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”ファンベース”を企業のSNS運用で実践したこと大公開!

おまっとさんでした。ふ菓子とサウナを愛するかねこです。
ファンベースの考え方や銭湯におけるファンベースについて前回書いたところ、沢山の方に読んでいただきました。(本当にありがとうございます!)
前回のnoteは概念寄りの話しが多かったと思うので「今回は解像度を高めて書こう!」と思って日々実践していることを余すことなく書きました。
このnoteが私と同じくファンベースを実践されている方のお役に立てたら嬉しいです。

▼前回書いたnote▼

ファンの支持を強くするために行った3つのアプローチ

共感・愛着・信頼を強くするための3つのアプローチがファンベースに書かれていました。この3つのアプローチをTwitterでどうやってファンの方に伝えようか?と日々考えています。まだまだ試行錯誤中ですが実際に行ったことを公開します!

※ファンベースより引用

共感を強くする

当店のオーナーの口癖は「お客さんに喜んでもらいたい」です。
Twitterだけではなく、サウナイキタイなど他SNSも全てチェックしてお客さんの声に耳を傾けています。耳を傾けるだけではなく、「もしかしたらこう思っているかもしれない」と常に想像力を働かせて、気づいたらすぐに改善するようにしています。先日もオーナーが「露天風呂内に段差があるけどお風呂のお湯が白いから見えなくて怖いと思っているお客さんがいるかもしれない」と気づき、露天風呂の段差のところにライトを設置しました。

当店の露天風呂

するとお客様からこのようなお声をいただきました。

・段差がちょっと怖かったんですよね。ありがとうございます!
・膝を怪我して思ったことはお風呂が怖い。こういう配慮本当に嬉しいし助かります!

このツイートは多くの共感を呼び、多くの方に見られることになりました。

お客様視点に立って椅子も新調

このように「ライトをつけました」・「椅子を新しくしました」という結果だけではなく「なぜ?」をきちんと伝えることで共感が高まると思っています。

愛着を強くする

主に②の商品にストーリーにドラマを纏わせるを意識しています。ストーリーの伝え方が上手な企業はNotionだと思います。今年の3月にNotionから送られてきたメルマガを見てすごく感動したのを憶えています。

こんにちは。
実はNotionは、2015年に開発打ち止めの危機に瀕していました。私たちは、自分たちがカッコいいと思う製品を作っていたのであって、人々が必要としている製品を作っていたわけではありませんでした。私たちの使命は、人々が自身でソフトウェアをカスタマイズするためのツールを提供することでしたが(現在もそうです)、何か物足りなさを感じていたのです。そこで共同創業者と私は、もう一度初心に返ることにしました。
2018年3月、Notionは決定的な変化を迎えました。Notion 2.0のリリースで、データベースのパワーを初めて私たちのコミュニティに紹介したのです。そして今日、Notion 2.15を紹介します。Notionのデータベースは、コミュニティの皆様からのフィードバックをもとに、完全に新しく生まれ変わりました。それでは、新機能をご紹介しましょう。

このメルマガを読んだ時にわたしはNotion(プロダクト)の裏側に居る「人」に共感をして、「Notionって素敵だな」と思いました。
このように人は”製品”ではなく、”ヒト”に共感するんだということを身をもって体験しました。

湯どんぶり栄湯は2020年に新しく超高濃度炭酸泉を新設したのですが、このお風呂を作った想い(ストーリー)をお客様に伝えています。

超高濃度炭酸泉の浴槽の横にあるプレート

こちらのツイートでは「緊急事態宣言でサウナが休止になってまったけど、再開した暁にはお客様に感動と最高の整い体験をしていただきたいと思って銭湯業界では初めての機械を導入した」というストーリーをお伝えしています。

同じ機械はあっても想いは唯一無二です!

信頼を強くする

正直、最初はこの信頼を強くするがよくわからなかったです。「具体的にいうとどういうこと??」と思いましたがこちらの記事を読んでやっと理解しました!(私、頭悪すぎますね笑)

この記事の中にはこのように書かれていました。

努力しているポイントや、商品の工場、営業の現場、メディアの制作現場などです。こういうものを丁寧に紹介することで、この会社はしっかりやっているんだと、信頼を作れるのです。”

努力をしていることがいやらしいアピールになってしまっては意味がないのでさりげなくお伝えするようにしています。

こちらのツイートでは「何か月もかけて複数の業者から話を聞いてやっとの思いで出来た水風呂」という努力をお伝えしています。

いかがだったでしょうか?
わたしが行っている共感・愛着・信頼を強くするために行っているアプローチを書きましたが参考になれば幸いです。

その他5つのTips

3つのアプローチ以外にも日々行っていることがあります。それも公開したいと思います。

お客様との対話

毎回できているわけではないのですが・・・お客様との対話を大事にしています。対話を心掛けている理由なのですが公式アカウントから”いいね”・”リツイート”・”リプ”をもらったらシンプルに嬉しくないですか?
多分、多くの方は公式アカウントからリプやいいねをもらったら嬉しいと思います。

ちなみに先日、映画「二十歳のソウル」を見に行った後に「二十歳のソウル展」に行った時に同映画のファンの方がこのような会話をして「あ、この意見は私だけじゃないんだな」と思いました。

ファンの会話

わたしも時々、お客様のツイートにリプ(返信)をするのですがすごく喜ばれます。企業アカウントとはいえ、「人対人」なのでコミュニケーションも可能な限り行っていきたいと思っています。

▼お客様の感想ツイートに対して行ったリプ▼

お忙しい中のRTとコメント、ありがとうございます!
嬉しかったので、勝手ではありますが、本日2回目の引用RTをさせていただきました!栄湯さんから徒歩圏内に仲良い友達が住んでいるので、また、行きます。感謝の意も込めて、栄湯さんをフォローさせていただきますね😭

こうした対話がキッカケでフォローしていただいたり、口コミ(お知り合いへのご紹介)に繋がることとも多いです。

時にはユーモアを交えてお客様と対話をすることも

あと公式アカウントだからといって自分の個性を隠す必要ないと思います。わたしはゴリゴリに個性を発揮しています。そのほうが親しみを感じませんか??(企業のカラー・ブランディングは気にしたほうがいいとは思うので事前に運用ルールを決めておくといいかもですね!)

本業の会社の社員が来店してくれたときのリプ

とはいえ、わたしは本業が別にあるので毎回リプをするのは難しいです。。
その代わり、朝起きた時・お昼休み中・寝る前の1日3回は必ず「湯どんぶり」でエゴサーチをしてお客様のツイートを愛を込めて全力でリツイートしています。

読まれなければ意味がない①

あなたはフォローしているアカウントの文章をひとつひとつしっかり読んでいますか?多くの方は流し見だと思うんですよね。なのでフォロワーさんの目に留まるためにしていることが2つあります。

  1. 画像を必ずつける

  2. 読ませる文章ではなくぱっと見で分かる文章作りを心掛ける

「元々、こういう文章を書くのが得意だったんでしょ?」と思われるかもしれませんが、わたしはめちゃくちゃ文章を書くのが苦手です。
前職では「文章が読みづらい!読む気にならないので書き直し!」と言われたこともあります。「どうしたら短文で読みやすい文章になるのだろうか?」と思ってたどり着いたのが「超・箇条書き」です。
この本に書いてあるTipsを参考にしてTwitterの文章を考えています。

読まれなければ意味がない②

”いいね数”や”インプレッション”に惑わされないことが大事だと思いました。

例えば普段のいいね数が50だったとします。そこに100いいねがついたら「多くの方が見てくれている!」と思いますよね。でもそうじゃないんです。100いいねがついてもTwitterを見たタイミングによってはファンの方でも見ていない可能性が大いにあります。なのでわたしはセルフリツイートリサイクルを行っています。

  • セルフリツイート:自分のツイートを時間が経ったらリツイートする。Twitterを開いた瞬間にタイムラインの上位にいないと見過ごされてしまうのでセルフリツイートは有効的施策です。

  • リサイクル:同じコンテンツをもう一度ツイートすることです。セルフリツイートをしてもタイミングによってはやはり見られていない場合もあるのでこちらも有効的施策です。

このツイートは5回くらいツイートしています。3回目のツイートをしたときに昔からのフォロワーさんから「初めて知った!」とリプを貰いました。

自分起点で考えることも大事

「お客様はどういうツイートを読みたいかな?」と考えるのはとても難しいです。ですので私は「自分だったらこういうツイートもあったら嬉しいな」という自分起点で考えるようにしています。わたしは他店に入浴に行ったらツイートしているのですがこれは「自分がフォロワーだったら嬉しいな」と思ってツイートしました。すると、こちらのツイートにも多くの反響を貰いました。

推しの銭湯が別の推しの銭湯に行っててこれは熱い・・・!

フォロワーさんからのリプ
松本湯さんに行った時のツイート
喜久の湯さんに行った時のツイート

情緒的価値価値を伝える

前回のnoteにも書きましたが大切なことなのでもう一度書きます。

ファンベースな人たちには「機能的価値+情緒価値」が大事であると書かれています。それはなぜかというと独自の売りは他社に模倣され、コモディティ化しやすいからです。(コモディティ化:どの会社の製品やサービスも似たようなもの」に見えるようになった状況という意味)

この言葉を受けて銭湯にとっての情緒的価値とはなにか?と考えました。

  • お客様はどうして家風呂ではなく銭湯に来るのだろうか?

  • お客様は普段どのような生活をしていてどのような課題を抱えているのだろうか?

  • お客様は銭湯の湯船に浸かったときや帰り道にどのような感情を抱いているのだろうか?

これらの「?」をベースに投稿内容を考えてツイートしたところ「共感」という支持を多くいただくことに成功しました。

・これ私のことだよ!行かなきゃまた。
・響いた
・本当に共感する。

フォロワーさんからの反響

でも、やりすぎ注意です!
調子に乗ったわたしは情緒的価値を考えたツイートばかりしていましたが、徐々に”いいね”・”インプレッション数”が下がっていきました
情緒的価値も大事ですが「銭湯が好き」というお客様からすると「もっとお風呂の情報も発信してよ!」と思いますよね。そのことを反省して湯どんぶりのお風呂のメニューというお風呂情報に特化したツイートも始めました。

数字(インプレッション・いいね数)から仮説を考える

ファン度&熱狂度を調べて分かったこと

先日、湯どんぶり栄湯の公式アカウントでアンケートを実施しました。
NPS・熱狂度・来店回数をアンケートの設問に入れてみたところ、NPSの推奨度と熱狂度が高い方が一番来店回数が多いことが分かりました。

※NPSとは顧客ロイヤルティを測る指標。今まで計測が難しかった「企業やブランドに対してどれくらいの愛着や信頼があるか」を数値化することで、企業の顧客との接点における顧客体験の評価・改善に生かすことができる。

n数:170名

ちなみにこのアンケートは「18年連続増収を導いた ヤッホーとファンたちとの全仕事」を参考にして行いました。

検索をしてみたら下記の記事内でもアンケートについてお話をされていたので「アンケートについてだけ知りたい」という方は下記のリンクから記事をご覧ください。

とっても大切な前提条件!

最後まで読んでいただきありがとうございます!いかがだったでしょうか?
読んでいただいた方が「面白かった」「自社でもやってみよう」と思っていただいたら嬉しいです。でも、ファンベースを行うには前提条件があります。この3つの前提条件が無いとファンベースを行うのは難しいと思っています。

Special Thanks

銭湯で働きたくてわたしは都内の銭湯に履歴書の送付や電話での問い合わせなどをしました。しかし、返ってきた言葉は「間に合っています」というものばかりでした。諦めきれないわたしは湯どんぶり栄湯に飛び込みで「ここで働かせてくれませんか?」と交渉しました
「このお兄さんがうちで働きたいって言っているんだけどどうしようか?」と若旦那が若女将に伝えたところ、「3日後の営業時間前にまた来てほしい」と言われました。「多分無理だろうな・・・」という諦めの気持ちで行ってみたらまさかの採用でした。あの日の喜びは今でも昨日のことのように思い出せます。わたしは湯どんぶり栄湯で働けて本当に楽しいし、すごく幸せです!
これからもよろしくお願いします!!

▼湯どんぶり栄湯のTwitterはこちら▼


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