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世界写真紀行 vol.3(インド/ デリー)

インド北部に位置し巨大な都市圏を形成しながら、経済・政治・工業の中心地で有名なデリー。(正式名称はデリー連邦直轄地)
所謂、ヒト・モノ・カネが集中するアジアでもきっての大都市。近い将来、人口で中国を抜き世界第一位になると予想されている国の首都とあって、その活気は想像を絶する程。

デリー駅に明朝到着すると、薄暗いにもかかわらず人の熱気が肌で感じられるほど人々が密集していた。そこから、安宿街のメインバザールに移動するには駅構内を通り反対側に渡る事が1番の近道。しかし、ここで問題が発生。

"最近、近くでテロがあったから日本人はこの先通れない。通るには政府の許可が必要だ。"

警察か駅員かもよくわからない人にそう言われた。

長時間の移動と睡眠不足による思考力・判断力の低下、さらに近くでテロが発生していた事実を知っていたせいで、強行突破できずにいた。

駅を背にすると、人の密集地帯。暗闇でも違う人種を嗅ぎ分ける彼らを掻き分けて迂回しないといけない。どうするか。そんな時、一台のオートリキシャーが。

"これに乗って政府の許可を取りに行かないか?"

今思うと誰でもわかる、馬鹿げた誘い文句だがなぜか信じてしまった。

リキシャーに乗って数分ほどで目的地に到着。

そこはただの旅行代理店だった。

店に入ると奥から寝起きのおじさんが。

おかしいと思い、おじさんと挨拶も交わすことなく、店を後にすると先ほど乗ってたリキシャーが店の前に止まっている。

この瞬間全てが繋がった。

リキシャーを振り切って行こうとするとなぜかかなり怒っている。
お前らをタダでここまで乗せてきたのは、ツアーを契約して店からキックバックを貰うためだと言わんばかりに詰め寄ってきた。

一進一退の攻防を繰り広げたが、早く宿を見つけて休みたかったので数十円程渡して和解。

そこから歩いて本来の目的地まで。安宿を見つけ仮眠をとった後、歩きながら撮った一枚。

人混みに疲労感と恐怖心を抱き、どこか路地裏に心地良さを感じていたのかもしれない。


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