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連載 タイムラブ 愛に時間を〜紫の炎②
夕子と上願は貝原が持っていた洞窟のマップから黒の十三号室を割り出した。
そして今暗い廊下を走っていた。
ふとそのとき、前方に照光が見えた。
そこには1人の男が立っていたのだ。
それは先程確かに麻酔銃で眠らせたはずのマスクとサングラスの男だった。
上願が叫んだ。
「お前はさっき眠らせたはず。」
男は甲高い声で言った。
「ご苦労様、貝原のお陰で僕もよけいな小手芝居を打たなきゃならなかったよ。」
連載 タイムラブ 愛に時間を 紫の煙③
一行は食料品や医薬品をまとめドラッグストアを出た。
その瞬間、レーザーガンの光が幾十にも走った。
アース教団の戦闘員らは反対側のビルの屋上で待ち構えていた。
上願が大声で叫ぶ。
「しまった。みんな電子カーまで走れ!」
夕子と中野はその瞬間,一気に走り抜けたが折口は一瞬の差で出遅れた。
「折口さん、気をつけて」
夕子は叫んだ。
折口はパソコンを抱えてダッシュする。
しかし右胸にレーザーが貫
連載 タイムラブ 愛に時間を〜(激闘篇)紫の煙①
‥ビッグウォールの大災害から10年、私と絵里と士郎は5年間の仮死状態から目覚めた。それからまた5年、既に10年という年月が過ぎている。
なのにこの辺りの風景はほぼ10年前と変わってない。
というよりビッグウォールは起きたの?
どういうことなんだろう?
ビッグウォールの被害は東日本から中部にかけて広範囲だと聞いてる。
とてもそんなふうに思えない。‥
真木村夕子は空や大地の途方もない大災害の光景を目