かなめ

感想を書く一般人。労働組合員。

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マガジン

  • 変な 映画を 観ました

    Watched A Strange Movie

  • Tough

    • 34本

    粘り強く言葉に取り組み続ける。

最近の記事

『ファースト・カウ』

今回も変な映画観ました。 貧しくて、森がうっそうと茂っていて、雄大な河が流れている。 全然まだまだ工業化していなくて、先住民がいて、ヨーロッパから来た偉そうな仲買人が別荘を建てて農場経営者を招待している。経営者は奴隷をいかにこき使っているか苦労(という名の自慢)話をしている。気が抜けていて、ふんぞり返っているだけの経営者たち。 そんなオレゴンで、さえない料理人(クッキー)と、どこからともなくやってきた中国人(キング・ルー)の二人の男達が何かとちょろまかしながら商売で一発当て

    • 『戦雲 -いくさふむ-』

      映画を観ました。 沖縄本島と南琉球の島々の自衛隊軍事基地化が描かれるドキュメンタリー。 基地の現状がよくわかる映画だった。むず痒い思いがする。 基地が作られ、ミサイルやその火薬が配備されてゆく。反対運動を行う人々はそれを反対する。 映画では南琉球にて行われる畜産、ないし牧畜の様子が描かれる。牛、馬、山羊。 また漁業。メカジキの老漁師。自動運転で船を動かし、一人で漁に出る。メカジキの角にやられて足を負傷したこともあった。九死に一生の状況で漁を続けているらしい。 政治的な話題

      • 『ロリータ』

        僕たちはナボコフの『ロリータ』を次に読む本として選んだ。 ナボコフは1899年生まれ、1977年に亡くなった。 帝政ロシアで生まれて、ヨーロッパ、アメリカと亡命した作家。昆虫に詳しい。チェス・プロブレム作家。 貴族の家に生まれたナボコフは、20歳ごろロシア革命で西欧へ亡命。イギリスやドイツのベルリンで過ごしていた。 父親の暗殺からフランスのパリへ。このころから詩や小説を書いていた。その後最終的に行き着いたアメリカで1945年帰化。1955年『ロリータ』を書いた。 (以上評伝

        • 『アメリカン・ユートピア』

          今日もストレンジな映画を観た。 この映画はアメリカの政治音楽ライブを映している。 正直今回は感想があんまりない。物語ではないからだ。 英語が苦手だからか、日本語訳が難しかったからか、日頃の疲れからか、映画が頭に入ってこなかった。 そう。脳に情報が入ってこないのだ。この映画も脳のことから始まる。生まれてから大人になるほどシナプスのつながりがどんどん少なくなっていくのだそうだ。 なんで脳の話から始まるのか?多分人と人のつながりを強調したいんだと思う。誰だっておおよそ脳を持って

        『ファースト・カウ』

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        • 変な 映画を 観ました
          6本
        • Tough
          34本

        記事

          『枯れ葉』

          今日もストレンジャーな映画を観た。 カウリスマキ監督の映画はなんとなく観たことがあった。といっても1作品だけだったと思う。『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』だ。 正直よくわからないなと感じていた。『レニングラード~』の方は、音楽バンドが出てくる物語で、アメリカをツアーで回っていて、バンドの中で人が死んだので、乗っている車の上に棺を載せて埋める場所を探す、とかそういう話が一場面としてあったかと思う。 なんだか奇妙だったので今回はどうなのだろうかと首をかしげていた

          『枯れ葉』

          『梟ーフクロウー』

          今日も映画を見ました。 友人に紹介されて見た。フクロウは出てこないとその人は言っていたけれど、きちんと出てきた。 この映画は朝鮮(つまりは韓国、といってもおよそ差し支えない)の歴史物なのだが、いきなり話を少し飛ばしてみたい。 現代日本においては境界知能が昨今頻繁に取り上げられている。 また、発達障害やグレーゾーン、ボーダーという言葉を使って知的なレベルを場合分け、それぞれに該当する人々にどのようなケアが必要なのかが議論されているようだ。(※) これらの人々の問題とは何か

          『梟ーフクロウー』

          ユートピア映画について

          この文章では三つの最近の映画を取り上げて、その映画にユートピア的な世界が描かれていることを示す。最後に、なぜユートピア的な表現が出てきたのかを雑感として示す。 取り上げる映画は『瞳をとじて』『哀れなるものたち』『ボーはおそれている』の三つである。 『瞳をとじて』 『瞳をとじて』はスペインの映画監督ビクトル・エリセが31年ぶりに取った映画とのことだ。感想を以前書いた。 映画内映画の映画監督が自分の映画にまつわる失踪事件を、未解決事件として別のテレビ番組に売りに出す。映画

          ユートピア映画について

          『ボーはおそれている』

          『ボーはおそれている』を観ました。 監督:アリ・アスター 俳優:ホアキン・フェニックス、パティ・ルポーン他 多くの人がこの映画について感想を述べている。僕もそれに混じって書いてみたい。 この映画は全部主人公ボーの妄想なので、解釈は様々にできるのだと書く人が多い。わけがわからないとか、戸惑っている人もいることと思う。 それも仕方のないことで、男性器の怪物が出てきたり、実際この映画はわけがわからなく作っている。観客を混乱させようとして作られている。 監督がインタビューでも言って

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          『ボーはおそれている』

          廣松渉の存在について

          我々は廣松渉「新哲学入門」を読んだ。 新書。読みやすいかと思って手に取ってみたが、完全に廣松の文章だった。現代語とは言いづらいと個人的には思う。漢文や欧州語を扱ったであろう知識人の独特の言語に圧倒させられる。 緒論、つまりはじめの章を読んで、まずヒュポダイムという用語についてが気になった。廣松においてヒュポダイムとは「不協和を明識しない信念や知識の秩序態、そこでの基幹的発想の枠組み」(p.5)を指す。私なりに解釈すれば、当たり前の物事、自明の論理といったところか。 哲学と

          廣松渉の存在について

          『瞳をとじて』

          今回も映画を見た。 映画内映画、出ている俳優が行方不明だということから話が始まる。 その俳優の失踪について、未解決事件を扱うテレビ番組に監督(もちろん映画内映画の監督だ。つまり主人公。以下も同じ。)が出演することになる。 はっきり言って監督自身はそんなに乗り気じゃない。一俳優が失踪してしまうなど、もちろんよくある話ではないが、とはいえ失踪した以外のはっきりした情報がほぼない。「ただただいなくなりましたとさ」ではあまりにもつまらない。 過去作った映画に対して深い思いはある。

          『瞳をとじて』

          『アアルト』

          監督、脚本:ビルピ・スータリ 公式サイト https://aaltofilm.com/ フィンランド生まれの建築家、アルヴァ・アールトのドキュメンタリー。 主にヨーロッパからアメリカを舞台に建築プロジェクトをいくつも手がけた。プロジェクトは奥さんと共同で行うことが多かったようだ。 奥さんに恵まれた。建築業界の男性優位な社会において、女性との共作に成功した。 実は生涯で二人の女性と結婚している。一人目の奥さんアイノは家具を扱い、二人目エリッサは美術を担当するなど、うまく棲み分

          『アアルト』

          『私がやりました』

          またストレンジャーな映画を観てしまいました。 監督:フランソワ・オゾン 主演: ナディア・テレスキウィッツ、レベッカ・マルデール 公式サイト:https://gaga.ne.jp/my-crime/ 以下はこの映画の感想です。 1930年代のフランス。売れない女優と案件の無い女性弁護士が貧乏生活をともにしていた。女優のほうは必死で役を得ようとプロデューサーに交渉するも、愛人契約を迫られる始末。嫌になってプロデューサー宅を飛び出して帰ってきてしまう。 そんななか、プロデュー

          『私がやりました』

          『VORTEX』

          映画『VORTEX』を観ました。 監督:ギャスパー・ノエ 主演:ダリオ・アルジェント、フランソワーズ・ルブラン 公式サイト:https://synca.jp/vortex-movie/ 以下はその感想です。 生きていくのは無意味だ。なんの価値もない。 楽しかった日々は過ぎ去っていき、人は老いていく。 顔はしわくちゃになって、記憶は薄れる。 老いてゆくと、今までしてきたことを清算しなければならなくなる。 嘘、ごまかし。愛しているなどと言いながら、いいとこ取りをしているだけ

          『VORTEX』

          倒錯的な現代社会

          はじめに信濃さん、あけましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いいたします。 この「はじめに」を書いているのが、2024年1月2日、20時ちょうどです。 この前から僕はこの文章を準備していて、もう少し直そうかなとぼんやり考えていたのですが、どうしても年明けから不幸が続いている気がして、信濃さんには本当に悪いのですが、どうにも文章を大きく編集したり、新たな部分を加えたりするやる気が起きませんでした。 自分の予定を考えても、とりあえずざっと書き終えて公開してしまったほう

          倒錯的な現代社会

          今考えたいこと三選

          今、私の中でぐちゃぐちゃになっているものを書いてみて整理してみようと思う。以下素人のまとまりのない文章である。あまり真に受けないでほしい。 しかしまあ、真に受けないでほしいテキストを何故公開するのかという問題もある。私にもどのような意味があるのか、まだよくわかっていない。とりあえず書けるから書いてみようと思って書いているだけである。 なので、これを読んでいただいている方がもしいらっしゃるとするならば、この文章はあなたに向けたいところは山々なのだが、あまりそうなっていないだろう

          今考えたいこと三選

          まずはどこが連帯のベースラインなのかを考えよう

          こんにちは。 お疲れ様です。 元気ですか?こちらは・・・来月からの仕事がなさそうで、どうしよーって焦ってます・・・😂 まあお休みを少々取ってもいいかなとは思ってはいます。正直今は仕事らしい仕事があんまりできてない感触があって。The・仕事をやらせてもらえないなら、やんなくてもいいかなー、だったら勉強したいな、みたいな。そんなふうに思ってたり、思ってなかったり。フラフラしてます。 僕らのToughの活動もフラフラしているし、どうすんべなーって思ってます。何か軸がほしい今日この

          まずはどこが連帯のベースラインなのかを考えよう