「韓非子」説林下 (35)
「韓非子」説林下 (35)
【書き下し文】
荊王の弟(※1) 秦に在り。秦 出(いだ)さず。
中射の士(※2)曰く、臣に百金を資せば、臣 能く之を出さん、と。
因(よ)りて百金を載せて晋に之(ゆ)き、叔向(しゅくきょう)(※3)を見て曰く、荊王の弟 秦に在り。秦 出さず。請ふ百金を以て叔向に委せん、と。
叔向 金を受け、以て之れ晋の平公を見て曰く、以て壺丘に城(きず)く可し、と。
平公曰く、何ぞや、と。
対(こた)へて曰く、荊王の弟 秦に在り。秦 出さず。是れ秦 荊に悪しき