なんでその日に・・・ ソニー罰金1700万円と「文化の日(11月3日)」秘話 中国人を笑えない
みなさんニュースです。
盧溝橋事件から84年目に当たる今年7月7日にソニーが新製品発表を予告し、国家の尊厳を損なったとして、北京市当局はソニーの中国法人に1700万円の罰金を科しました。
盧溝橋事件とは、1937(昭和12)年7月7日、日本軍が中国軍に因縁をつけて攻撃、日中戦争のきっかけになった事件。
7月7日は七夕で、盧溝橋事件の日なんて普通思わないだろうーー
日本人にはわからない感覚ですが、中国人には「なんでその日に」ということだったのでしょう。
このニュースで、今読んでいた「戦後史のなかの憲法とジャーナリズム」(有山輝雄)という本に書いてあったことを思い出しました。
日本の戦後憲法は1946年11月3日に公布されました。
なぜ「11月3日」か、みなさんはご存知ですか。
あと3週間ほどでやってくる「11月3日」、今は「文化の日」ですが、もともとは明治天皇の誕生日(明治節)です。
この日を、わざわざ新憲法の公布日に選んだ。
それは、当時の吉田茂首相が、
「新憲法によっても決して国体が変わるものではないことを国民に印象づける狙いがあった」
とのことです(同書p133)。
この日に公布することを、吉田首相はマッカーサーに直接持ち込んだのですが、マッカーサーはこの日の意味を知りませんでした。
のちにGHQのスタッフが気づき、ホイットニー民政局長がマッカーサーに注進、マッカーサーは「吉田の巧妙な狙いに怒った」そうです。
中国人がその一件を知っていて、今回の件で「その手は食わん」と思った、かどうかはわかりませんが。
日付に意味がある、と思うことを、笑えないんですね。
(写真はフォトギャラリー追加男さんの「皇居北の丸公園の吉田茂像」)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?