道しるべ
人里離れた道しるべ
今は誰が見るのやら
昔はみなが頼っては
京へ江戸へと行ったり来たり
しるべ冥利に尽きる日々
このしるべに導かれ
人は迷わず旅をした
そんな時代もどこへやら
今じゃ苔生え崩れ落ち
雑草の中に埋もれてる
誰か気付いてあげたとて
身なりしっかりさせたとて
何の意味がありましょう
誰も来ないこの場所で
道中行く先しめしても
今は秋風吹くばかり
今は私が道しるべ
名残惜しさは道連れに
これでおわりといたしましょう
とんぼもからすも私も花も
いずれ目にする道しるべ
いずれ私も辿る道
浮世と離れた街道は
あちこちあの世の影ばかり