筋線維の種類と筋肥大への負荷設定
筋トレといえばよく「重りが上がらなくなっても補助してもらって更に追い込んで、限界超えるまでやるんでしょ?」という旨の質問を受けることがあります。
確かに、筋肉を発達させるには現在の筋力に対し、決して甘くない負荷設定をしなければ効果は見込めません。
しかし、その根底となるメカニズムを知ると、強度への理解が深まりモチベーションにも繋がります。加えて無駄に強度ばかりを上げても効果が薄いばかりか、あまり意味を持たないことを知ることもできます。
今日はその負荷設定のなぜについてお話ししていきます。
最近は筋トレ関係の情報も多く広まり始めたので、筋肉には大きく2つの種類があることはご存じの方も多いかと思います。
一つは遅筋線維。赤い色をしているので赤筋と呼ばれることもあります。持久力がある代わりに大きな力は出せない種。
もう一つは速筋線維。白筋と呼ばれます。大きな力が出せるが、長時間の活動はできない種。
大きく分けると有名なこの2種類に分類されますが、他にもピンク色をした線維である中間筋なる、まさに間をとった筋も存在します。
トレーニングの目的として多くの方が筋トレに求めていることは、こんな理由ではないでしょうか?
大きな力を発揮したい
基礎代謝を上げたい
筋肉量を増やしたい
体力の底上げをしたい
疲れにくいカラダになりたい
メリハリのあるカラダを維持、向上させたい
ストレス発散、強い精神を身につけたい
多くはこの中にあるか、これに準ずるものかと思います。
これらの目的を果たすために必要不可欠なポイントがあります。それは筋肥大の促進、つまり…
速筋線維を刺激せよ!
ということです。速筋という言葉を聞くと、そのネーミングと特徴から多くの誤解が生まれます。「速筋だから速く腕立て、腹筋を行う!」であったり「限界に近い重量でとにかく運動!」…これはちょっと早合点というものです。
運動を開始して、最初に動員されるのは主に遅筋線維です。
そこから遅筋線維が疲労困憊まで追い込まれると、いよいよ速筋線維が主に働き始めます。速筋線維の登場までのお膳立てで初心者は1、2セット(目標回数がこなせるセット)、中・上級者だと最初の5、6回の挙上があるわけです。
言い換えれば、速筋線維にしっかりアプローチできればシングルセットでも十分に効果は出せるということです。
後半にようやく登場する速筋線維を高回数反復することで登場させるか、高重量を扱うことで登場させるかは目的にも依りますが、前者の方がケガのリスクや関節への負担が少ないので、特に初心者にはおすすめです。
高回数反復するには時間もかかりますので、時間もかけたくないし高重量も扱いたくないという場合は、スロートレーニングに代表されるような、スピードをコントロールする方法も存在します。どのように鍛えるかはあなた次第…というわけです。
トレーニングにおいて最も大切なことは結果を出せるということでしょう。
しかしそれ以上に大切なことは、トレーニングでケガをしない。カラダを傷めないということです。
快適な生活とパフォーマンスアップを求めてカラダを壊してしまっては本末転倒というもの。
安全かつ必要最低限の時間と労力で、確実な効果を最大限に引き出すためにトレーナーの存在意義があります。
これからも「違いの実感できる指導」を行っていきたいと思います。
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