ゆうかり (yucali)

神山 嘉一 kamiyama kaichi / 想像力とそれ以外 の綯い交ぜ

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お元気ですか、と書き出せない理由が、僕があなたから見放された理由なのかもしれません あなたは僕を見放したとは思っていないだろうし 僕も頭ではそんな風に思っていません でも、心ではそう思ってしまうのです リュックサックにカーネーションを刺した男の人を眺めあなたのことを思い出して泣いた しばらく涙を流していなかった 自分をみつめることをやめたのではなく 離陸すべき地のない風の中では飛ぶことができないから だけど凪にしずかな海面のわずか1cm下はどろどろと赤く、変わらず赤

    • 瀬川兄弟の考察、カポーティ的な共依存について ②

      蒼も創也も言葉の人間ではない 通常、「ある感覚」というのを言葉に変換するとき、われわれはほとんど無意識に自らの無象の地へ触手をのばし、広大な暗がりをまさぐりながらそれに最も近い言葉を説明的な視点から選びとり、外界へと運んでいき、喉を通り、対象へ向かってこの唇を震わせる その一連のダイナミクスの過程じたいが、表現として目に見えるかたちとなり、その形式でひとはひとを認識し、優劣をつけたり、受容したりする が、かれらからは、この社会へのチューニングとでも呼ぶべき過程そのものが

      • 瀬川兄弟の考察、コクトー的な共依存について①

        はじめてかれらをみたとき、何というか、極限まで吸った煙草の先の火の、ゆらめきの、その消えかかる一瞬間を引き伸ばしたみたいな奴らだと思った というのは、ちょっと、個人的な想像力が働きすぎていて興醒めされるかもしれないが、みょうにふしぎな目、4つの目、一切のバイタリティというのを欠きながら辛うじて消失せずにこの世に残り続けてるような、目 ほんとう、きれいだとおもった 顔とか身体でなく、おそらく目つきというのから発せられる、存在じたいが。取り立てて強靭な存在感などでなく、むし

        • 龍果て

          なぁ・・ な・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ すくわれるかな ぼくは、すくわれるかなぁ なんも 言葉が でないな てめえ 殺すぞ 2020年から たしか 3年くらい 目深に被ったマフラーは、 母の匂い、 あかいフリンジと、 うすぼこりのつめたさした、くらがりの、 中へ、引き篭もって ずっとおれは小説を 書いていたな 言葉の中にいて 身体を忘れてきってた あのとき、死を知ってた それから2022年ごろの、

          LSDPTSD

          2022.08.07 路上で目を覚ます頃におまえはもう居ない 唾液でどろどろに溶けたハルシオンが腹にこびり付いているだけだ 未来のことが思いだせない 傍をゆくサラリーマンの胸ぐらを掴んで怒られたい それから両手をあわせて丁寧に謝りたい 許されなくてもいい 此処から早く立ち退かねばならぬのに 乱反射する視界が愉しくってわらってる 首の下に紙幣を挿れてくれて去るような貴女のずるさに生かされて こんな情が共にねむったはずの大地と私を隔ててしまう おれをにんげんに成り上げ