見出し画像

沖縄のお墓(亀甲墓)の意味

「COOからエッセイスト」

りゅうぐう(竜宮)からのメッセージを綴ります

ひとりの「Human being」として

ひとりの「Human doing」を



沖縄のお墓は日本式のお墓とは違う考え方、型をした沖縄文化を知る上の象徴的、代表的な様式美を持っています

写真の「亀甲墓(きっこう)」の型は「女性の子宮」を型どったもので(亀の甲羅のような形)

人間は子宮から産まれて、死んだら子宮に戻るという意味が込められています、沖縄独特の概念(鶴は千年、亀は万年と言いますが、故人は安らかに母親の体内で魂が眠り、そしてまた命を宿し生まれ変わるという「永遠の命」というの感覚だと私は感じています)


どうでしょう、この「亀甲墓」の型は女性の「子宮」に似ていませんか?


画像1


また、この大きなお墓は「門中墓」といって、家族単位のお墓ではなく沖縄では「門中(もんちゅう)」という血縁のある親戚一族の先祖が祀られており、生きている子孫たちも亡くなったら一族の子宮である「門中墓」に戻っていくのです(門中とは相撲の世界で例えれば「○○一門」という感じです)


沖縄の人たちは日本中でどの県民よりも「ご先祖さま」を大事にする民だと思います

特定の宗教を信仰している人でも、「先祖供養」をしない人はいないと思います

最近のマンションなどは別にして沖縄古来の家の造りの考え方を見ても良くその「先祖崇拝」が表れています


沖縄では「仏壇」が祀られている部屋は、昔から「二番座」という、縁側の正面にあたる座敷間に祀る風習が当たり前のようにあります(一番座は縁側から見て右側にある部屋で客間、三番座は縁側から見て左、今風に言えば居間、リビング、裏座は寝室や収納室)


画像2


日本式の家屋については詳しくないので分かりませんがおそらく「神棚」を1番大事にしているのではないでしょうか?


つまり沖縄では、「縁側の正面」、「家の真ん中(中心)」にご先祖さまをお祀りするのが古くからの考え方で、ご先祖さまが家族の中心で最も「敬う」べき対象という姿勢を表しています


そして、一族でご先祖さまに感謝するために、毎年「清明祭(シーミー)」(二十四節気(小寒、大寒、立春、雨水、啓蟄、立春、清明など)の第7節目で正式名は清浄明潔という意味で、今年は4月4日です)という先祖供養する儀式があるのだけれど、かなり盛大な先祖供養の儀式です


画像3


本格的な家柄では家族、親戚単位だけでは無く、
「門中(もんちゅう)」という同じ血筋の人達がみんな集まり、極端な例では会った事もない親戚の人たちまでこの日に顔を合わせることもあります(今はかなり簡略化されていますが)


それでは縄文人のお墓についてですが、沖縄とよく似た考え方をしています


現在、一般的には沖縄も亡くなった方を火葬し、一族や家族の墓に葬られますが、縄文時代のお墓は、死者を屈葬(くっそう)や伸展葬(しんてんそう)と呼ばれる埋葬方法で住居の側に穴を掘っただけの墓「土壙墓(どこうぼ)」に埋葬していたそうです


「屈葬(くっそう)」とは、埋葬する際に故人の手足を折り曲げた姿勢にして埋葬する方法のことで、一般的には「赤ちゃんがお腹の中でとっている姿勢」が近いと言われています


画像4


体の向きは、あお向きだったり、横向きだったり様々だったそうすが、なぜ屈葬かというと埋葬の際、「赤ちゃんと同じ体勢」にすることで魂の再誕を祈るためだったと考えられているようです


画像5

「荷造り中のスーツケースに入り込む3才の時の長男」(母親の胎内へ戻ると安心する帰巣本能かもしれません)


沖縄人と縄文人の共通点のひとつは、「故人の埋葬と蘇り(再誕)」の概念です


「母親が子(命)を宿し、産み誕生させるように、死者も母親の胎内に帰り、更に魂を(命)育み、再誕させていく」という概念を本能的に持っていたのだと思います


縄文人も沖縄人も「命」=永遠の「Human being 」だという概念を本能的に持っていたのだと思います

その「命」を宿し、胎内で育み、産み、乳を与え、抱き守るのが、母親の愛=「Human doing 」だと私は考えています

この記事が参加している募集

#最近の学び

182,321件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?