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税務調査の話 その13 〜非違事項別解説⑦ 在庫〜
元国税職員による税務調査のあれこれ。前回に引き続き非違事項(誤りや不正による要是正項目)別の解説をしていきます。今回は在庫を取り上げます。
これまでの記事(税務調査の話その○)
在庫に関する非違
在庫管理の方法が継続記録法か棚卸計算法かに関係なく、売上原価は、期首在庫+当期仕入−期末在庫で計算されるので、期末在庫を過少に計上すると、売上原価が過大になるため、課税所得は低く算定されてしまいます。
このため、期末の棚卸が適切に行われているかについては、税務調査でしっかり確認が行われます。調査方法については、以下のとおりです。
(1)現物確認 文字どおり調査時点の在庫の現物を確認して、期末在庫に計上されているかチェックします。在庫は絶えず動きがあるのが通常なので、回転の速い商品にはあまり有効ではありません。主に滞留在庫で在庫表に記載されていないものがないかという観点からのチェックになります。税務上は、物理的に劣化していないなどしない限り、原則として取得価額で在庫に計上しなければならず、滞留在庫で価値がないから在庫として計上しないといった判断ミスは少なくありません。↓参考
(2)証憑書類からの確認 期末日直前に納品された商品が在庫表に記載されているかどうかチェックします。棚卸が適切に行われていない場合、在庫の計上漏れが見つかります。
(3)在庫表の改竄 意図的な棚卸除外を見つけるために、業務で使用しているPC内の在庫関係のフォルダを確認し、改竄前の在庫表がないかチェックするなどします。
おわりに
棚卸除外は、現預金を動かす必要がなく、簡単に課税所得を圧縮できるため、割とポピュラーな不正です。
次回もお楽しみに!
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