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2019美術展 [番外編] ルイス・バラガン邸

実は2019年に観たアートの中でもっともよかったのは、メキシコシティにあるルイス・バラガン邸だったかもしれません(美術「展」ではないですが… ある種の美術館ではあるかもしれない)。

ルイス・バラガン邸はガイドツアー参加でのみ見学可能なのですが、日程は限られるものの、なんとオフィシャルで日本語のツアーが用意されています。バラガンについてはもちろん、世界や日本の建築、さらには日本文化にも明るいガイドさんが案内してくださったので、かなり細かいニュアンスの話まで伺うことができてとても面白かったです。学生さんなのかなという若さでしたが、日本語もとても上手だったしほんとすごい…。

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地面と一体化するようなシンプルな外観は、モロッコの建築に影響を受けたものだそうです。

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階段は家の心臓、らしい。

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大小さまざまな窓を使って自然光を取り込み、外(庭)と内がシームレスにつながれた空間は、適度な影を持ち、モダンだけれどナチュラルで、美しいだけでなく、とても居心地が良さそうでした。

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バラガンは「庭は宇宙」と言っていたとか。枯山水ですね。
彼は禅の思想にも影響を受けているそうです。とはいえ枯山水とは違い、草木を自由に育たせることで宇宙ができると考えていた様子。

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この屋上庭園のことは「空への窓」と呼んでいたそう。

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アトリエの窓も、外に壁を設けることによって、空しか見えない「空への窓」になる。

禅のように庭に宇宙を見出し、孤独を愛し、晩年まで自宅の増改築を繰り返しながらさまざまな実験を続けたというバラガン。隅々まで彼の思想にあふれたこの家で、少しだけ彼の美意識に触れられたような気がしました。

ちなみに、近くにバラガン最後の作品であるヒラルディ邸もあります。
こちらは規模が小さく、ガイドもあっさりしたものですが、バラガン邸の解説を聞いた後に訪れると、バラガンイズムを感じられる、気がする。

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旅先で訪れた美術館・博物館一覧

書き忘れてるところもあるかも…。遺跡類は除きました。

・鈴木大拙館(金沢)
・ディエゴ・リベラ博物館(グアナファト)
・ドンキホーテ肖像博物館(グアナファト)
・メキシコ近代美術館(メキシコシティ)
・フリーダ・カーロ博物館(メキシコシティ)
・ディエゴ・リベラ壁画館(メキシコシティ)
・民芸品博物館(メキシコシティ)
・国立現代美術館ソウル館(ソウル)
・サムスン美術館リウム(ソウル)




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