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【思考の穴ロジー】遠慮のかたまりと刺身とお茶

「遠慮のかたまり」

お皿に残された、最後の「ひとつまみ」これを関西の人は「遠慮のかたまり」と呼ぶ。沢山の料理が盛り付けられたお皿。そんなテーブルを囲んだ友人知人の集まり。こういった場で時折見かける光景だ。

美味しかった料理だからこそ、その場の人たちが遠慮した結果が、最後の「ひとつまみ」として残されるという訳だ。ちなみに別名「関東の一つ残し」とも呼ぶらしい。(関東人は見栄っ張りが多いから。という説らしいが、真偽のほどは定かではない)

若い頃の私は、この最後の「ひとつまみ」をペロリと平らげるのが好きだった。周囲の遠慮などお構いなしに。「空気が読めないやつ」と思われても構わなかった。私としては、なんだかスッキリしないその状態に終止符を打ちたかったのだ。(食べ物ももったいないからね)

そんな私の行動を見てひがんだり、怪訝な顔をする人はいなかった。みんながそんな私を見て笑っていたので、その場のスッキリしない状況が解消されたようにすら感じられた。

これにお味をしめた私は、その後も最後のひとつまみに遭遇するたびに得意の「ペロリ」を繰り返してきた。40歳を過ぎた今はさすがに若い子に、この役目をゆずるようになったが……

ところで、この最後のひとつまみ。「遠慮のかたまり」とは的を得た表現だが、そもそも遠慮の心は、はじめからみんなにあったのか?それとも食べ物が残り少なくなってから生じるのか。いったいどちらだろう?

私の答えは前者、つまり元々あった遠慮の心が、お皿の上の料理が減るにつれ徐々に高まったのだと考える。なぜなら、そもそも遠慮の要らない間柄であれば、遠慮のかたまりどころか、兄弟でおかずを取り合うといった、昭和の1コマのような状況も起こりえるからだ。

料理がまだたくさんある時には表面化しなかった、みんなの遠慮の心が、だんだんと料理が少なくなるにつれ、色濃くなっていき、最後には「遠慮のかたまり」として抽出される。まさにみんなの遠慮の心の結晶が「遠慮のかたまり」という訳だ。そう考えると興味深く感じるのは私だけだろうか。

「刺身」

そんな「遠慮のかたまり」の元になる、料理にはどのようなものが多かったか。思い返してみると経験上、大人になってからは「刺身」が多かったように感じる。刺身の盛り合わせだ。これも遠慮が生じやすい間柄の席ではありがちだ。刺身が人気がないのではなく、好きな人たちの集まりでも起きる。

刺身は、料理人が事前に魚をさばいて、皮や骨を取り除いてくれているので美味しいところだけを気軽に食べることができる。刺身が好きな人なら、そんな刺身の盛り合わせを食べたくならない訳がない。

「お茶」

お腹を満たしたあとに頂く、お茶も格別だろう。お茶はその味だけではなく、見た目や香りを楽しむといった嗜好品としての一面もある。コーヒーと同じように、お茶にも、おしく頂くための淹れ方というものがある。適切な「お湯の温度」や「抽出時間」などがポイントになる。

そうやって茶葉から有効成分を抽出することで、お茶の美しい見た目や香り、そして味を楽しめるようになるのだ。

ここまで、
・「遠慮のかたまり」
・皮や骨を取り除いた「お刺身」
・茶葉から抽出した「お茶」

について触れてきたが、これらは共通した「ある要素」を含んでいる。それは何かというと、「分離(抽出)すると純度が高まる」ということ。

「遠慮のかたまり」では、だんだんと料理が少なくなるにつれ、遠慮の心が色濃くなっていき、最後には、みんなの遠慮の心の結晶が「遠慮のかたまり」として抽出された。

「お刺身」は、料理人が事前に魚をさばいて、皮や骨を取り除いてくれることで美味しいところだけを気軽に食べることができた。

「お茶」の場合は、茶葉から有効成分を抽出することで、お茶の美しい見た目や香り、そして味を楽しむことができた。

つまり、言い換えれば「分離(抽出)」することで
不要なものが除去され

・欲しいものだけが手に入ったり

・相手の中にある、感情や欲求を明確にできたりする

ということだ。

これって、コピーライティングにも似ていないだろうか。

ライティングの悩みで、私がよく遭遇する質問に次のようなものがある。「何を書いたらよいか分からない」
「ブログに何を書いたらよいかわからない」
「メルマガに何を書いたらよいかわからない」

こういったときに有効な考え方として「3つのONE」とう原則がコピーライティングにはある。3つのONEとは、

・ONE Market(1つの市場)
・ONE Message(1つのメッセージ)
・ONE Outcome(1つの出口)

という意味だ。つまり市場という大きな枠組みの中から、1つの市場(ターゲット)を絞り、その相手に対して毎回1つのメッセージ(伝えたいこと)だけを発信して、1つの出口(どんな反応や行動を取ってもらいたいか)を決めるということ。

つまり多くの選択肢の中から、本当に必要なものだけを絞り込み(分離、抽出)するということ。そうすることで、書くべき内容が明確になるだけではなく、より反応しやすい相手にメッセージを届けることができるようになるのだ。

それでもまだ何を書いたら良いか分からない、そんなときは3つのONEに、さらに3つ「目的」「誰が」「どうやって」を加えた次の法則をあてはめてみてはどうだろうか。

どのようなものかというと、「目的」⇒「誰が」⇒「誰に」⇒「何を」⇒「どうやって」「どんな」という順番でそれぞれの要素を埋めていく作業だ。例えばブログを書く場合なら、

①「目的」=何のために書くのか?
②「誰が」=どんな立場で
③「誰に」=どんな読者(市場)に対して
④「何を」=どんな内容(メッセージ)を
⑤「どうやって」=どんな形式(型)で
伝えるのか?そのあと
⑥「どんな」=反応を得たいか(アウトカム)

これらを明確にすることで、何を書けばよいのか分かるようになる。逆に言えば、これらが不明確なままだと、何を書けば良いか分からなくて当然だ。年賀状を書いた経験のある人なら、思い返して欲しいのだが、上記の①~⑥がすべて明確になっていたのではないだろうか。

もしそうなら、ブログやメルマガの場合では、なぜ「何を書いたら良いのかわからなくなる」のか、その本当の原因を明確にすることができたと思う。

もし①~⑥がうまく埋められないときは、普段読んでいる本や雑誌、新聞記事、映画やTV番組(最近では有名ユーチューバーの動画コンテンツ)でもいい、それらの上記①~⑥の中がどんな要素かを気にしてみると、新しい発見が気づきが得られて、自分が発信するコンテンツの参考にもなるだろう。

ぜひためしてみてほしい。

そうすることで、あなたのコンテンツに興味を持ちやすい人に、響くメッセージが伝えられる確立が上がるだろう。

「分離(抽出)すると純度が高まる」

自分自身にも、常にそう言い聞かせていきたい。



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