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季節と暮らし。

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季節や時間の移ろいを大切にしていきたい。そんな想いでいつもより少し丁寧に『時』を感じてみた生活の記録。
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#季節

心が訴えかけてくる言葉。

昨日より、二十四節気では「啓蟄」という季節に入りました。 大地から小さな生き物たちが顔を出し、生命の躍動が聞こえてくる頃。そろそろ冬が残した冷気も去り行き、暖かな春風が地上を満たすことでしょう。 そして本日は満月です。 アメリカ先住民族の農事暦では、本日の満月を『ワームムーン』と呼ぶそうで、虫たちが地表へと出てくる様を表現しているとのこと。 春がある気候の国では、遠く離れていても、同じような感覚を持っていたことが窺えますね。 啓蟄。 生命が春に向かい動き出す季節。 昨

桃の節句に、東と西の桜餅。

ご近所さんの庭々にある梅の木が、日に日に花開いてゆく姿を見るのが、私の最近の楽しみです。 今朝は、満開の梅の木にメジロが二羽、仲睦ましそうに花の蜜を吸いに来ていて、思わず立ち止まって眺めてしまいました。 小っちゃくて可愛らしく、桃色の中に生える黄緑色がなんとも鮮やか。 朝からとても癒される光景でした。 そんな今日は、3月3日、桃の節句ですね。 もともとは中国の「上巳の節句」という、無病息災を願う厄祓いの行事が由来で、 平安時代に日本に伝わってからは、紙や藁で作った人型

冴ゆる夜に、在りし日を思う。

昨日から二十四節気では『大寒』という季節に入りました。 一年で一番寒さが深まる、二十四番目、最後の節気です。 二月四日の立春から季節は春に向けて動き出すので、冬を味わえるのもあともう少し。 この時期はどうしても寒くて少し家にこもりがちになるので、春が恋しい気持ちにもなりますが、 冬がもたらす厳しい寒さがあるからこそ、春の訪れに大きな喜びを感じられるのだと思うと、冬と春、陰と陽、どちらも必要なのだと改めて実感させられます。 「冬」という言葉で、ひとつ思い出したことがありま

ほっこり、あたたか、母の粥。

寒さがさらに深まり、冬の厳しさをよりいっそう感じ始めるこの頃。 昨日より二十四節気では「小寒」という季節に入りました。 これから「大寒」を挟み「立春」へと姿を変えていく自然の移ろい。冬を楽しみつつ、ぬくもりある物たちへ感謝をしながら、暖かな春の訪れを待ちたいものですね。 そして本日1月7日は最初の五節句にあたる「人日の節句」です。 栄養満点の春の七草を使った「七草粥」を食べ、一年の無病息災を祈る日としてもよく知られています。 我が家でも毎年この日は朝食に「七草粥」をいた

冬至から感じる、自然の恵み。

本日は一年の中で最も昼が短く、夜の長い「冬至」です。今日を境に、少しずつ日照時間が長くなる、陰と陽の折り返し地点のような節目の日。 古来より、生命の象徴である太陽が一番弱いこの日は、日本だけでなく世界中で「死に最も近い日」として畏れられ、それぞれの地域で独自の風習が今でも数多く残っています。 日本でも、寒さを乗り切るために「無病息災」を願った風習がいくつかありますよね。せっかくなので、私も少し実践してみることにしました。 「ん」がつく食べ物を食べる冬至に「ん」がつく食べ

自分なりに、冬を楽しんでみました。

12月がはじまり、寒さが本格的に強まってまいりました。昨日より二十四節気では『大雪』という季節に入ります。 北より雪の知らせを耳にし、私はより一層冬の訪れを感じる毎日でした。 個人的に、冬はとても静かな印象を持つ季節。 思い出されるのは地元北海道の雪景色で、 冬の夜、しんしんと降り積もる雪の夜道をひとり歩いていると、周りの音が一切聞こえず、見慣れた道が、生命を全く感じられない異空間のように思えることがありました。 まるでこの世に自分ひとりだけが歩いているような、そんな気

冬の訪れは、いちご大福から。

二十四節気では、本日より「小雪」という季節に入りました。 東京では、日中の暖かさがまだ十分に残る日もありますが、街ゆく人々からはどこか忙しなさを感じはじめ、少しずつ師走へと近づいているのを肌で感じます。 そんな「冬」を感じさせる和菓子を、今日はおやつにいただいてみました。 新宿にあるお気に入りのお団子やさん「追分だんご本舗」さんで、苺大福の販売がはじまったと聞き、さっそく買いに行ってみました。 いつもお団子ばかりで、大福をいただくのは初めてでしたが、お餅がとろっとやわら

五感で、こころで、楽しむ晩秋。

日が暮れるのもずいぶん早くなり、いよいよ秋も終盤に差し掛かかってまいりました。 本日から二十四節気では「霜降」という季節に入ります。(先日まで「しもふり」だと思っていましたが、「そうこう」と読むそうです。笑) 柿が美味しい季節にもなりましたね。 昔はさほど好まなかったのですが、歳を重ねるごとに好きになっている不思議な存在です。 栄養も豊富で「柿が赤くなると医者が青くなる」なんてことわざがあるほど。免疫力も上げてくれ、風邪予防にもおすすめの頼もしい果物です。 漢方では体を冷

「寒露」と「甘露」

季節がすすみ、二十四節気では昨日から「寒露」という季節に入りました。 空気の冷たさの中に、からっとした晴れ晴れしさも感じる秋らしい季節です。 「かんろ」という音の響きで連想されるのは、こちらの「甘露」の方が馴染み深いかもしれません。 私は甘党で甘露煮が大好きなので、この時期は特によく作ります。 サツマイモの甘露煮は料理を始めて一番最初に覚えたレシピ。 砂糖、醤油、みりんで煮るだけのシンプルな料理で、好みで味も調整しやすく、料理初心者でも簡単に習得することができました。 お

重陽の節句を自分なりに楽しんでみました。

皆さんこんばんは!今日は9月9日、重陽の節句です。 日本に残っている五節句のうちの一つですが、端午の節句や桃の節句、七夕などに比べると一番知られていないように思います。 「重陽の節句」は平安時代に中国より伝わりました。縁起の良いとされていた奇数の最大値「9」が重なる9月9日を「重陽」と呼び、節句の一つとしたようです。 厳密に言うと旧暦の重陽は10月中旬。 (少し迷いましたが「9」という数字を意識してうちでは新暦を採用してみました。) 10月は菊が咲く季節。なので重陽の節

秋の便りに感謝を乗せて。

朝起きて、まず最初に窓を開けるのが私の日課です。 最近は室温より涼しい空気が入ってくるようになり、少しずつ秋の訪れを感じています。 二十四節季では今日から白露。夜の大気の冷えにより草木に朝露を見つけられるようになる季節を表しているようです。 9月に入りスーパーでも秋の野菜が顔を出すようになりましたね。 今日は里芋を見かけたのでさっそく買ってみました。長く北海道で暮らしていた私にとって里芋はあまり身近ではない野菜。(北海道はじゃがいも勢力が強いので。笑) いつも神奈川の親戚

四季を想う、祖父を想う。

「日本に生まれて良かったな」と、ふと思うのはいつも季節の変わり目。(皆さんはどんな時にそう思うでしょうか。) 一年の中で四つも季節があって、色づく花が変わり、木の葉の色が変わり、虫の音や鳥の声、香りや肌で感じる気温も変わり、私たちが生きるためにいただく食べ物も時の流れと共に移り変わります。 こんなに多彩な変化を楽しめるのは日本ならではかなと思うので、日本に生まれて良かったとつくづく思うのです。 どの季節が一番好き?とたまにそんな話にもなりますが、正直私は一番を決められま

夏の終わりと、わたしと和菓子。

私の今住んでいる家は神社が近く、境内には大きな木々がたくさんあるので、夏になると蝉の声が窓から絶えず聴こえてきます。 聴こえ始めで初夏を感じ、8月上旬は力強い大合唱。そして、今の季節は日に日に数が減って行き、徐々に夏の終わりを感じると共に少し切ない気持ちになる毎日。 蝉の声は、命の音。夏は時間の流れを五感で強く感じさせられます。 夏の終わりと、和菓子。 今日は私が愛してやまない和菓子屋さん『仙太郎』の老玉とくず桜を頂きました! 和菓子が大好きなので季節の変わり目でたまに