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【まんが少年日々記】13話 ゴムに水ぐゎ~入れて遊ぶば~よ【コラム】

夏ともなれば、駄菓子屋や雑貨屋のアイスボックスをわくわくして開けるにんまりの私。
大和からの大企業のアイスに混ざって、沖縄本島製造品や、地元石垣島製造のアイスキャンディなどが、個性豊かなパッケージに包まれて鎮座している姿は、それだけで暑気払いだ。
ヒンヤリ冷気が、火照った顔を「いらっしゃ〜い」と迎えてくれた。
で、目当てのアイスボンボンへ熱い視線を注ぐと、キンキンに冷えたボックスの冷気をまとい、「私は何色、ウフフ」と妖艶な冷気吐息。

なに「また、バカな言を吐く」ってか。
どれにしようか、物色中に思いをはせる妄想さ〜。読んで。

アイスボンボンは、ゴム風船のようなゴムの中に、黄色や赤やピンク色、はたまた黄緑色をした甘〜いジュースがちょっと固めのシャーベット状になり凍っていた。パッツンパッツンに丸くてチャーミングな姿に、購買意欲をかきたてられ、色選びに四苦八苦。後ろで開けっ放したアイスボックスの冷気が気にかかる店主の罵声が何度もとぶ。
気の短い大人って、イヤ〜ン。

選抜したアイスボンボンは、陽射しをさけてブロック塀の影にはいり気長にチュパチュパと溶けるジュースを吸うのがうれしかった。
やがて、冷気が水滴になり手からこぼれて膝や臑毛に滴り落ちる。
そのヒンヤリ感にひたるまどろみや、口中の甘味が暑さのけだるさを癒してくれる心地よい気分に、つかの間溺れる私だった。

なに「ぷっ、似合わないセリフ言うか〜」ってか。
夢見る少年なのよ。汗で蒸発しないうちに胸に止めたのよ〜。

口中にあふれる甘味洪水になごりをおしみつつ、蛇口にゴムをかぶせ水を注入。輪ゴムで口元をきつく絞める。そして輪ゴムを何本もヒモ状にむすんで、それを口元に巻絞めて準備万端。

ぽよんぽよん〜、ぽよんぽんぽんぽん。
ぽよんぽんぽんぽん。過剰にぽんぽんぽん。
あの夏に音よはじけろ、ぽよんぽんぽんぽん。
たわいもない無垢をいとしく紡ぐ記憶かな。

では、おしまれつつ…。




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次の更新は 14話の標準語版 です。

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