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税務調査の話 その11 〜非違事項別解説⑤ 雑収入除外〜
元国税職員による税務調査のあれこれ。前回に引き続き非違事項(誤りや不正による要是正項目)別の解説をしていきます。今回は不正の一つである雑収入除外を取り上げます。
これまでの記事(税務調査の話その○)
基本は売上除外と同じ
雑収入除外も売上除外と同じ収入の除外なので、その性質や除外方法(簿外預金等)ついては、基本的に売上除外と同じです。詳しくは、こちらの記事の「売上除外とは」という項目をご参照下さい。
売上を除外するのはかなり大胆な行動であるため気が引けるという心理が働きますが、雑収入は金額が小さく、取引も少ないため、ちょっとだけならいいよねとなる傾向があります。今年流行った給付金詐欺の心理に近いものがあると思います。
雑収入除外の例
以下に例示してみました。これらは、税務調査でしっかり確認されることが多いです。
(1) 自販機収入
オフィス内外や店舗に設置することが多い自販機ですが、売上の数%を飲料メーカーから受け取ることができます。電気代見合いであまり利益が出ないこともありますが、電気代を計上しつつ雑収入を計上しないという方法が多いです。
調査時に自販機の存在を簡単に確認することができるので、かなりバレやすいです。国税局が飲料メーカーを調査した際に資料せんが作成されていることもあります。資料せんについてはこちら↓
(2) スクラップ売却収入
鉄やアルミ等の金属材料を加工した際に生ずる鉄くず等のスクラップは、自社で利用できなくても、業界全体ではリサイクルが可能です。このため、そこそこの値段で業者に買い取ってもらえますが、この収入も除外されることが多く、金属加工業等では要調査項目となります。
筆者は、調査先の近場に立地しているリサイクル業者に反面調査に入るなどしていました。
(3) HPの広告収入
あまり多くはないのですが、自社HPにアフィリエイト広告(※)を掲載している場合に、この収入を除外することがあります。自販機と同様に簡単に見つかります。
※主要サービスのマネタイズを広告収入としている場合を除きます。
おわりに
まとめとして、大量の売上取引のほんの一部を除外するよりも、雑収入を除外する方が実は目立つということですね。次回もお楽しみに!
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