湯川カナ(リベルタ学舎・なりわいカンパニー)

早稲田大学在学中に学生起業参加後、Yahoo! JAPAN創設メンバーに。ストックオプ…

湯川カナ(リベルタ学舎・なりわいカンパニー)

早稲田大学在学中に学生起業参加後、Yahoo! JAPAN創設メンバーに。ストックオプション権数億円分を返上しスペインへ移住、フリーライターになる。10年後に帰国、神戸で社会教育の「リベルタ学舎」と複業実践の「なりわいカンパニー」運営。兵庫県広報官。シングルマザー。著書4冊。

マガジン

最近の記事

むやみに組織エンゲージメントを高めない。

最近、「エンゲージメント」(愛着度)という言葉をよく使う。めっちゃ大事、だけど使い方を間違うと、うっかり搾取の片棒を担ぐことになりかねない。 とくに、「自己肯定感」や「いきがい」が世界最低レベルの日本では・・・という話。 ■ ”karoshi”が生まれた国ニッポン。日本でよく聞く「過労死」は、そのまま”karoshi”で、英語でもフランス語でも通じる。なぜか。"sushi"とか"samurai"みたいに、他の国には、んなもん、ないからだ。 私がスペインに住んでいた2000

    • 「地域課題解決」が、中高生バーテンダーの「未成年 ホンネのBAR」になるまでの経緯

      「大人はバーとかで本音とか話せてそうじゃないっすか。中高生にもそういう場があったらいいな、って」 そう聞いたときには正直あまりピンと来なかったのだけど、当日の光景を見たら、いろいろすごく納得。 おばちゃんの「常識」や「企画のテッパン成功メソッド」とか押しつけなくて、ほんとよかった。 ■ 次世代に「借金の肩代わり」させたらアカン中高生が地域の課題を発見し、解決策を考えるプログラム。はい、例のアレね。スーパーグローバルハイスクール(SGH)とかだと年に何回もいろんな授業でやら

      • (いまさら)NPO法人リベルタ学舎です。

        もっとたくさんのひとと、もっとたくさん愉快なことを実現していきたいよね! そうメンバーで話し合い、2024年6月21日、夏至の日に、NPO法人を立ち上げました。 ちなみにこの日は、応仁の乱や、本能寺の変や、シャクシャインの戦いや、ビトリアの戦いが起こった日だそうです) 私たちが生きたいのは、「誰もが、やりたいことを実現できる世界」です。 そのために「すべてのひとが、やりたいことを、協働によって実現できる環境」を、つくり続けます。 ✔ 自分がやりたいことを、みんながよって

        • 「だからこの人が好きなんだ」④前田敏康さん(株式会社前田畳製作所代表)

          前田さんはいつも汗をかいている。単に汗かきなのかなと思っていたけど、そうじゃないと、ついこのあいだ知った。 11年前の私が、人生賭けてやりたいことが見つかった! と、鼻息荒く始めた親子向け自由教育の教室・リベルタ学舎。もともと合気道の師・内田樹さんの道場に通って「こういう場所をつくりたい」と思ったから、畳は必須。ふんぱつして、素敵な畳を敷き詰めた。 1年後に夢破れて撤去するとき、でも、畳だけはどうしても処分できなかった。この畳さえあれば、いつかきっとリベルタ学舎を再開でき

        むやみに組織エンゲージメントを高めない。

        マガジン

        • だからこの人が好きなんだ。
          4本
        • これからの「働く」を考える
          5本
        • 大学院だよアッチョンプリケ
          1本

        記事

          「だからこの人が好きなんだ。」③尹雄大さん(もの書き&インタビュアー)

          えっと。この人の前で何かを話し出そうとすると、急に恥ずかしくなる。なのでいま、書き進められなくてすごく困っている。尹(ゆん)さんの前で言葉を出そうとした瞬間、こう囁く声がするのだ。「いま私が話すことばは100%、ちゃんと私の言葉になってるか?」 大好きだったウェブ「考える高校生のためのサイト Mammo tv」で連載をしていた尹(ゆん)さんから、まさかインタビューのオファーが届いたのは2015年。ちょうど私がリベルタ学舎を1年で経営破綻させ、拠点を失ってゲリラ事業活動に入っ

          「だからこの人が好きなんだ。」③尹雄大さん(もの書き&インタビュアー)

          「どうしたら、こどもの就職に口を出す親を納得させられますか?」と聞いたら、出口治明さんは。

          私は10代の社会参加とか社会変革支援をするのが趣味で、仕事だ。小学生から大学生まで、毎年なんやかや、いろんなプロジェクトを仕掛けては、一緒にわちゃわちゃやっている。武庫川女子大学というところでも2コマ担当させてもらっているし、神戸市の大学生交流拠点も運営していた。 そんなことをしていると、毎年のように、就活中の大学生から、「自分はこういうところに行きたいのだけど、親がこっちに行けというんです」という相談を受ける。 私はごく単純に「そんなん、こどもの人権侵害やろ!」と思うのだ

          「どうしたら、こどもの就職に口を出す親を納得させられますか?」と聞いたら、出口治明さんは。

          「諸悪の根源」が19歳、雀荘に通いながら知った憲法を知った、だけの話。

          今月始まった朝ドラ『虎に翼』を見て、毎朝、10代の頃のきもちを思い出し続けている。 私は小さな頃から、わけがわからない規則に従うのが本当に苦手で、かつ、思い立ったらすぐ行動してしまう癖があった。ルールなんてみんなで変えていけばよかったい! と思っていた。 だから小学校で「チェッカーズカット禁止」のお触れが出た時には、「髪型の自由」を掲げて児童会長選挙に立候補し、演説をし、結果的に学校史上初の女子児童会長になって、校則を変えた。 ただし昭和の男尊女卑アイランド・九州だった

          「諸悪の根源」が19歳、雀荘に通いながら知った憲法を知った、だけの話。

          「だからこの人が好きなんだ。」②慈憲一さん(naddist/”灘区民”)

          慈(うつみ)さんのことを書こうと思うと、いつも、ちょっとわらける。ひとつも的を得ない肩書き。モジャモジャの天パ。だいたい名字が「慈(うつみ)」ってキラキラネームだし。 山なんてまったく興味がなかった麻雀打ちでバンドマンの私が、登山部や下山部をつくり、薪ストー部で薪を割りはじめたりしたのは、ただ、この慈さんといっぱい喋りたかっただけでした。 神戸のまちづくり系会議にいた、見た目パンチあるのに伏し目がちの男性が、遠慮がちに「あの、”まちづくり”って言うの、やめません? ……な

          「だからこの人が好きなんだ。」②慈憲一さん(naddist/”灘区民”)

          「だからこの人が好きなんだ。」①佐伯夕利子さん(サッカー指導者/スペイン1部リーグ”ビジャレアルC.F.”)

          「あなたの本を書かせてほしい」と頼んだのは、後にも先にも一人だけ。 スペイン移住5年目、JALカード会員誌の取材で訪れた。2時間ほど話を聞くうち、こりゃ1回の記事じゃ書ききれんと思い、「いつか本を書かせてください」と手を握って帰ってきた。 その翌週、まだインタビュー原稿をまとめているとき、初めて聞く日本の出版社から「佐伯さんの本を書いていただけないか」とオファーが来るんだから、人生ってほんと不思議だ。 私は「もし自分だったら」と考えるクセがある。佐伯夕利子、Jリーグもな

          「だからこの人が好きなんだ。」①佐伯夕利子さん(サッカー指導者/スペイン1部リーグ”ビジャレアルC.F.”)

          「イキらず・ハリボたず」。震災・持ち逃げ・コロナ…自分は猪木じゃないと自覚した起業家がたどり着いた経営の話

          私は起業1年で経営に失敗して、その時いちど居場所も従業員も顧客も失って、「私なんて経営しない方がいいんじゃないか、私が事業をすることで誰か幸せになるんだろうか」と落ち込み、しばらく六甲山中をさまよったことがある。 恥ずかしいことに、創業10年となる今年の3月も資金繰りでいったん窮地というかほぼ死地に陥って、「私なんて経営しない方が」としばらく顔を上げられなかった時期があった。ほんま、経営にまったく自信がない。 だからね! 今回のトークイベント「経営って、これでいいのだ」は

          「イキらず・ハリボたず」。震災・持ち逃げ・コロナ…自分は猪木じゃないと自覚した起業家がたどり着いた経営の話

          「自分が事業をすることで、誰かが幸せになるのでしょうか?」 重なる逆境を乗り越え続ける経営者&名物銀行マンに聞いてみたい。

          私の場合、まずは片思いから始まります。「この人の話を、もっと聞きたい!」と、うずうずしてしまう。そして、自分だけで聞くのはもったいないから、対談イベントか取材記事にしてしまう。 もちろん、今回の自由人大宴会のゲストのおふたりも、そう。私の「うずうずポイント」、お伝えします。 ■ 「元プロレスラー」って。神戸に「金八」という魚が美味しくてお安い居酒屋があった。お金がなくて魚好きの私は子連れで何年も通っていた。ある日ふと社長の経歴を調べてみたら、「元プロレスラー」って書いてあ

          「自分が事業をすることで、誰かが幸せになるのでしょうか?」 重なる逆境を乗り越え続ける経営者&名物銀行マンに聞いてみたい。

          「学びと実践」を、自力でつくってみたい中高生、いる?  企画&農業&再エネ、神戸で一緒に挑戦しよう!

          ”やらされる、他人事の社会課題”とかって、もう、よくない? 自分がもっと楽しく幸せに生きていける場所を、自分たちでつくる。そこから始めよう! …というわけで、2021年からぼちぼちやってきた、中高生が自己課題からオリジナルの企画を立て、様々な社会人(地域のコーディネーターやNPOや市役所や企業の人とか)とチームになって実際に本当にやってみる「ワガママSDGs」。 今年はもう一歩進んで、「活動資金作り」や「活動場作り」から、自分たちでつくってみるプロジェクトを開始します。そ

          「学びと実践」を、自力でつくってみたい中高生、いる?  企画&農業&再エネ、神戸で一緒に挑戦しよう!

          「地方創生の前に、まずは自分創生」/地方創生のカリスマ&ロールモデルが口を揃える「自分のため」、そして震災の話

          「自由人大宴会」とは言うけどさ、今回のゲストは総務省地域力創造アドバイザーもつとめる地方移住総合雑誌TURNSプロデューサーの堀口正裕さんと、2025年大阪・関西万博で兵庫県が総力を挙げて展開する「ひょうごフィールドパビリオン」アンバサダーとして知事と肩を並べてパレードする播州織ブランドtamakiniime代表の玉木新雌さんだ。しかも初対面。 さすがに、場が温まって過激な発言が飛び出すには、ちょっと時間がかかるだろう。 ■ 「実は、地方創生という言葉は嫌いです」……って

          「地方創生の前に、まずは自分創生」/地方創生のカリスマ&ロールモデルが口を揃える「自分のため」、そして震災の話

          課題解決ブームの落とし穴②地域課題解決「あるある」ーなぜ「アジアの富裕層向けインバウンドで解決」になるのか。

          この数年、「課題解決ブーム」だ。私はいろんなアントレプレナー系のプログラムで審査員をさせていただいているのだけど、「安易に”課題解決”と言ってしまうことで、むしろ解決から遠ざかるんちゃうか…?」と思うことがいくつかあったので、共有させていただきます。 …というシリーズ。 第2回は、地域課題解決「あるある」。 (※第1回:PBL(課題解決型学習)/探求学習「あるある」ーなぜ「アフリカの貧困とフードロスをAIマッチングアプリで解決」になるのか) ■ 大切なのは「共創」地域課題

          課題解決ブームの落とし穴②地域課題解決「あるある」ーなぜ「アジアの富裕層向けインバウンドで解決」になるのか。

          課題解決ブームの落とし穴①PBL(課題解決型学習)/探求学習「あるある」ーなぜ「アフリカの貧困とフードロスをAIマッチングアプリで解決」になるのか。

          近年、「課題解決ブーム」だ。 私はいろんなアントレプレナー系のプログラムで審査員をさせていただいているのだけど、テーマが地域課題/社会課題解決のことが非常に増えてきた。私のFacebookにも「あの大手企業と、課題解決チャレンジ! 全17ジャンルの社会課題から選択。最優秀賞100万円」とかの広告が、そうめん流しのように次々と流れてくる。 あるいは中高生教育でも、探求の時間に「課題解決型学習」に取り組むところがどんどん増えている。SDGsを学んだら次はPBL(※)だ! さあマ

          課題解決ブームの落とし穴①PBL(課題解決型学習)/探求学習「あるある」ーなぜ「アフリカの貧困とフードロスをAIマッチングアプリで解決」になるのか。

          「地方に答えなんてない」TURNS編集長 堀口正裕さんと、伝統産業復興のロールモデル的tamakiniime玉木新雌さんと、地方創生の本質と現実を考えたい。

          シナジーというかフュージョンというのか。ともかく「かけあわせて、現場でライブで生まれるもの」が大好きなので、トークイベントの際、ゲストで事前打ち合わせしたりしません。 というわけで、今回も、お互いに「お名前は聞いたことあります」の堀口さんと玉木さんに、当日いきなり「はじめまして」からトーク始めていただきまっす。 ただ、なぜ今回はこのおふたりなのか。ここでだけお話しします(つか、この文章をゲストに読んでいただくのが、ゲストにとっても唯一の「事前情報」です)。ひどいな私(←う

          「地方に答えなんてない」TURNS編集長 堀口正裕さんと、伝統産業復興のロールモデル的tamakiniime玉木新雌さんと、地方創生の本質と現実を考えたい。