サークルの新歓で会った女の子と家で遊ぶ約束をした話。

こんばんは。

気温も順調に上がってきて

夏の訪れを感じるこの季節。

この季節になるとどうしても思い出してしまう出来事があります。

それは大学一年生の初夏。

初めて女の子が僕の部屋に来たときのこと。。。



僕は静岡県の田舎町から関西の大学へ入学しました。

今もあるのかな?指定校推薦って言う神に選ばれし青少年だけが賜うことができるスペシャルな入試をかいくぐって。

我が母校の紹介動画です。


もちろん、静岡県から関西まで通うわけにはいかないってことで宿を借りなければなりません。

紆余曲折ありまして僕は関西学院大学が運営する学生寮に住むことになりました。

典型的な男子寮。

厳しい上下関係に、鬼が作成したと思われる寮則。

そして1年生の間は相部屋という、およそ思い描いていた寮生活とはかけ離れたものだった。(この生活についても後日書きます。)


とは言っても関学生。

西の慶応だなんて言われたこともあるおぼっちゃま、お嬢ちゃま大学。

もちろん寮の生活は厳しかったけれども

それを補って余りあるくらいに

色恋沙汰に溢れ返った大学生活が待ってると信じていた大学一年生の春だった。

そして実際に。。。


色恋沙汰はあったのだ!!

このブログの性質上。

「周りはすぐに彼女できたのに俺だけできねぇじゃねぇかクソが!!」

的な展開になりそうですけど

実は僕はスタートダッシュだけはよかったんです!!

5月の中頃だっただろうか。。。

友達に連れられてフットサルサークルの新歓に行った時のこと。

4月に行った新歓で痛い目にあってる僕は

(詳しくは前の記事https://note.com/kanpachi8/n/nbb420d4c8ad6)

既に、大学生を忌み嫌うモンスターと化していた。

しかもフットサルサークル。。。

大した知識がなくても、佐野にとって圧倒的にアウェイであることくらい予想はできた。

友達と一緒に集合場所である駅へと向かう。

改札口付近にいたのはデッカイ怪物だった。

足がすくむ。

「やめとこ?」

友達に提案すると友達は言った。

「なにに怖がってるの??」

そう言われてもう1度その怪物を凝視するとそれは怪物ではなかった。

大学生の集団だったのだ。

そう。私は前回の新歓の影響で大学生が固まっているところを見て怪物と勘違いしてしまう思考を有してしまったのだ。

「じゃーあ!!今日初めて来たって人はこっちがわ!もう来たことある人は先輩達と先にフットサルコートに向かってくださーい!!w」

モンスターズインクのロズみたいな女が周りへの迷惑など1ミリも考えていない声量で仕切りまくる。


ダウンロード (2)

               (ロズ)


ロズの呼びかけによって

一度でもこのサークルの新歓に顔を出した者はフットサルコートへ向かい

私を含めたニューカマー達は他の場所に集められ前髪が至極鬱陶しい男性に向かって大学名と名前を言うように指示された。

どうやらこちらのサークルはインカレと呼ばれるものらしく

関学周辺の大学生が集う魔界であると言うのだ。

震えた。

関学生以外と絡む・・・

想像しただけで臓器が口から出てきてしまいそうな悪寒が走る。

逃げ出したい・・・

でもダメだ。

僕には今日、友達がいるんだ!!

この友達を見捨てて帰るわけには・・・

「武庫川女子大です」「神戸女学院です」

青春アニメでしか見たことないような輝きを纏った女子大生が次々に自分の通う大学名を、受付担当の前髪鬱陶しい男に告げていく。

そう。僕とはまったく無縁の女性たち。

きっとこのサークルの前髪鬱陶しい先輩達と一緒にバーベキューに行ったり、少人数で旅行とか行ってツイスターゲームに明け暮れるんだろう・・・

そんな予知にも近い妄想をしていると

???「関西学院大学です」

胸に刺さる声だった。

恋はいつから始まるの?こんな疑問が街に溢れている。

その答えが見つかったような気がした。

「その人の声が始めて鼓膜を震わせたとき」なんじゃないかなって・・・

透き通るような甘いような。

中毒性のある声でその女性は自らの通っている大学を関西学院大学と名乗った。

そう、僕と同じ大学だ。

少し巻いた長髪を携えた彼女は芸能人で言うところの足立梨花さんにクリソツだった。(ってことで以下 リカと呼ぶことにする。)

受付を済ませた彼女は一緒に来ていたと思われる友人と笑顔でコート内へ入っていった。

「・・・おいっ!おーい!!」

友人からの声かけで我に返る。ほんの数秒であるが完全に私の心はリカの所有物と化していた。

友人「なにボーっとしてんだよ、大学名と名前、言って!」

前髪「可愛い子でも見つけて見惚れてたんじゃない??ww」

前髪の重い男が薄汚い声で俺をいじる。

図星なところがまた気に食わない。

「関西学院大学(くわんせいがくいんだいがく)からやってまいりました!!佐野寛と申します!!佐野ひなこの佐に佐野史郎の野、三田寛子の寛で佐野寛です!!よろしくお願いします!!」

胸を膨らませて求愛する鳥のように、大きく息を吸い込んで自己紹介をさせて頂いた。

これで完全にスイッチが入った。

この前のような地雷女には捕まらない。

今日こそ・・・

彼女を作って見せる!!!




コート内へ入ると、そこには今までどこに隠れてたんだってくらいに大学生がいた。

ざっと100人はいるだろうか。

なんでもこのサークル、所属人数だけで80人もいるらしい・・・

そこに新入生も合わさってるわけだ。むしろ今日は少ない方なのかもしれない。

ここで私達より先に通された初回参加ではない新歓生と顔を合わせることになる。

なるほど。さすがは複数回このサークルの新歓にきているだけある。

顔を見ただけでどれだけの死線を乗り越えてきたのか、十分に伝わってきた。

とあるものは女性と会話をし、とあるものは既に先輩からあだ名をつけられ可愛がられていた。

そーなのだ。

サークルと言うのは細かく振り分けられた年功序列制度。

一秒でも先に来ていた者がより強い権力を握る、悪しき風習がある。

内輪の文化のなれの果てと言ったところか・・・


私はコートの角をセレクトし、腰を下ろした。オセロなら最強の位置だ。

そこで友達と談笑していると茶髪にピアスと言った風貌の男性が話しかけてきた。

茶髪ピアス「初めて?」

私達「はい!」

茶髪ピアス「そーなんだwサッカーやってたん??」

私達「いやっ、やったことなくて・・・でもサッカーは好きです!」

うんこ「あっそ。ここでは~、ガチでフットサルやるやつ逆に浮くからww」

理解に苦しんだ。

いや、理解したくなかった。と言った方が正しいだろうか。

フットサルサークルなのに真面目にフットサルをやってしまったら浮いてしまう。そう彼は言ったのだ。

どうせ嘘だろう。私達が本気を出して自分が潰されるのが怖くて。。。

だからこんなデマを流して自分の立ち位置を保っているのだろう。

トイレットペーパーなくなるとかってデマ流したのもこいつじゃないのか?

そんなことを考えていると

少しだけ聞き覚えのある声がコート内にこだました。

「えーっと、それじゃあ班分けしようと思いまーすww

これだけ人数多いんで試合できない人も出てくるけど、それはごめんさーいwってことでww」



ロズだ。

ダウンロード (2)

               (ロズ)

そしてロズは続けた。

「女の子もいるんで、絶対に強くボールは蹴らないようにwww」

茶髪ピアスに発言が真実であることがここで証明された。

ここで確定したこと。

それはこのフットサルサークルがクソである。ということである。

出会い目的、いや、もっと嫌な言い方をすれば飲みサーやヤリサーであることが確定したのだ。

きつい・・・

こんな欲にまみれたクソどもと同じコートにいることを静岡の田舎の両親が知ったらどう思うだろう。

そんなことを考えていると試合が始まった。

「キャー!!キャー!!」

黄色い声が迸る。

男子プレイヤーが女子プレイヤーをおちょくるプレーをしているようだ。

この光景をなでしこジャパンが見たらなにを想うだろう。

そんな時にふと思い出す。

リカ!!!

リカはどこだ?!?

コートを。。。もとい、猿山を見渡す。

蠢く猿の中に一際輝くアマテラスを見つけた!!

リカだ!!!

案の定、リカはお猿さん達に囲まれていた

クソ!俺としたことが!!生涯愛すると決めたリカから目を離すなんて!!

ざっと6人くらいだろうか

6人中5人が茶髪だった。

恐る恐る近づいてみる。

「ねえwライン教えてよww」

こんなことある?

にわかに信じ難がった。

私が耳を澄ましたこの瞬間にラインを聞いていたのである。

ってことは私がリカを見失っていた時間、ずっとこいつらは口説いていたに違いない。

おぞましい。

リカの身になってみたらこんなにもおぞましいことはないだろう。

今日初めて会ったオス猿に囲まれ、ラインと言う名の餌を要求されているのだ。

相手は猿、故に断ったらなにされるか分からない。

そんなリカの境遇を想像して私はその場で泣き崩れてしまった。

「すまない。君を一人にしてしまって・・・」

私は恐る恐るリカに近づいてサルたちがリカから興味をなくすのを待った。

下手に刺激すると暴徒化する危険性をはらんでるからね、彼らは。

そして猿たちは散り散りにそれぞれのテリトリーに戻った瞬間を見逃さず私はリカの近くに鎮座した。

真隣というほど密接というわけではないが、おそらくこのコート内で一番リカの喋り相手として相応しいポジション。

心臓が張り裂けそうだ。

愛しすぎてしまった女の隣にいることが、ここまで臓器に負担をかけることになるとは。。。

「ど、、、どこの大学なんですか??」

言葉と共に心臓が出てきそうなくらい緊張しながら私は彼女に話しかけた。

「関学だよ~」

もちろん知っていた。

しかし、さっきの受付の言葉を盗み聞きしてたと思われたら気持ち悪がられるだろうし、覚えていたと思われたらその倍気持ち悪がられる。

抜け目のない男、佐野寛です。

「え!一緒!!学部は??」

臭い演技だってことは私が一番理解しているつもりだ。

「社会学部だよ~」

「え?!??」

言葉が見つからない。神様のいたずらってやつか??

そう。何を隠そう、私も社会学部生の一員なのだ。

こんな奇跡はない。

インカレサークルに置いて同い年の同じ大学の同じ学部の子と巡り愛(会い)、その子が運命の人だなんて・・・

できすぎている。正直そう思った。

「お、、、、俺もだよ!!俺も!!社会を学ぶ部署と書いて社会学部!!」

「え!同じや~♡授業なに取ってるの~??♡」

「えっと・・・社リレーとか・・・」

「それ必修や~ん♡みんな取っとるわ~♡」

はぁ・・・幸(さち)。。。

幸を噛み締めている。俺は今全力で。

奥歯がボロボロになるくらいに幸を噛み締めまくっている。

その後も学部についての話で盛り上がり、気付いたら新歓は終了の時間が近づいていた。

俺とリカ、俺の友達とリカの友達

なんとなくその2対2の構図で約1時間弱会話を楽しむことができた。

これは今までない満足感。

なにせこのコート内に私以外の男の数は80を越えようかという勢い。

この競争率の中で今日に関しては勝利したと言っても過言ではないのだ。

「それじゃ終わりまーすww

プレーできなかった人はごめんさーいっ!来週も新歓あるので、是非来てください!それじゃあ解散ww」

ロズが現地解散を告げるホイッスルを鳴らし、私達は帰路に着いた。

見上げた夜空に満点の星空

「今日ほど幸せな日はない!!!」

私は瞬く星たちに、そう報告し友達と共に帰ろうとした。

もちろん、リカも一緒に・・・・

ってあれ?!?

リカがいない!!

しまった!!!猿にホイッスルなど聞こえるはずがない!!

奴らは年中無休で女を狩る異常者であることをコンマ数秒忘れていた!!

急いでコートを出て周りを探し回る。

向かいのコート、路地裏のコート

そんなとこにいるはずもないのに!!!!!


心身ともにボロボロになるまで探したが見つからず

私と友人は駅まで歩くことにした。

失意のどん底。もう二度と離さないと決めたリカの手を放してしまったのだ。

情けない。。。

駅に着くと先ほど対峙した猛獣達が群れを成していた。

そして・・・

その群れの中に。。。

リカの姿。。。

リカはさっきとは違う珍獣、、、もといチン獣にちょっかいをかけられていたのだ。

「ライン教えてw」

また言ってるよ・・・唯一覚えた言語なのか?それは・・・

リカは拒んでいた。勇敢にも獣に立ち向かっていたのだ。

私はその姿に感銘を受け、また涙を流してしまった。

それとなくリカに近づくと

「あっ!!かんくん♡」

リカは近寄ってきた。

正直こんなにも嬉しいことはなかった。

とりあえずこの時点でチン獣たちよりも私の方が一緒にいるオスとしての価値が高いことが証明されたのだ。

しかし今回の獣たちはここで引き下がるようなタマじゃなかった。

なぜならこいつらは・・・

2回生(2年生)だったのだ!!!

「おっ、君も一回生?この後、アフター行かない??」

アフター??

なんだそれは。

キャバ嬢か。

どうやらサークル民は活動後にご飯に行くことをアフターというらしい。

汚らわしい。。。アフターという単語を創造した者に土下座して謝ってほしいくらいだ。

当然、お断り。

私には一刻も早く家に帰ってマンガやテレビ、ゲームに勤しまなければならないという使命があるのだから。

「あっ、すみません。僕、お金ないんで・・・」

つくづく佐野は大人だなと感じる。

本音をしっかり隠す。

時には嘘をつくのもマナーである。

「大丈夫、俺もないからwww」

こんなにもよくわからない大丈夫は生まれて初めてだった。

せめて

「俺がおごるからさ!行こうよ!」

くらいの気概があればこいつと飯に行くことも考えなくはない。(もちろん嫌ではあるが)

こんな支離滅裂な輩とご飯なんか食べたら脳に支障をきたしそうだ。

私達はこの猛獣と距離を取り、電車に乗り込んだ。

車内でも私達のべしゃりは止まらない。

特急顔負けのマシンガントークでリカを悦に浸らせた。

これはいける。

友人とリカの友人が少し話し込んでいるところを見計らって私も一歩踏み出した。


「連絡先。。。交換しない???」

彼女は頬をポッと赤らめ。

こう言った。



「ツイッターなら。。。教えてあげる。。。」




どーゆーいみ??

え?インスタとかなら分かるけど。。。

少し戸惑ったが私は快諾し

彼女との奇妙なDM生活が始まった。


毎日毎日彼女からは返信が来る。

すぐに返したら余裕のない男と思われるって本で読んだことがあった私は(持つべきものは知識である)

意図的に少し時間を置いて返信をした。

私が今どんな暮らしをしているのか。

好きな音楽はなにか、今日学校でなにがあったのか。。。

控えめに言ってリカは私に興味の方が深々であった。

そして。。。

ついにこの言葉がリカの口から発せられる。


「今度・・・かんくんの部屋。。。行ってみたいな・・・」



脳が真っ白になる感覚に襲われる。

早くないか?早くないのか??関西ってこんなもんなのか?大学ってこんなもんなのか?

少し前に先輩の部屋に呼ばれたことがある(結果元カレとのジョイント役)

でもあれは百戦錬磨の先輩だから納得ができたのだ。

今回は同級生、しかも大学生になりたてほやほや。

確かに同期とは思えない色気を放ちまくっているリカだが・・・


迷ってる暇はないっ!!!!!


「え、汚くてもいいなら別にいいけど・・・」


はいっ、満点解答。

あざます。

斯くして、リカが俺の部屋に来ることが決まった。

そう。

まさかあんな夜になるとは。

この時の私が

知る由もなかった・・・

「サークルの新歓で会った女の子と家で遊ぶ約束をした話」

fin.


みなさんからのサポートで自分磨いて幸せ掴むぞ♪