プラハ, 抱く死海へ白夜を夢見る

プラハ, 抱く死海へ白夜を夢見る

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  • 自分へ

    できる限り、わたしが一瞬でもこころをゆるしたひとびとに、この手紙が読まれてほしい。わたしが何者であるか完全にわからなくなる前に、わたしの一瞬を委ねた他者がわたしが何者であったかを憶えておいてほしい。もし、わたしが貪欲にも地獄から這い上がったとき、わたしが何者であったかを知るために。

  • 会話

    誰かへの手紙。届くかわからないから。

  • 白夜

    想像と現実とが曖昧な記録

最近の記事

この春は、花が、丁寧に沈む静寂を眺めていたい

黒い海に星が光り浮かびあがる 友人の遺書を読む何度目の夜か この春は、花が、丁寧に沈む静寂を眺めていたい 自分がどこから来てどこへ行くのか、世界における自分の文脈を知らずにある一点としてこの世に産み落とされたかった。自分以外は他者であると、そう思い切りたかった。私の存在理由が愛でないのなら、私が存在しないこともありえたのに、それでも実際に存在してしまった自己の実存へ、その非必然性を最後に解き明かしたい。私が存在しなくてもよかったと、そう確かにしたい。そしたら私は私ではない「

    • わたしのための映画

      『夏時間』ユン・ダンビ監督 わたしのための映画だった。 すべてすべて、ああ、そうだよね、わかるよ、とただオクジュの隣で一緒に涙を流したかった。 彼女は何かをみつけて抑えきれず、2階に駆け上がり必ず閉めていたドアを開けっぱなしに初めて泣く。孫として、娘として、姉として、人間として、彼女が演じなければならなかったあらゆる自己として、自分を抱きしめて泣く。あのつらく止まらない泣き方を観られるとは、まだ映画を信じていてよかった。父と弟は、背中を撫でるわけでもなく、無言で隣にいてあ

      • 2023.12.27

        自分へ この22日間、毎日、それが朝だろうが夜だろうが昼だろうが、決まって眠りから覚めると、ここは現実か地獄かを自問自答し続けてきた。ここは現実で地獄である。そしてそれはこれからも問い続けるだろう。 父が死ぬはずだった12月。 48時間、全身全霊で体を上下に激しく動かし心臓を力ずくで叩くように呼吸をする人間の姿は、苦しく、辛く、暴力的で、生々しく、動物的で、凄まじい。余命宣告から蘇った彼は今、生と死では語ることすらできない状態にいる。 何度目の夜だろうか。 場所と時間を

        • 2023.12.12

          わたしはわたしにあまり長くない手紙を書こう 昨日、わたしのお守りのような友人らに会って、ようやく、重荷が肩から降りた。全てではなかったけれど、こうして言葉を紡ぐことができるようになった。彼らに会って、わたしはひとの前で泣けないことを知った。悲しみたい、込み上げるものを溢れさせたい。家の前で電話をかけた。声を聞いた瞬間、泣いてしまった。言葉にもならない音が自分の口から出てきた。少しずつ話すことができた。 途方もない やっと、ようやく、 自分のこと、失った友人のこと、など。

        この春は、花が、丁寧に沈む静寂を眺めていたい

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        記事

          ふわふわにかこまれたい

          首もきちんと隠れるように、顔以外全て包まれるようにお布団をかぶる。これは母の寝るときの様子。 この間お泊まりしたら、わたしもそのように寝ていたと言われた。 「生き物としてかわいいなあと思った」 このひとはわたしのこと好きなんだなと伝わってきた。なんか、その気持ちわかるなあと思った。 安心するな、ぽかぽかするな、かわいいな、 そう思うとすぐニーブラしたくなる。 抱きしめる、というよりかは顔をぎゅっとしたくなる。 そのひととの人間関係のラベルがどうであれ、もふもふ、もち

          ふわふわにかこまれたい

          2023/11/11の音声

          最近はよくお金持ちの大人と遭遇する。

          2023/11/11の音声

          2023/11/11の音声

          フカイナヨル

          9月2日の真夜中、正確には3日の暗い朝、わたしは2年前の同日に書いた手紙の下書きを読み返す。友人へ誕生日を祝う手紙だ。ベランダで夜風と灰色の空の匂いを感じながら書いていたのを覚えている。長い手紙だった。泣きながら書いた。それを1ヶ月後に友人に送った。彼女も泣きながら読んだ、と。 手紙を読む前、わたしはある告白をしていた。 お互い、ありがとうと何度も言葉にしたと思う。ふたりの人間が愛を抱くこと、それをどこか美しく尊く認識していたようだが、それが違うことを知った。一方通行の愛で

          フカイナヨル

          ソウルメイト、魂の片割れ。

           私たちは再び出会った、チェコのリベレツで行われるアニメーション映画祭にて。ドイツ、ポーランド、チェコが接する位置に近い、プラハよりも北にある小さな町だ。多くのチェコの映画祭は都市ではなくリべレツやイフラバのような都市からバスで2時間くらいの離れた場所で開催される。そのため約1週間の映画祭期間は街全体がそれ一色になる。映画館の代わりに美術館、城、中央広場での屋外スクリーンが上映場所として起用され、参加者たちは街を探検しながら映画を鑑賞することになる。2020年には岩井澤健治監

          ソウルメイト、魂の片割れ。

          彼は私

           私たちはB市のクラブで出会った。B市では唯一本物に近いクラブで、若者たちはDJの方へ無作為な列を作り互いの背中と腹を合わせて狂う。彼らは踊るというより音楽とアルコールを体内に入れてリズムをとりながら自分自身に集中する。ドラックと煙草とスモークの煙で何も見えないが刺すようなレーザー光線が気まぐれに無我夢中の彼らを照らす。そこでアジア人は私たちだけだった。環境によって人種は時に根拠のない結束力と信頼を生む。  彼は私に話しかけてきた。私は彼に話した。それからカオスの中、彼の手が

          彼は私

          2023/03/23の音声

          黄色い花が街の所々に咲く この国は4度目の冬を超え春を迎えようとしている

          2023/03/23の音声

          2023/03/23の音声

          Dear Lou

          I’m waiting you find this ギリシャへ、チェコより。

          Dear Lou

          Dear Lou

          2023/03/02の音声

          ケーキがうまく焼けたらカバー画像にします

          2023/03/02の音声

          2023/03/02の音声

          ある人間との会話、その断片

          2023/1/18の音声

          ある人間との会話、その断片

          ある人間との会話、その断片

          2022/11/13の音声

          bye bye from a kitchen. Well i think we actually got the weed effect.

          2022/11/13の音声

          2022/11/13の音声

          2022/11/02の音声

          人生で最骨頂の幸せ その幸せは自分の心に留めておくことにします。

          2022/11/02の音声

          2022/11/02の音声

          2022/09/23の音声

          偶然には気をつけろ

          2022/09/23の音声

          2022/09/23の音声