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偉大な企業になれるかどうかの一番重要な指標は「重要な座席(ポスト)は埋まっているか?」

こんにちは、お金が入るでかねいりです。

今日は、書籍からの気づきについてお伝えできればと思います。
今回、対象とした書籍は『ビジョナリー・カンパニーZERO』 です。
注目したのは、スタートアップや中小企業などの小さな企業にフォーカスを当てていた点でした。

■ビジョナリー・カンパニーZEROについて

この書籍は『ビジョナリー・カンパニー』シリーズが発行される前の1992年にジム・コリンズが記し、日本語訳がされずにいた名著『Beyond Entrepreneurship』の改訂版。ビジョナリー・カンパニーの原点とも言える書籍です。スタートアップや中小企業が偉大な企業になるためには何が必要なのかということがこの1冊に凝縮されています。これまでのシリーズでは、小さな企業にフォーカスしたものはなく、とても興味深い内容となっています。

■ビジョンよりも重要なものがある

『ビジョナリー・カンパニー』シリーズでは、その名の通り、偉大な企業になるために『ビジョン』の重要性・必要性を説いています。「ビジョンがあるかないか?」、「適切なビジョンを設定し、そこに向けて動いているか?」などに多くの分量が割かれています。

しかしながら、ビジョナリー・カンパニーZEROにおいては、その『ビジョン』よりも先に触れられていることがありました。それが、『人材の採用』です。ビジョナリー・カンパニーという書籍であるにもかかわらず、ビジョンの章やリーダーシップの章よりも前の章で「人材採用」が書かれているところに注目しました。

そして、このような言葉を残しています。

「偉大な企業になれるかどうかの一番重要な指標は、バスの重要な座席にふさわしい人材が埋まっている割合なのだ。」

ビジョナリー・カンパニーZEROより

■まず人を選ぶ

私は、良い会社・偉大な会社をつくるためには、『まずは目的(ビジョン)から』と考えていたのですが、著者のジム・コリンズは「『まず目的を選ぶ』から『まず人を選ぶ』への発想の転換が必要だ」と言っています(ここからジム・コリンズ自身も、当初は目的(ビジョン)が先に来ると考えていたことが伺えます)。

また「最高の人材が揃っていなければ、最高のビジョンがあっても意味は無い」とも言っており、それだけにとても目を引くポイントで、小さな企業が偉大な企業になるために、この言葉がどれだけ重要なポイントであるかが想像できます。

「誰をバスに乗せるか?」これは『ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則』に登場するとても有名な言葉ですが、「一番重要な指標の言葉」はそれをさらに踏み込んでいます。

『ビジョナリー・カンパニーZERO』では「重要な座席の90%以上が埋まっているか」が基準であると言っており、重要な座席(ポスト)の定義として以下の3つを挙げています。

①人財に関わる重要な意思決定をする権限がある。
②この職務での失敗は、会社全体に重大なリスクあるいは大惨事を引き起こす可能性がある。
③この職務での成功は、会社の成功に極めて大きな影響を与える可能性がある。

ビジョナリー・カンパニーZEROより

■幸運な出会いを活かす

一方で皆さんが一番気になることは、こういった人材とどう出会い、どうやって採用をするのかということではないでしょうか?

もちろん、この点についても言及されており、ジム・コリンズはそれを「幸運な出会いを活かす」と表現しています。

わかりやすく言いますと、常に採用の門戸を開けて、そういった人材がいるのではないかとアンテナを立て続け、探し続けるということです。

よくあるケースは、ポストに空き出たので採用をするというケースではないでしょうか。一方で、人が足りない時にタイミング良く良い人材が見つかるケースは今後の採用市場を考えると難しくなると考えます。

もうひとつ考えてみて頂きたいことがあります。
「優秀な人材の割合は、転職市場にいる(転職を考えている)層と、転職市場にいない(転職を考えていない)層のどちらに多いのでしょうか?」

それは、後者になると考えます。そもそも優秀な人材は、よほどの事がない限り辞めません。辞める理由も少ない。そう考えると積極的に転職を考えていない層のほうが、優秀な人材を発掘できる可能性が高いと言えます。だからこそ、今後はそういった層に対してもアプローチする事を考え、実行していく必要があります。

ですので、『ポストに空き出たので採用をする』ということをしていたのでは、幸運な出会いを逃してしまうということなのです。

では、具体的にどうすれば良いのか?
例えば、自社に営業に来る人材の中には、優秀な方はいませんか?また、異業種セミナーや懇談会などの集まりの中には、優秀な方はいないでしょうか?

「人が足りないからスポット的に動いて採用する」という事ではなく、採用に対して常にアンテナを広げて動き続ける必要があるということなのです。

ぜひ一度、この指標について検討してみてはいかがでしょうか?

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