「韓非子」説林下 (25)

「韓非子」説林下 (25) 【書き下し文】 白圭 宋令尹(※1)に謂ふ。曰く君長せば自ら政を知らん。公 事無けん。今 君は少主なり。而して名を務む。荊をして君の孝を賀せしむ…

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「韓非子」説林下 (24)

「韓非子」説林下 (24) 【書き下し文】 周趮(しゅうそう)(※1) 宮他(きゅうた)(※2)に謂ひて曰く、我が為に斉王に謂ひて曰へ。斉を以て我を魏に資せば、請ふ 魏を以て王に…

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史記 韓非伝

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史記 韓非伝
(太田方「韓非子翼毳」より)【書き下し文】

韓非は韓の諸公子なり。
刑名法術の学を喜(この)み、其の帰は黄老に本づく。
非、人となりは口吃、道説する能わず。
而して善く書を著す。
李斯と倶に荀卿に事(つか)へ、斯、自ら非に如かずとおもへり。

非、韓の削弱せらるを見て、しばしば書を以て韓王を諫む。
韓王用ふる能わず。
是において韓非、国を治むるに其の法制を修明し、勢を執って以て其

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「韓非子」説林下【完成版・一気読み】

「韓非子」説林下【完成版・一気読み】

「韓非子」説林下

1)
【原文】
伯樂敎二人相踶馬。相與之簡子廏觀馬。一人擧踶馬。其一人從後而循之。三撫其尻而馬不踶。此自以爲失相。其一人曰。子非失相也。此其爲馬也。踒肩而腫膝。夫踶馬也者。擧後而任前。腫膝不可任也。故後不擧。子巧於相踶馬。而拙於任腫膝。夫事有所必歸。而以有所腫膝而不任。智者之所獨知也。惠子曰。置猿於柙中。則與豚同。故勢不便。非所以逞能也。

【書き下し文】
伯楽(※1) 二人に

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「韓非子」説林下 (37)

「韓非子」説林下 (37)

「韓非子」説林下 (37)

【書き下し文】
鄭人 一子有り。将(まさ)に宦せんとす。
其の家に謂ひて曰く、必ず壊れたる牆(かき)を築け。是れ不善の人 将(まさ)に窃(ぬす)まんとす、と。
其の巷人(こうじん)亦た云へり。
時をもて築かずして、人果たして之を窃(ぬす)めり。
其の子を以て智と為し、巷人の告ぐるを以て盗と為せり。

【現代語訳】
鄭の人に息子がいて、官職に就こうとしていた。
その父に

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「韓非子」説林下 (36)

「韓非子」説林下 (36)

「韓非子」説林下 (36)

【書き下し文】
闔盧(こうりょ)郢(えい)(※1)を攻む。戦ひて三たび勝つ。
子胥に問ひて曰く、以て退く可きか、と。
子胥対(こた)へて曰く、人を溺らす者、一飲にして止まば、則ち溺るる無けん。其の休まざるを以てするなり。之に乗じて以て之を沈むるに如かず、と。

【現代語訳】
呉王闔盧が郢を攻めた。戦って三度勝った。
伍子胥に問うた。「これで引きあげるべきか」と。
伍子

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「韓非子」説林下 (35)

「韓非子」説林下 (35)

「韓非子」説林下 (35)

【書き下し文】
荊王の弟(※1) 秦に在り。秦 出(いだ)さず。
中射の士(※2)曰く、臣に百金を資せば、臣 能く之を出さん、と。
因(よ)りて百金を載せて晋に之(ゆ)き、叔向(しゅくきょう)(※3)を見て曰く、荊王の弟 秦に在り。秦 出さず。請ふ百金を以て叔向に委せん、と。
叔向 金を受け、以て之れ晋の平公を見て曰く、以て壺丘に城(きず)く可し、と。
平公曰く、何ぞ

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「韓非子」説林下 (34)

「韓非子」説林下 (34)

「韓非子」説林下 (34)

【書き下し文】
靖郭君(※1) 将(まさ)に薛(せつ)に城(きず)かんとす。
客(※2) 以て諫むる者多し。
靖郭君 謁者に謂ひて曰く、客の為に通ずる毋(なか)れ、と。
斉人の見(まみ)えんと請ふ者有り。曰く臣請ふ三言(※3)にして已(や)まん。三言を過ぎば臣請ふ烹(に)られん、と。
靖郭君 因(よ)りて之を見る。客趨(はし)り進みて曰く、海大魚、と。因(よ)りて反(

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「韓非子」説林下 (33)

「韓非子」説林下 (33)

「韓非子」説林下 (33)

【書き下し文】
韓咎(かんきゅう)(※1)立ちて君と為る。
未だ定まらざりしとき、弟 周に在り。
周 之を重んぜんと欲す。而して韓の(※2)立てざるを恐る。
綦母恢(きぶかい)曰く、車百乗を以て之を送るに若(し)かず。立つを得ば因(よ)りて戒を為すと曰へ、立てずんば則ち来たりて賊を効(いた)すと曰へ、と。

【現代語訳】
韓咎が立って君主となった。
まだ君主に決まる前

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「韓非子」説林下 (32)

「韓非子」説林下 (32)

「韓非子」説林下 (32)

【書き下し文】
斉 魯を伐ちて讒鼎(ざんてい)を索(もと)む。
魯人 其の鴈(がん)(※2)を以て往かしむ。斉人曰く、鴈なり、と。魯人曰く、真なり、と。
斉曰く、楽正子春(がくせいししゅん)(※3)をして来たらしめよ。吾れ将(まさ)に子に聴かんとす、と。
魯君 楽正子春に請ふ。楽正子春曰く、胡(なん)ぞ其の真を以て往かざるや、と。君曰く、我れ之を愛(をし)む、と。答へ

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「韓非子」説林下 (31)

「韓非子」説林下 (31)

「韓非子」説林下 (31)

【書き下し文】
韓趙相ひ与(とも)に難を為す。
韓子 兵を魏に索(もと)めて曰く、願はくは師を借りて以て趙を伐たん、と。魏文侯曰く、寡人 趙と兄弟たり。以て従ふ可からず、と。
趙 又た兵を索(もと)めて韓を攻めんとす。文侯曰く、寡人 韓と兄弟たり。敢へて従はず、と。
二国 兵を得ず。怒りて反(かへ)る。已にして乃ち文侯の以て己を構するを知り、乃ち皆な魏に朝す。

【現

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「韓非子」説林下 (30)

「韓非子」説林下 (30)

「韓非子」説林下 (30)

【書き下し文】
荊 陳を伐つ。呉 之を救ふ。
軍間三十里。雨ふる 十日。夜 星みゆ。
左史倚相(いそう) 子期に謂ひて曰く、雨ふる 十日。甲輯(あつま)り兵聚(あつま)る。呉人必ず至らん。之に備ふるに如かず、と。
乃ち陳(じん)を為す。陳未だ成らずして呉人至り、荊の陳せるを見て反(かえ)る。
左史曰く、呉 反覆六十里。其れ君子は必ず休(いこ)ひ、小人は必ず食はん。我行

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「韓非子」説林下 (29)

「韓非子」説林下 (29)

「韓非子」説林下 (29)

【書き下し文】
越 已に呉に勝つ。又た卒を荊に索(もと)めて晋を攻む。
左史(※1)倚相(いそう) 荊王に謂ふ。曰く夫(そ)れ越 呉を破る。豪士死し、鋭卒尽き 大甲(※2)傷(きずつ)く。今又た卒を索(もと)めて以て晋を攻む。我に病(つか)れざるを示すなり。師を起こして以て呉を分かたんには如かず、と。
荊王曰く、善し、と。因(よ)りて師を起こして越に従ふ。
越王怒り、

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「韓非子」説林下 (28)

「韓非子」説林下 (28)

「韓非子」説林下 (28)

【書き下し文】
智伯 将(まさ)に仇由(きゅうゆう)を伐たんとす。而れども道 難にして通ぜず。
乃ち大鐘を鋳て、仇由の君に遣る。仇由の君 大いに説(よろこ)び、道を除して将(まさ)に之を内(い)れんとす。(※1)
赤章曼枝(せきしょうまんし)曰く、不可。此れ小の大に事(つか)ふる所以なり。而るに今や大以て来たる。卒必ず之に隨はん。内(い)る可からざるなり、と。
仇由の

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「韓非子」説林下 (27)

「韓非子」説林下 (27)

「韓非子」説林下 (27)

【書き下し文】
荊王 呉を伐つ。
呉 沮衛蹷融(しょえいけつゆう)をして荊師(※1)を犒(ねぎら)はしむ。
荊の将軍曰く、之を縛せよ。殺して以て鼓に釁(ちぬ)(※2)らん、と。
之に問ひて曰く、汝来(きた)るとき卜(ぼく)せしか、と。
答へて曰く、卜せり、と。
卜 吉なりしか、と。
曰く、吉なりき、と。
荊人曰く、今 荊 将(まさ)に女(なんぢ)を欲(ころ)して鼓に釁

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「韓非子」説林下 (26)

「韓非子」説林下 (26)

「韓非子」説林下 (26)

【書き下し文】
管仲鮑叔 相ひ謂ひて曰く、君(※1)の乱甚(はなはだ)し。必ず国を失はん。斉国の諸公子、其の輔(たす)く可き者は、公子糾に非ずんば則ち小白(※2)なり。子と人(ひとびと)一人に事(つか)へん。先づ達する者は相ひ収めん、と。
管仲乃ち公子糾に従ひ、鮑叔小白に従ふ。
国人果たして君を弑す。
小白先づ入りて君と為る。
魯人 管仲を拘して之を効(いた)す。鮑叔

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「韓非子」説林下 (25)

「韓非子」説林下 (25)

「韓非子」説林下 (25)

【書き下し文】
白圭 宋令尹(※1)に謂ふ。曰く君長せば自ら政を知らん。公 事無けん。今 君は少主なり。而して名を務む。荊をして君の孝を賀せしむるに如かざるなり。則ち君 公の位を奪はずして、大いに公を敬重せん。則ち公 常に宋に用ひられん、と。

【現代語訳】
白圭が宋の大尹に言った。「宋の君が成長すれば自ら政治を行うようになるでしょう。そうなるとあなたは実権を失うでし

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「韓非子」説林下 (24)

「韓非子」説林下 (24)

「韓非子」説林下 (24)

【書き下し文】
周趮(しゅうそう)(※1) 宮他(きゅうた)(※2)に謂ひて曰く、我が為に斉王に謂ひて曰へ。斉を以て我を魏に資せば、請ふ 魏を以て王に事(つか)へしめん、と。
宮他曰く、不可。是れ之に魏無きを示すなり。斉王必ず魏無き者に資して、以て魏有る者を怨ましめざらん。公 王の欲する所を以てせよ。臣請ふ 魏を以て王に聴かしめんと曰ふに如かず。斉王必ず以て公を魏有り

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