マガジンのカバー画像

ミニカニ講座

19
ミニカニ講座に関する記事をまとめています🦀
運営しているクリエイター

#奄美大島

春のミニカニ講座④「うたう」自分の呪詞をつくりました

春のミニカニ講座④「うたう」自分の呪詞をつくりました

2023年3月30日は、ミニカニ講座④「うたう」でした。

かつて島では、言葉に呪力があると考えられていました。
動植物はもちろん石や木や森羅万象すべてのものに
霊魂が宿っていると考えるアニミズムの世界観の時代です。

言葉にも霊魂(言霊)があり、
言葉にだしたことは現実を動かす力があると考えられていました。

今回の講座の前半では、
どのように呪力のある言葉を使っていたのかをお話しし、
島で使わ

もっとみる
彼女は煙草片手に「脱皮ってけっこう疲れるんだよねー」と目を細めて言った。

彼女は煙草片手に「脱皮ってけっこう疲れるんだよねー」と目を細めて言った。

9月22日のミニカニ講座は、
「脱皮」がテーマでした。

まずは、
「かつては人間も脱皮していた」という記述のある
宮古島の昔話や豊年歌を紹介しました。

そして、
参加者それぞれにとっての「脱皮」について考えてもらったり、
「わたしは脱皮ができる人間です」という書き出しでライティングをしたりして、
「脱皮」について思い巡らせました。

・脱皮は疲れる
・脱皮は不純物を身体の表面に集めてその皮を脱

もっとみる
暮らしの中にうたを!

暮らしの中にうたを!

第7回目(7月28日)のミニカニ講座は、
「魔除けのためのカニのうた」がテーマでした。

まずは、奄美の「うたあしび」のうた掛け文化や、
言葉には霊力があると考える「呪言(クチ)」について
お話ししました。

暮らしの中に歌があって
日常的に即興でうたを掛け合っていたという
島の人たちのなんと創造的なことでしょう!

しかし
他集落との「うたあしび」では、
うたを通して相手に呪いをかけることもあっ

もっとみる
もっとkaniと仲良くなりたい!

もっとkaniと仲良くなりたい!

第3回目(6月16日)のミニカニ講座は
「カニのうたは魔除けのうた」でした。

その昔
島では森羅万象すべてに神が宿るとする
アニミズムの世界観がありました。
山に入る時、夜道を歩く時、海に出る時など、
精霊に悪さをされないように、
新しい着物を着る時、喉に魚の骨が引っかかった時など、
守ったり助けたりしてもらえるように、
人々は、言葉の力を使っていました。
島ではそれを「呪言(クチ)」と言ってい

もっとみる
あの世とこの世の波打ち際にカニたちは這いまわる

あの世とこの世の波打ち際にカニたちは這いまわる

きのうのミニカニ講座のテーマは「カニ這わせの儀式」だった。

かつて、奄美では生後7日か目に
新生児を外に出して光にあててお祝いする
「イジャシハジメ(出し初め)」という儀式があった。

生まれて7日目の赤ちゃんを外に出して
頭にカニを這わせ、
その後男児の場合は弓を引いたり
女児の場合は機織りに関する道具をもたせ
額に鍋墨をつけたり。
縁起ものの植物を植えたり。

そもそも
頭に這わせるのが

もっとみる
今発するひかりは過去にも未来にも影響する

今発するひかりは過去にも未来にも影響する

第1回ミニカニ講座テーマは「月のリズム」だった。

雌のカニは
夏の満月や新月など大潮の日
日が暮れはじめると卵を抱えて浜辺に集まってくる。

そして
満潮を過ぎた頃
その卵が孵化した直後のゾエア幼生を
海に放つのだ。

わたしはてっきり
卵を放つのかと思ったら
孵化直後の赤ちゃんを海に放つと知ってびっくりした。
ちゃんとそのタイミングで孵化するのか!

しかも
満潮すぎた頃という時間もポイントだ

もっとみる
第2回ミニカニ講座のテーマは「カニ這わせの儀式」

第2回ミニカニ講座のテーマは「カニ這わせの儀式」

先週から、
ミニカニ講座というものをはじめてみた。

個人的には非常におもしろかったのだが。
さしてカニ好きでもない参加者の方にも
「最初は何するのかわからんかったけど
終わってみたらなかなかおもしろかった」
とのお言葉をいただき安心した。

カニ好きじゃない方にも門戸を開く
甲羅のやわらかいカニ講座にできたらいいなあ

さて、
第2回目(6月9日)のテーマは「蟹這わせの儀式」。
かつて奄美では、

もっとみる