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百人一首で伸ばす読解力講座第3回:「あしびきの」(柿本人麻呂)
平安時代の歌人たちにとって憧れの存在で「歌聖」とも呼ばれた柿本人麻呂の歌が第3回の歌です。
あしびきの山鳥の尾のしだり尾の長々し夜をひとりかも寝む
【現代語訳】山鳥の尾で、長く垂れ下がった尾のように、長い長い夜を一人で寝ることであろうかなあ。
この歌も前半と後半で分かれます。前半は「あしびきの山鳥の尾のしだり尾の」で、後半が「長々し夜をひとりかも寝む」です。
前半は和歌の表現技巧でいうとこ
百人一首で伸ばす読解力講座第2回:「春過ぎて」(持統天皇)
ちょっとだけ間があいてしまいましたが第2回行きます。持統天皇の「春過ぎて夏来にけらし白妙の衣干すてふ天の香具山」です。
【現代語訳】春が過ぎて夏が来たらしい。真っ白な衣を干しているということだよ、天の香具山に。
「春過ぎて夏来にけらし」が前半、「白妙の衣干すてふ天の香具山」が後半だということは【現代語訳】からわかりますね。
前半が感想になっていて、後半がその感想を持つ理由、景色になっているわ
百人一首で伸ばす読解力講座第1回:「秋の田の」(天智天皇)
これから不定期にはありますが、百人一首の歌を取り上げて、歌を詠みながら読解力を伸ばすための「読むポイント」を紹介していこうと思います。今日はその第1回。天智天皇の「秋の田のかりほの庵の苫をあらみ我が衣手は露に濡れつつ」です。
【現代語訳】秋の田の刈り穂を積んでおく仮の庵(小屋)は(屋根の)編み目が粗いので、私の衣は(落ちてくる雨で)露に濡れ続けているよ。
まず、作者に注目してください。天皇です