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言葉の蛇口〜心に余裕なんてなくても。〜余裕は後から生まれるもの。
「もう少し心に余裕があれば」ってよく聞くじゃない。
「もう少し心に余裕があれば、優しくできるのに」とか、
「ゆっくり話を聞いてあげられるのに」とか、「もっと本を読めるのに」とかね。
私が、色んな人を家に招いていることも心に余裕があるからって言われるの。
「私もあなたのように心に余裕があったらいいんだけど、今はそういう訳にはいかないの」って。
私も若い頃にはそう思っていたわ。
「私には心に余裕がないから、あんな風にできないんだ」って思っていた。
ある時、おばあさんに言われたの。
「心に余裕があれば・・・なんて言ってたらいつまで経ってもそんな時はこないよ。
心に余裕があるから優しくなれんじゃないの。
優しくするから余裕が生まれるの。
人を招いて、食事の用意をして、話をきいて・・・って、大変そうに思うけど、
そうしてみるから、余裕が生まれるのよ。順番が逆なの。
忙しいからって、『優しくしない』『話を聞かない』っていうんじゃ、余計に心が窮屈になるでしょう。
心に余裕があれば・・・っていうのは、『私は引き受けない』って言っているのと同じこと。
忙しいからこそ、優しくするの。
疲れているから、相手をねぎらうの。
余裕がないから、微笑んでみるの。
そうしてみるから、余裕が生まれるのよ。
試しにやってみなさい。
与えるから満たされるっていうのは本当のことよ」って。
私、この言葉にすごく納得したの。
確かにそうかもしれないって思って、その日から、「忙しい」とか「余裕がない」って言うことをやめたの。その代わりに、優しくしてみること、人に喜ばれることを心がけてきたの。
疲れちゃうこともあるし、空っぽになったような気になることもあるわ。
でも、その後、必ず満たされるの。
その充足感を知っているから、続けられるのかもしれないわ。
心に余裕なんていらないの。それは後から生まれるものなのだから。
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