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左派マスコミの「秘密の指令」

あれは1990年代の終わり頃だった。

あるフリージャーナリストと雑談していると、彼がこう言った。

「テラシマジツローという人を売り出せ、って言われているんだけど、困っちゃってね」

テラシマジツロー?

寺島実郎氏のことは、なんとなく知っていたが、退屈な文化人ワナビーという印象しかなかった。


そのジャーナリストは、左翼というほどではない感じだったが、左翼政党とつながりがある人だった。

別の時には、こんなことを言っていた。

「選挙に出ろって言うんだけど、うん百万円出せと言うんだ。困っちゃってね」

うん百万の正確な金額は忘れてしまったが、とにかくその人は、左翼からいろいろ注文されて、いつも困っちゃっているらしいのだ。(結局、その人は選挙には出なかった)


私は、マスコミ内でそういう「指令」が出ていることに興味が湧いた。

だが、私がその出所について尋ねても、そのフリージャーナリストは言葉を濁して教えてくれなかった。

テラシマジツロー氏については、その後に人気が出た感じはしないが、左派系のメディアにはそこそこ登場しているので、「指令」の効果があったのかもしれない。


マスコミで、特定の人が不思議に持ち上げられて、メディアに出まくるようなことは、一般の人も気づくことがあるだろう。

別に陰謀論は言いたくないが、マスコミの中にいても、そういう「一斉の流れ」が突然できて、不思議に思うことはけっこうあった。

自然に湧き上がることもあるのだろうが、どこかから「指令」が出ているのかもしれない。


これは前にも書いたことがあるが、2000年代の中頃に、あるマスコミの幹部が、

「石原慎太郎を、なんとか都知事選で落とせ、って言われてるんだけど」

と突然、私に言った。

心中、そうとうに焦っていて、思わず口に出たという感じだった。

「言われてるって、誰から?」

と聞くと、黙ってしまった。

私が「仲間」ではないことを察知したのだろう。

そのまま聞き流したが、あれも「指令」を聞いたのかもしれない。


マスコミの中には、朝日・毎日・中日(東京)新聞系のような「左派マスコミ」がある。

その「左派マスコミ」の中に、さらに「左翼インナーサークル」があって、そこでだけ流れる「指令」があるようなのだ。

そのインナーサークル内では、上は役員から、下はヒラの記者、さらにフリーの記者まで、同じ思想で結ばれているような感じだ。

そして多分、特定の政党やセクトともつながっている。

私はマスコミの周辺にいながら、ついにその中に入ることができなかった。


そういえば、マスコミをやめる直前に、私のところに

「望月衣塑子さんを支える会に入りませんか」

という勧誘があった。

冗談でしょ、と思って無視したが、あれに入っていたら、左翼のインナーサークルに入れたのかもしれない。入っときゃ面白かったかも、と思うことがある。

入っていれば、私もどっかの「弱者」救済団体の理事になって、今みたいに貧乏で苦労することもなく、「公金チューチュー」できたかもしれない、と思ったり。

colabo問題で「ナニカグループ」の話を聞いたり、マスコミが突然何かのテーマに熱心になったり、ツイッターで一斉に「ツイデモ」が始まったりすると、そういう過去の記憶がよみがえる。


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