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「地方に答えなんてない」TURNS編集長 堀口正裕さんと、伝統産業復興のロールモデル的tamakiniime玉木新雌さんと、地方創生の本質と現実を考えたい。

シナジーというかフュージョンというのか。ともかく「かけあわせて、現場でライブで生まれるもの」が大好きなので、トークイベントの際、ゲストで事前打ち合わせしたりしません。

というわけで、今回も、お互いに「お名前は聞いたことあります」の堀口さんと玉木さんに、当日いきなり「はじめまして」からトーク始めていただきまっす。

ただ、なぜ今回はこのおふたりなのか。ここでだけお話しします(つか、この文章をゲストに読んでいただくのが、ゲストにとっても唯一の「事前情報」です)。ひどいな私(←うれしい)


■ あらしのよる、一緒に喧嘩を。

堀口さんとの出会いは、嵐の夜。当時の私は、身の丈を越えた経済産業省のコンペに応募しようとしていた。だってね、地方創生関連事業の募集要項を見たら、ざっくり「頭良い人が考えたグランドビジョンに沿って、実行していく人材育成」みたいな構造になっていたから、それ、ちゃうやん! その構造が地方のやる気と能力をなくしてしまってるんやん!と沸騰してしまって。

で、「地域の主役は、地域のすべてのプレイヤーである」って経産省に喧嘩売るような企画提案書をつくる時に、共通の友人が「このコンセプトに共感してくれるかも」と紹介してくれたのが、堀口さん。嵐の夜の新宿のレストランで内容を聞くと、共感どころか「ぜひやりましょう!」と固い握手と共に全力で応援をしてくれた……というのが出会い。

<合気道道場主の堀口さんに、合気道二級の私、正面打ちさせてもらう>

私の力及ばずコンペには負けたのだけど、あのとき、「地方のリアル」を届けたいと一緒に動いてくださったみなさまは、いまでもいちばんの同志。うん、喧嘩じゃなくて合気したかったんだよ、施策を考えるひとたちともね。

 

● 地方に自分探しに行くのは、迷惑だからやめてください。

堀口さんは、移住に関心ある人に絶大な人気を誇るローカルライフ雑誌「TURNS」編集長。総務省の地域力創造アドバイザーなども。

<隔月発行。ここにはウソがないと感じてます>


その後、堀口さんには、自由人博覧会のゲストにも来ていただいたのだけど、やっぱり「地域&移住のリアル」を見てきた道場主の言葉のキレが、すごかった。一部だけど↓

●「地方に自分の答えがある」と言う人もいますが、ないですそんなものは。
●「さらっとマニュアル通りに喋っている人」っていうのは、一切信用できない。
●「好きになってみる努力をする」
●「自分のしたいことが、独り善がりではないことが大事」
●「生きるって結構、地味なことだと思う」

「地方に自分探しに行くのは、迷惑だからやめてください」の重み。


今回、そんな、大好きな堀口さんが、神戸に緊急参加。当初オンラインの予定だったのだけど、これはやっぱり現場に行かないと、と、東京から駆けつけてくることに。さすが、日本三大誠実な方!
みなさま、生の堀口さん、堪能してください~


■ 黒枝豆を刈って背負い、薪を背負って、仲間と20km走ったあの日。

もうひとりのゲストは、アパレルブランドtamakiniime(タマキニイメ)を率いる玉木新雌さん。「すげークレイジーなデザイナーが、西脇にいる」という噂は、ちらほら耳にしていた。

大阪でデザイナーをしていて西脇の伝統産業「播州織」に出会い、可能性を感じて、試作を始めるけどやりとりに時間がかかる。それなら現地に住んでまえ! ……と、「日本のへそ」と呼ばれ、アーティスト・横尾忠則さんとミュージシャン・トータス松本さんの出身地であること以外あまり何もなさそうな西脇に移住。

<神戸から電車で1時間半。人口4万人弱>

そこで玉木さんは夢のような巻き心地のふんわりショールをはじめ、すべて1点ものの作品の播州織ブランドtamakiniimeを立ち上げて成功させた、いわば兵庫県の地域活性のスター的存在。

<ねつれつなファンが多い。私もだけどね!>


そんなtamakiniimeチームが、昨年私たちがひっそり開催した、”丹波篠山を走りながら間伐して黒豆収穫してぜんぶ背負ってゴールしたら鹿一頭丸焼きで地酒を飲む”という要素多すぎFUNランイベント「山賊ワイルドラン in 丹波篠山」に、まさかの参加。名簿見たとき、何かのいたずらかと思ったもん。きくと、社内で「おもしろそう!」「みんなで参加しておいで!」という話になったそう。それがきっかけで、あれよあれよと仲良くなった。


● 村、つくってるし。

その後、私も西脇に行った。やばいことばっかだった。そもそも工房の入口に「あたりまえを疑え」って書いてあるんだけど。

<詳細が気になったら記事をどうぞ>

でもだからといって、

●最高の肌触りを出すため、わざわざ古い機械を買い、さらに限界まで遅く動かして、布を織る
●「一点もの」を生み出すため、あらゆる効率悪いことをする
●ひとりひとりの「好き」を生み出す社員からそうあってほしいと、食堂の食器も箸もすべて「一点もの」

いやいやクレイジーがすぎるやろ。
さらに裏手に回るとコットンが植わっていてアルパカがいて馬がいた。コンクリート引っぺがして土を出して、「niime村」をつくっているという。

<なんだこれ。…めっちゃ楽しいやん!>

なんかね、スーツ姿で他人事の地方創生やってるひとたちが「ぜひ伝統産業に新しい息吹を吹き込んでいただいてですね」とか考えている枠をはるかに超えちゃって、もはやカルチャーを書き換える「新しい地方」をつくろうとしている(実際に村なわけだし)。

クレイジー極まりない。でも、誰よりまっとうなんだよね、玉木新雌さん。私がこれまで会った誰よりピュアで、誰より真剣に、「素敵に生きること」を考えて形にしつづけている。

<いつでも自然体のニイメさん。誰より強いと思う>



▶ 8月19日(土)、神戸の居酒屋に集合。

というわけで、そんなおふたりを引き合わせて、ますますバブル化しつつある「地方創生」や「地域活性化」の本質について話を聞きたいと思ったのだよ!

さらに、堀口さんまさかの緊急参戦で(ほんとうに誠実な方なんです)、念願以上のリアル開催決定~。ぜひ、見に来てね。

【詳細・お申込】 https://lgaku.com/2023/05/27/2023jiyuujindaienkai/

いま私がここに住んでいることの意味って? 故郷を離れ、縁もゆかりもなかったところに住む。あるいは、いろんなものを受け継いで生まれ故郷に住み続ける。そこには、どんな自由があるのだろう? 移住のカリスマながら「地方に自分探しに行くな」と厳しく説く雑誌編集長の「住む」とは? 伝統産業復興&地域おこしのロールモデル…だけどよく見たらクレイジーな村づくりをしているtamaki niimeさんの「住む」は?
長崎から船に乗って(ないけど)東京・スペインを経て神戸に住むホスト・湯川と、昼から飲みながら語りましょー。

● 堀口正裕さん(TURNSプロデューサー/㈱第一プログレス代表/総務省地域力創造アドバイザー)<※オンライン登壇です>→リアル参加決定!
東京生まれ。早稲田大学卒業後はメーカーに勤務するも、父の死を機に雑誌づくりに関わり始める。東日本大震災をきっかけに、暮らしや社会を見つめ直す地方移住総合情報誌「TURNS」を創刊。日本における「移住のカリスマ」的存在となるが、「地域づくりの前に自分づくり」と言い切る。現在は埼玉県狭山市で、父から受け継いだ同上で合気道を教えながら、週末は家族で農作業を楽しむ。

● 玉木新雌さん(有限会社玉木新雌代表)<※生です>
福井県の洋装店に生まれる。武庫川女子大学で生活環境学を学び、さらにファッションを学ぶためエスモード大阪校へ。繊維専門商社・瀧定大阪でパタンナーとして勤務した後、同社を退職して「tamaki niime」を設立。播州織との出会いをきっかけに、産地の西脇に移住。独創的なショールを中心とするものづくりで兵庫県を代表するブランドとなる。自給自足的・循環型の経営を目指す拠点は、”tamaki niime村”として発展中。

▶【詳細・お申込】 https://lgaku.com/2023/05/27/2023jiyuujindaienkai/



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