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かなかな
2019年8月3日 19:35
私が茨木のり子さんの詩を読むのは、彼女の言葉が大好きだからだ。ときどき思い出す、好きな詩のひとつに「汲む」がある。自分の弱さを、それでいいのだと肯定してくれる。そして自分が傲慢になりかけていないか、背筋がすっと伸びる気持ちになる。汲む、という言葉を美しいと感じたのは、この詩からだった。自分の気持ちを、相手の気持ちを、汲むことの優しさ。彼女の言葉は厳しいけれど、慈愛にあふれている。ちくま