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ワイ「サッカーは好きですか?」

助手「結構見るよ。やっぱアツくなれるよね。」

ワイ「私はJリーグ始まったくらいの時で時間が止まってます。」

助手「スポーツ興味なさそうだもんね。」

ワイ「しかしレジェンドと言われるプレーヤーの名くらいは知ってますよ。」

助手「例えば誰よ。」

ワイ「カズとか。」

助手「そう言えば最近カズが話題だよね。」

ワイ「リポビタンDのCM契約問題ですよね。」

助手「契約してるのに他社のCMに出ることになって裁判沙汰になったとか。」

ワイ「リポビタンDは大正製薬の商品ですからね。しかしあれは契約書に不備があったと言わざるを得ません。」

助手「そうなの?」

ワイ「契約書を見たわけでは無いので仮説前提で話しますけど、元々はリポビタンD製品をプロモーションするために契約をしたわけですよ。」

助手「そうだね。」

ワイ「問題となっているのはシリーズとして錠剤を発売することが決まったことに起因します。」

助手「リポビタンの新商品にもカズを使おうとしたのね。」

ワイ「これが当初の契約からだいたい4年後の出来事。」

助手「へぇ。」

ワイ「しかしカズの所属事務所はすでにサントリーウェルネスの健康食品(錠剤タイプ)のCM契約出演を締結してました。」

助手「だから所属事務所はリポビタン新商品のCM契約を断ったと。」

ワイ「そしたら大正製薬が激おこぷんぷん丸になって裁判へ。」

助手「そしたら?」

ワイ「大正製薬が負けました。」

助手「あらま。」

ワイ「そしてお気持ち表明してしまったのです。」
https://www.taisho.co.jp/company/news/2023/2023080401.pdf

助手「すごく怒ってるわ。」

ワイ「よっぽど腹にすえかねたんでしょうね。」

助手「けれど裁判には負けたのよね?」

ワイ「理由は、契約書に錠剤タイプの記述が無かったかららしいです。」

助手「関連商品なのに?」

ワイ「契約とはそれほど重要なものなのです。だから今回は大正製薬に非があると言って差し支えないでしょう。」

助手「なるほど。」

ワイ「いたって正常な商取引を前提とした裁判の結果だったと思いますよ。」

助手「司法の判断は適切だったということね。」

ワイ「とはいえ、心情的には大正製薬の気持ちも分からなくもない。」

助手「どうして?」

ワイ「日本にはかつて義を重んじる精神がありました。」

助手「武士道?」

ワイ「CM契約を長期に結んでもらえるということは、相応の利益を得られる以外にも、安定したブランディングをタレント側も享受できるわけです。」

助手「確かに長くCMに出てると消えないしイメージも定着するよね。」

ワイ「それに対して恩を感じ義理を果たす精神が崇高に思えるわけです。」

助手「だけど契約の方が大切なんでしょ?」

ワイ「最近は論破なんて言葉が流行ってますが、義理人情を置いてきぼりにして正論を放つ姿にカッコ良さは感じませんね。」

助手「確かに見ていて気持ちの良いものでは無いかも。」

ワイ「最近の日本人はこの精神を忘れてしまっているかもしれません。」

助手「少し嘆かわしいね。」

ワイ「話を戻すと、ベテラン俳優にはCM出演した商品をプライベートでも使い続けた人も多いと聞きます。」

助手「そうなんだ。」

ワイ「インタビューの傍らには必ずその商品を置くなど、自分が世話になった商品や企業を重んじる姿勢を持つ方達がいます。」

助手「なんかカッコいいね。」

ワイ「聞く話によれば『自分を育ててくれた商品だから使い続ける』『恩義に報いたい』と言った思いがあるようですね。」

助手「なんか気持ちいいセリフだわ。」

ワイ「あくまで契約と割り切ることもできますが、義理を果たす姿勢には人々の心を動かす何かがあるのです。」

助手「確かにね。」

ワイ「今回の問題点を整理してみます。
(1)大正製薬が用意した契約書がザルだった
(2)カズ側が他社契約の前に根回ししなかった
(3)カズ側に信義を重んじる姿勢がなかった
こんな感じでしょうか。」

助手「そう言えばカズってデカビタのCM出てなかったっけ?」

ワイ「出てましたね。デカビタはサントリーですよね。」

助手「ただの出戻りじゃん。」

ワイ「お金さえ得られればいいんじゃ無いですか?」

助手「いろいろ押さえどころを間違ったって感じだね。」

ワイ「カズ側もギリギリを攻めてしまったのかもしれませんね。」

助手「ギリギリを攻めるのはフィールドだけにしてほしいね。」

ワイ「ギリ攻めるより、義理人情。」

助手「お後がよろしいようで。」


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