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なぜ「クオリティペーパー(朝毎)」は「アカハタ」みたくなったのか

朝日新聞と毎日新聞は、ずっとサヨクだった、と若い人は思うかもしれない。

朝日は確かに昔からイギリス流自由主義だった。

しかし、まず毎日新聞は、戦前は保守系だったし、戦後も長らく「朝日よりも右」だった。

今では、毎日新聞も朝日新聞もあまり変わりがない。

そして、最も大きな変化は、両紙がより左傾していることだ。

かつては、自民党のハト派(宏池会)や社会党の位置だった。

現在は、ほとんど共産党と同じである。

今朝の産経新聞に以下のような論説が載った。


飯山陽:共産党に優しい朝日と毎日(産経5月8日)

朝日と毎日は共産党に大変優しい。そしてまさにそれにより、両紙は政治的偏向を露呈し信頼性を失っている。SNS時代の一般人は以前のようにたやすくだまされたりはしない。両紙にはその認識が欠けているようだ。


同感だ。もりかけ桜、そしてウクライナ侵攻という過程で、朝毎が共産党を「代弁」しているように見えることは実際に多かったし、その傾向が強まっていると私も思う。

私は別に共産党のような主張があっても構わない。その主張の一部に賛成することもある。

だが、かつてクオリティペーパーと言われた新聞が党派的に偏向するのは見ていられない。

なぜ、そうなったのか。

いくつかの理由が考えられる。


仮説1 マイノリティの罠


「ノイジーマイノリティ」に従うからそうなる。

これは、西村ひろゆき氏も言っていたと思う。

サヨク的なことを書くと拍手喝采を浴びる。サヨク的でないことを書くと非難を浴びる。

読者の反応によって、記事が左に誘導される。

しかし、その「読者」は、左派組織票だった、ということだ。


仮説2 時代の変化と高齢読者への最適化(保守化と世代分断化)


1991年の冷戦終結以後、「左」に誘導する組織がなくなり、西側世論は「右」に地殻変動した。

しかし、1991年以前に思想形成した高齢者層は考えを変えないため、世代間で思想が分断された。

左派新聞は(左派政党とともに)従来の読者を裏切れず、高齢者向けに紙面づくりするため、世間よりさらに左に位置するようになった。


仮説3 左右両方の極端化(左右分断化)


インターネット時代になり、日本に限らず、左はさらに左に、右はさらに右になって、思想的分断化が進んでいるという説がある。

左派新聞も、その流れを反映している。


仮説2と3については、以下のイーロン・マスクのツイート参照。



仮説4 「安倍」ファクター


日本においては、安倍晋三という強力な「アンチ左派」が長期政権を築いたため、その間に左派メディアはますます左に凝り固まった。


朝毎の偏向はひどいと思うが、それは論説の部分であり、ストレートなニュースは、それほどひどくない。

事実を迅速に報道する、という記者のモラルは死んでいないと思っている。

一部の活動家が歪めているのか、経営層も歪んているからそうなるのか、そのあたりも分からない。

そのあたりが分からないから、立ち直れるかどうかも分からないが、立ち直ってほしいと思う。




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