棺桶六
世界一紳士的なスポーツ「ヘヴィファイト」に関する記事のまとめです。
プロフィール欄にも書いてある通り、俺は「ヘヴィファイト」という世界一紳士的なスポーツを嗜んでいる。諸事情により今は開店休業中だが、それは一旦置いておく。 「ヘヴィファイト」とは何か――それについては、先人によるたいへん分かりやすい解説がすでにあるので、俺はわざわざ改めて書いたりはしない。それを書く時間も、そしてお前に読ませる時間もないからだ。 まずは下のリンク先を読んでくれ。 甲冑バトルと愉快な仲間たち(日本編) 甲冑を着て模擬戦を行う。アーマーコンバット(ヘヴィファ
前作「ほんとにあった!呪いのビデオ100」がまさかの劇場公開で我々の度肝を抜いてから早1年。25周年を記念して「ほんとにあった!呪いのビデオ109」が上映時間100分というまぁまぁな長さを引っ提げて再び映画館で公開される運びとなった。あと5年待てなかった?と思わんでもないが、5年後に何が生き残っているかなんて分からないから祝える時に祝っておこうという心持ちで見てきた。あらすじはこの辺でも見て下さい。 感想なんですけれど、「『100』よりよくなった部分もあるし、そうでない部分
義姉の葬儀以来、四年振りに見る故郷の空はひどく暗い鈍色だった。空の下で神坐山にかかる笠雲だけが、光源もなく淡い七色に輝いている。山が瑞兆であるはずの光る雲を背負って以来、誰も山中から還ってきてはいない。姪の夕月もその一人だ。姿を消して既に九日が経っていた。 「友達が止めるのも聞かんと、母親を呼びながら山へ入ったらしい」 「こんな時に娘から目を離す馬鹿がいるかよ」 恨めしそうに山を見上げる兄の晧に向け、吐き捨てた俺の背を昴が叩く。 「ちょっとアキちゃん、そんな言い方」 「…
見知らぬ森に聳える大樹の、ひと際太い枝にロープをかけて輪を首元に巻いた。後は足元の箱を蹴倒せば済む、その時にようやく10年前の電話を思い出した。 画面の割れたスマホでプッシュするのは自分の電話番号。本来なら繋がらないだろうが、今なら違うという確信があった。呼び出し音の後―― 『もしもし?』 緊張と、猜疑心で上擦った声。あの時の俺もこんな声だったろうか。 「ホウライ株式会社の選考を辞退しろ」 簡潔に、しかしはっきりと言い聞かせる。そしてしばしの沈黙の後。 『ふ
「機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム」の最終話が意味不明、支離滅裂だったという感想を書くための雑記です。皆さんに同意してほしい訳ではない、これは俺の魂の呻き声なんで。 当然ネタバレがあります。 物語の最後には気兼ねなく殺し合いをしてほしい。 これは私の性癖の話なんですけれどね。 互いに立場や事情があれど、敵味方の陣営に分かれて、武器を持って戦場で相まみえてしまった訳じゃないですか。殺し合い以外のコミュニケーションって必要なくないですか……? そりゃあイリヤ達は「もう逃げ帰
「早よせぇや、代わりにお前ら埋めてまうぞボケッ!」 廃寺の欄干に腰を下ろした兄が罵声を飛ばすと、明が舌打ちをしてスコップを地面に突き刺した。隣で同じく穴を掘っていた俺が「やめとけや」と忠告するより先に兄が明へと詰め寄る。 「何や」 「いや……なんで一番の当事者が後ろでふんぞり返ってんのかな、と思って」 しばしの沈黙の後、鈍い音とともに明が土の中へ顔を突っ込んだ。兄の殴打によるものだと気付くより先に、倒れた明を目掛けて白い革靴の先が何度も突き刺さる。 「兄貴、マズいって!
「ガンダムブレイカー4」のストーリーを一通りクリアしたので、ゲームの感想を書き残しておきます。 ●「ガンダムブレイカー」とは? 自分だけの“俺ガンプラ”を創って戦うアクションゲーム。初代は2013年発売で、ジャンルは「創壊共闘アクション」。押し寄せる敵を倒しては無数にあるパーツで時機を強化し、文字通り無限にある組合せのなかから自分だけのガンプラを作ってミッションを勝ち抜きましょう。 今作からはジオラマ機能も追加されており、自機をさらに魅力的に演出することができます。 ●
先日ライオンマスク氏、a.k.a.獅子吼れお先生主催の逆噴射パルプスリンガーオフ会があったのでお邪魔してきました。 また『領怪神犯』作者の木古おうみ先生も同席されていたのでサインを頂戴しました。 閑話休題 最近ずっと志の低い心霊ドキュメンタリーにツイッターでキレ散らかしているせいか(風評被害だ)ホラー小説について意見を求められる機会を得ました。ただ私は生来の口下手コミュ障マンなのでその場ではうまく言語化できなかったため、改めて整理し書き残そうと思います。 なお以
夏といえばホラーだと相場が決まっているのは『ホツマツタヱ』にも書いてありますが(ところで「ツタヱ」が「伝え」なら「ヱ」じゃなくて「ヘ」じゃない? どうでもいいけど)、今年の夏はホラー関連の特番といえば「日本で一番コワい夜」が映像の無断使用で怒られたくらいしか面白いことがない。「ほんとにあった怖い話」も未だに放映予定を出さないという体たらく。これは由々しき事態なので、都内で開催されていたホラー系のイベントをハシゴして「恐怖」を充填することとしました。 こんな厄い展示が同時期に開
大学四年生の頃、単位を十分取得して時間にゆとりができた時に体験した話だという。 「アンタ、家庭教師やってんだって?」 先輩から唐突にそう切り出された。確かに大学生になった頃からずっとアルバイトとして続けている。 「ちょっと頼まれてくんないかなぁ、暇なんでしょ?」 「いいですけれど……教えるのはどんな子ですか?」 「それが、ト○イだとか大手の業者からも何人か行ってるみたいなんだけれど。どうも長続きしなくて。アンタくらい浮世離れしてれば大丈夫だと思うんだけどね」 どういう条件だ
あるサラリーマンが、地方の過疎地で訪問販売を命じられた時の話だという。 何にも成果が上がらない。そもそもどこにも人家がない。 しかも販売するノルマを課せられたのは、過疎地にはとてもニーズがあるようには思えない当時の最新機器だった。夏の盛り、朝から駆けずり回って当然ながら一つも売れていない。 「こんな田舎で買うヤツなんかいねぇよ……」 仕事とはいえ限界だった。熱中症一歩手前の体が日陰を求めて訴えている。もう倒れる一歩手前だという時、トタン屋根が据えられたバス停を見つけてベ
6月後半のヘヴィファイトを報告する。 朝まで降っていた雨のせいもあってか、死ぬほど湿度が高く正気を疑うほど暑かった。こんな季節に甲冑を着て戦うヤツはあほだと思うでしょうか。正確には「どんな季節であっても甲冑を着て戦うヤツは一人残らずあほ」です。 ●編集後記 暑い。本当に暑かった。 なんならその後、夜までずーっと頭痛がしたんだけれどこれ熱中症だったのでは? 7月と8月は甲冑の練習がないので、次の更新は9月になる予定です。でも溜まっている写真があるため、蔵出し更新があるかも。
もうすぐクリスマスという時期。街を行き交う人々が厚着になる頃だという。手塚さんという男性が学生の頃、友人の芝浦さん(いずれも仮名)と体験した話だ。 「おい、さっさと風呂に入れよ!」 前からやってきたホームレスらしき男性は、急に声をかけられてむっとした表情で顔を上げたものの、すぐに顔を伏せて道の端へと逸れていく。そう声を発した芝浦が、学生にしてはずいぶんと恵まれた体格だったからだろう。実際に彼は学校でも活躍が有望視される、武道系の部活の現役部員だった。 見ず知らずの相手であ
6月最初のヘヴィファイトを報告する。参加したファイターは8人。 そろそろ気温も高くなり、公園にも蚊が発生し始める。快適な甲冑の季節は終わりを告げ、愉快な地獄への遠足が始まった。 ●編集後記 実に1年ぶりの更新である。一度月ごと更新とか四半期更新にすると写真が溜まり、一度の更新に載せる写真の量が増え、億劫になり、やがてブラウザでnoteを開く機会も減っていく。end of mexico、荒野で死体を晒し、ハゲタカに豊富な栄養を提供することになった……。 なので今後はこまめに更
最近(といってもここ2カ月くらいだが)、ヘヴィファイトで二刀を使用している。 (正確には刀じゃなくて剣なんだから双剣じゃねーかという気もするが、聞こえがいいのでここは二刀で統一する) 俺はヘヴィファイトを始めてから7年近く、ほとんど剣盾(片手に剣、片手に盾を持つスタイル。盾の形や大きさは一様ではない)のみで戦ってきた。理由は簡単、強いからだ。ヘヴィファイトはほぼ全身に当たり判定がある、しかし盾を持つだけで大きさによっては体を覆い隠すことができる。彼我の実力差が多少あろうとも
3~4月にかけてオフ会に行った、2度。 3月末はライオンマスク氏が幹事(いつもありがとうございます!)、4月冒頭はタイラダでん大哥が全国の競馬場で駆けながら上京するという博徒みたいな旅の道中でのオフ会。 4月のオフ会で、同席者(多分しゅげんじゃさん。遊行剣禅さんかもしれぬ)から「貞子が異世界転生したら面白そう」という話が出て、俺は「怪物は正体が分からないからこそ怖いので、貞子を主人公にするのではなく異世界で凄惨に死ぬモブキャラの物語だといい」と言った気がする。 言いながら「