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しなやかに強く生きる、フィンランドのSISUの概念


ウェルビーイングやレジリエンスに興味を持ち出した頃、フィンランドの「SISU

という概念に出会う。


「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態(well-being)にあること(日本WHO協会:訳)」

「レジリエンス(resilience)とは、外的な衝撃にも、ぽきっと折れることなく、立ち直ることのできる「しなやかな強さ」のこと。」

SISU(シス)というのは、フィンランド流の”不屈の精神”のこと。厳しい状況でも心折れず、困難に立ち向かっていく強さ、勇敢さ——。


ウェルビーイングやレジリエンスを考える時、「思想」が書かれている本は多い。

私自身、概念や思想について考えることが好きなので、頭の中をぐるぐると解像度を高くしていく作業は楽しいのだけれど、人によっては難しく感じたり、結局どうしたらいいの?みたいに思うこともあるだろう。



「フィンランドの幸せメソッドSISU」

こちらの本はフィンランド流の「不屈の精神」であるSISUという概念や思想を、「行動」から示してくれる、ある意味実用書でもある。


寒い冬の海や湖に浸かるアイススイミングの効能や、サウナの極意、森林浴の素晴らしさ、自転車やランニングで体を動かすことの必要性・・・

そういった、暮らしの中で「身体をどう作っていくか」が結果的に、SISUの精神が作られていく、ということが具体的な体験とともに書かれている。


SISUは、フィンランドにおける「心も身体も強くなれる」特別な精神のこと。

厳しい状況でもしなやかな精神性を持ち、困難に立ち向かう勇気や忍耐など「折れない心」を作ること。

それは、単なる思想ではなく、日々の健やかな行動で作られていく、という発想だ。


今の私たちは、家にこもることを余儀なくされてから、少なからず誰もが「暮らしを見直した」はずだ。

きちんと食事を作って食べること。

体を鍛えて健康的に過ごすこと。

あくせく仕事ばかりに没頭しなくても、家族で身の回りのことを少しだけ丁寧にすることで、心地よい暮らしができること。

消費や情報の波から少し離れて、冷静に自分の生きる意味を考えること。

公園を散歩することの気持ちよさ。

日を浴びることの素晴らしさ。


外へ出られない、仕事ができない、楽しみがなくなってしまった・・・

そういった逆境の中で、いかに工夫して自分なりの暮らし方を見つけ、しなやかに生きていこうとするか。

それは誰の心の中にでもある、不屈の精神のあらわれでもある。


その、心身ともに健やかな状態を、こんな風に過ごすことでより豊かになれるよ、と教えてくれる本。

もちろん、この日本ではなかなか真冬の海に飛び込もうとか、池の横にサウナを設置する機会はないかもしれないけれど(笑)、いつも車でいくところを少しだけ歩いてみるとか、ネットの情報から少し離れて森を歩いてみるとか、きっと何かのヒントになる。


そしてフィンランドに行ってみたいな、フィンランドのサウナに入って、冷たい湖に入ってみたいな、森できのこやベリーをとって暮らしてみたいなと思うような、ちょっと夢見心地な気持ちにもなった。いつか行こう、きっと。


この世には悪天候は存在しない。ただ、不適切な衣服があるだけだ。(北欧の格言)


雨が降ればレインコートを着ればいい。

雪が降れば暖かい帽子やマフラーがある。

悪いことなんて世の中にはなくて、できることは自分で工夫して乗り越えてみよう。

そしてしなやかに、生きよう。


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