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「韓非子」説林下 (24)

「韓非子」説林下 (24)

【書き下し文】
周趮(しゅうそう)(※1) 宮他(きゅうた)(※2)に謂ひて曰く、我が為に斉王に謂ひて曰へ。斉を以て我を魏に資せば、請ふ 魏を以て王に事(つか)へしめん、と。
宮他曰く、不可。是れ之に魏無きを示すなり。斉王必ず魏無き者に資して、以て魏有る者を怨ましめざらん。公 王の欲する所を以てせよ。臣請ふ 魏を以て王に聴かしめんと曰ふに如かず。斉王必ず以て公を魏有りと為し、必ず公に因(よ)らん。是れ公 斉有るなり。因(よ)りて以て斉魏有らん、と。


【現代語訳】
周趮が宮他に言った。「私のために斉王に説いて言ってください。斉の力で私を魏で重用されるように取り計らっていただければ、魏を斉王に仕えさせましょう」と。
宮他は言った。「それはできません。それをすればあなたが魏に勢力がないことを知らすことになります。斉王はきっと魏に勢力のない者の肩入れをして、魏の有力者の怨みをかうようなことはしないでしょう。あなたは王の望むことを行うのです。つまり、私は魏を動かして斉王の命令を聴かせましょう、と言った方がよろしい。斉王は必ずやあなたが魏に勢力があると思い、あなたに頼るでしょう。そうすれば斉に自然と勢力ができます。結果として斉にも魏にも勢力を持つようになりましょう」と。


※1 周趮は魏の人。
※2 宮他は斉の人。

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