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「サヨクの隠れ蓑」保阪正康氏のいかがわしさ

安倍暗殺事件をめぐり、保阪正康氏が毎日新聞に寄稿した文章を、池内恵氏が一刀両断している。

「全く今回の事件と最初から最後まで無関係な昭和史の小話を垂れ流す。お金払って読むようなものじゃない。」

「今回もいつもの陰謀論に持っていこうとすると殺害された安倍さんが「良い方」の側に入ってしまいそうになるので必死に別の筋を模索して、思いつかなかったのでしょう。筋がない。」



保阪正康氏は、朝日や毎日が「アベガー」したい時に、よく出てくる人物である。

毎日新聞は、毎日出版文化賞などの自社の文化賞を、味方にしたい文化人に与える。この賞をありがたがって毎日に恩義を感じてくれそうな人たちに与えるのだ。高村薫、保阪正康、佐藤優などがそうして「取り込まれ」たし、最近、東浩紀に同賞を与えたのも、毎日新聞が東を取り込みたいからだな、と感じた。

まあ、マスコミ業界に長くいると、そういうひねくれた見方が身についてしまう。

保阪氏は、もとは保守系のノンフィクションライターだが、一連の昭和史ものの「昭和天皇は平和主義者だった」論で、平成の時代にくすぶっていた昭和天皇の戦争責任論を「悪魔祓い」する役割を果たした。菊池寛賞はその功績に対するものだと感じた。

それで、どうも平成の天皇(現上皇陛下)に気に入られ、皇室に出入りするようになって箔がついた。

くわえて護憲派で安倍嫌いであったことで、右にも左にも重用されるポジションを得た。

彼の安倍嫌いの理由は、正直わからない。

「安倍は若いくせに、戦争も知らないくせに、偉そうに国家を語る。生意気だ」という年寄り(マスコミ幹部に多い)の代弁者のように感じる。

最初は文春などの保守系メディアで活躍したが、しだいに朝日、毎日を舞台にするようになる。

歴史認識ではアカデミズムに相手にされない。あくまで在野の歴史家、歴史ライターにとどまる。それほどファンが多い感じもしないのだが、そのわりには「大物」あつかいされる。

あるサヨクの編集者が、「保阪は隠れ蓑にちょうどいい」と言っているのを聞いたことがある。

安倍を批判したいとき、しかし左翼色を出したくないときに、保守派とされる保阪氏が使われる。

一時期、「(平成の)天皇が安倍を嫌っている」という話が流れたが、その出所は保阪氏周辺ではないか、と思ったものだ。

初期に彼と仕事をした人に話を聞いたことがあるが、あまりいい話は聞かなかった。

しかし、ライターとしての保阪氏、特に初期の反マルクス主義的な(その意味でマスコミ内反体制だった)保阪氏の仕事は、私は嫌いではなかった。

それだけに、皇室とサヨクに「取り込まれた」あとの保阪氏は、朝日・毎日に都合のいいだけの存在に成り下がった感じだ。

この毎日記事でも、その期待に必死に応えようとしている姿だけを感じる。私は残念なのだが、保阪氏は満足しているのだろうか。


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