”想像してごらん”の世界を実現するための尊い犠牲。なぜオールド左翼は親露なのか。なぜ両成敗論や降伏論がのさばるのか。
例の演説直前の某ジャーナリストさんの発言には引きましたね。今時あんなステレオタイプないでしょうってくらいのクラシック左翼。70年代かと思いました。
都知事選に出るとか出ないとか言ってた頃が懐かしい。
年取っていよいよ青春時代に退行してるのかもしれない。
「反戦」が反米・反欧・反日とイコールだった時代は確かにあったんですよ。ベトナムに平和を。
イラクとアフガンの時代はまだ、それとラブアンドピースがギリギリ通用したかもしれません。
可哀そうな共産主義の小国や発展途上の異民族の国家が資本主義の西側米欧に侵略され、無実の民間人を巻き込んで泥沼の戦争を繰り広げ、被害を受けるのはいつも市民です。みたいな定番のあれ。
中身はどうあれとりあえず反米しておけば戦争に反対という目的に一定の筋が通っていたんですよね。
そして現在、可哀そうな小国を侵略しているのは反米の筆頭も筆頭のロシアなんですよ。
だから平和を論じたくても、前提としていままで70年間やってきた反米(反欧)=反戦を崩すわけにはいかないから
どうにかして西側にも責任があるというスタンスを取らざるをえない。その矛盾を解決する方法が親露と両成敗論なんです。
護憲派とかも同じですよね。「いかなる理由においても」戦争はいけないという前提を崩すわけにはいかないので「自分の国や家族を守る」という理由も許すわけにはいかない。
だって普段から自衛の為の武力にだって反対してるんですよ。
そこを崩してしまうとWW2の日本軍を肯定することになってしまうし、これまでの反戦運動の根拠が揺らぐ。
お国の為に命を懸けるなんてもってのほかです。
ずっと愛国心は悪であるとして教育してきたわけですから。
だからそれを国際社会が支持し、支援しているのも理解不能だと思います。
君主制の国で悪い王様に騙された若い国民が強制的に命を捨てせられるならまだしも、議会民主主義の共和制国家で国民が自発的に国の為に武器を取って命をささげてるんですよ、完全に想定の範囲外。
その矛盾を解消するためにあの大統領は狡猾だとか戒厳令下で強権の発動は現代ではやりすぎだとか言ってsageてる。
そういしないと辻褄が合わなくなってしまう。
でもそれを見て同じように考える人はどんどん減っていくでしょう。70年代じゃあるまいし。
そういう、オールド左翼の理想論は教科書的には美しいんですよ。
子供に教えるならそれでオッケーだと思います。
我々だって世界はそういう美しさを保ったままでいて欲しいですよ。
想像してごらん。
でも、結局のところ事実として現在、大日本帝国や大英帝国とおなじ覇権主義の大国(そんな前時代的な思想が存在することすら彼らには驚異だと思いますが)が武力をもって現状を変更しようと侵攻している。
占拠された街では民間人の虐殺や略奪、民族移動が行われて「生きて虜囚の辱め」よりも恐ろしい状況が起きているとされている事からも、戦わずに降伏した先になにが待っているかが人々の目に明らかになってしまった。
「早めに降伏していれば沖縄も広島も長崎も経験せずに済んだ」ってずっと言ってきたのだけど、なんで我々の先祖が必死になって戦って、そして集団自決までしたのかの答え合わせができてしまいました。
ああいう目にあうのがスタンダードだったんですよね。
残念ながら「アジア的やさしさ」は1975年以来ご用意がないんです。なんて素敵な場所。なんて素敵な人々。
ここまで世界が変化したにもかかわらず、若者や右派の思想家たちに「それ見たことか」と言われたくない一心で狂い続けるから、さらに論理が破綻していく。70年前のまま。
あの高齢ジャーナリストやラジオDJ、ミュージシャン、タレント、元知事が死と暴力を擁護するように見える理由はそれです。
自分たちの戦後70年の努力が無に帰してしまう可能性と戦っている。
現実の世界と戦っているわけではないんですよ。
自分達の思想のほうに矛盾した現実(市民・社会・共通認識)をあわせようとしてる。
理想で現実を侵略しているんです。
侵攻と言ったほうがいいんでしたか。
ー
彼らが選んだ大統領が大国を刺激しすぎたという。
戦争に正義も悪もないって言い出すのも時間の問題ですねこりゃ。
西側の文明社会を生きようとしたのは、家と国と家族と子供を焼かれるほどの罪なのでしょう。
オールド左翼の皆さんにとってヨーロッパ型の文明社会を生きた人たちはまだ可哀そうな被害者になる資格を満たしていないのですね。
地図をみてもどこにあるのかわからない国の少年少女、黒人、アラブ人、見た目も服も言葉も違う存在、見下せる存在じゃないと可哀そうと思えないのかもしれない。
侵略者に殺され、奪われ、焼かれた人たちの命は可哀そうではないと。
”想像してごらん”の世界を実現するための尊い犠牲。
70年代の亡霊ですね。だからドリーマーは害なんですよ。
There's no heaven, no hell bellow us.
Yes, Life is more hellish than hell itself.
この国と我々が、その可哀そうな人々になる前に、そろそろチェックアウトしていただきたいですね。
でも、そこを去ることもできないんでしょう。
なんて素晴らしい場所。なんて素晴らしい人々。
おしまい
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