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社会マネジメント系

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ゼミ生の研究で、社会マネジメント系に分類される研究書評をまとめています。社会、経済、ジェンダーに関心のある方はぜひご覧ください! スキ!やコメントお待ちしております!
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記事一覧

研究書評 2024年度

(0411)選択した論文 ダニエル・リフ&スティーヴン・レイシー&&フレデリク・フィコ著 日野愛郎監訳千葉涼&永井健太郎訳『内容分析の進め方:メディアメッセージを読み解く』2018年、勁草書房 選択理由 本文献は合同ゼミの際に相手方の教授の方から勧めていただいたものである。私の研究の分析手法は、「内容分析」に位置付けられている。そして、その手法に則って研究を進めるのであればその教科書として良いとして、勧めていただいた次第である。 この書評では、本文献のイントロダクシ

2024年度春学期 研究書評

みなさんこんにちは!こちらの記事では研究書評についてまとめていきます。 7/4研究書評今回の文献は桑島 浩彰(2022)「米国における産業クラスターの発展―ケーススタディ1:サンディエゴ」と高橋()「シリコンバレーの歴史的形成と地域的特徴」です。今回の文献はネット記事によるものなので2つほど選んでみました。選択理由としては掲載とっくにおける集積の効果を最大化させるための条件について検討する必要性があると考え、今回はアメリカの事例を複数個比較させることで共通する条件を見つける

研究書評-ふるさと納税を用いた地方活性化-2024年度

  2024年4月18日 内容要約 過度な返礼品について 構造的要因と憲法上の問題について考察 ① 経済的利益の大きさ 利用者は「住民税等が控除されるだけでなく、寄付を受けた自治体から返礼品まで貰える」、自治体は「「寄附金の受入額がそのまま歳入の増加につながる」ことから、より多くの寄附を集めるために、自治体間で返礼品競争が過熱していく」。先行研究で嶋田は「税の奪い合いの仕組み」にほかならず、「やらなければ,やられる」ために、「自治体としては、参加したくなくても、

研究書評

20240502 新井克弥(2016年)「ディズニーランドの社会学 脱ディズニー化するTDR」青弓社  「テーマパーク」について考えるとき、まず最も身近にあったディズニーリゾートを研究した文献を読もうと思い探した。その存在意義や価値、パフォーマンスの質の高さを説明しているものより、現状に批判的な姿勢を示すものに関心があったため選んだ。この本ではまず、ディズニーリゾートが日本人にとってどのような場所であるか、現在の姿になるまでの変遷などが述べられている。  現状、日本にある

「研究書評」

2024年4月11日 (選んだ理由) 今回取り上げたのは「現代中国におけるスポーツ産業の成立過程に関する研究 ―スポーツ政策の視点から―」である。この文献を選んだ理由は、中華人民共和国は国として建国され、まだ80年も経っていないが、スポーツ産業が盛んであり、オリンピック等では常に名前を聞く国である。そのためどのようにして今の地位を築いたのか気になった。また、もしかしたら日本も真似ができる部分があるのではないかと考えたからである。 〈内容〉 1986年に中国スポーツ体制

研究書評

2024年4月11日分 IR推進会議取りまとめ(概要) 〜「観光先進国」の実現に向けて〜 首相官邸ホームページ 〈内容総括・選択理由〉 今回取り上げた文献は、首相官邸ホームページに記載されているIR推進会議とりまとめで、特定複合観光施設区域整備推進本部事務局が出した文献である。現在日本では、公共政策の一部として日本へのIRの誘致を押し進めている。この文献ではIRの定義に触れながら、諸外国におけるIRのコンテンツや現状、公共政策としての日本型のIRのありかたや具体的な内容

研究書評

6/27 研究書評 渡真利 紘一(2020)「NPOからみた行政との協働プロセス~福祉分野のNPOのケーススタディから~」 計画行政43巻 4 号 p. 21-26 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jappm/43/4/43_21/_article/-char/ja 【選択理由】 ここまでの書評で、「非営利組織の経営」、「行政との協働」など様々な論点が見つかった。その中で、今後は、「行政との協働」に着目して、研究を進めたいと考え、

2024年春学期 研究書評

6/27ドイツ 共同経営法(Mitbestimmung Gesetz) URL MitbestG - Gesetz über die Mitbestimmung der Arbeitnehmer (gesetze-im-internet.de) 12条 デリゲート(代表者)の候補者提案 (1) デリゲート(代表者)の選挙において、対象となる労働者は候補者を提案することができます。提案された各候補者は、第3条第1項第1号で指定された選挙権を持つ労働者の20分の1または

研究書評

これから2024年度春学期上久保ゼミでまとめた研究書評をnoteに投稿していきます! 2024/07/11 石村尚也,間宮大輔,加藤靖隆(2021) 「AR/VRをめぐるプラットフォーム競争における日本企業の挑戦」 『株式会社日本政策投資銀行』354巻1号. 〈内容総括・選択理由〉  今回取り上げた文献は、株式会社日本政策投資銀行の「AR/VRをめぐるプラットフォーム競争における日本企業の挑戦」である。以前の期末報告会で、VRのビジネス商法について考えてみると継承につい

研究書評

2024/07/04 福王守「人間の尊厳に基づく人権概念と日本の在留許可ー国内法および国際法を通じた比較的考察ー」『法学新報』第128巻、第10号、2022年、653-671頁 選択理由、内容総括 日本の在留許可に関する制度を調べる中で、日本の制度では人権を守ることができていないという批判を何度か見たため、この論文を選択した。この論文では人権概念の形成過程について、憲法、国際法の観点から述べられている。そしてその人権概念を踏まえた日本の在留許可について検証されている。

2024年度春セメ 研究書評

4/11 研究書評 樋口美雄「コロナ禍における社会規範と価値観の多様化」『ワークアンドライフ:世界の労働』6号、2~8頁、2022年 【選択理由・内容総括】 今回取り上げた文献は慶應義塾大学名誉教授の樋口美雄による考え方の多様化と社会規範の変化、意見の衝突に関する評論文である。この論文ではコロナ禍のマスク警察や自粛警察などの同調圧力による社会規範の負の側面と、その同調圧力による社会秩序の維持という正の側面を持っていることが述べられている。また、社会規範という暗黙のルール

研究書評 薬物乱用

(6.20) 1.選択した理由 ステロイドの使用は禁止するという法律は存在しており、麻薬の使用なども禁じられている。しかし、日本では大麻の栽培を仕事にしている人に関してはそれを認めている。それに対して具体的に知るために選択した。 2.内容 日本では、現在、大麻の使用は犯罪ではないという。現在、大麻は免許制ですが、昔から大麻が衣服や食品の材料として栽培し使用されてきたからである。また、大麻取締法で禁止されていない茎や種子等を使用しても、陽性反応が出る可能性があるため、処罰対象

2023年度研究書評 秋学期まとめ

今回の記事は研究書評 秋学期verです! 1/18研究書評(今年度の総括)今回は最後の研究書評ということもあり、今年度の研究まとめについてお話ししたいと思います。 序論(主張) 日本の経済成長には技術開発を目的とするベンチャー企業の創出が必須でありそのために経済特区とVCの創造を可能にする必要がある。本年度は経済特区の創出に焦点を当て研究を行った。そこで明らかとなったのは日本の政策過程においてforoleが定義するような経済成長を目的とする経済特区の前例はなく、諸外国をモ

卒業論文

ベーシックインカムの実現可能性 ―社会保障政策・労働政策の観点から―Feasibility of Basic Income -From the Perspective of Social Security and Labor Policies- (要約) ベーシックインカムは社会保障政策としてだけではなく、労働政策としても機能すると考える。そこで、本研究ではベーシックインカムが財政的に実現可能であると証明し、ベーシックインカムの導入が働き方改革に繋がることを示すことを目標