2023.12.12
わたしはわたしにあまり長くない手紙を書こう
昨日、わたしのお守りのような友人らに会って、ようやく、重荷が肩から降りた。全てではなかったけれど、こうして言葉を紡ぐことができるようになった。彼らに会って、わたしはひとの前で泣けないことを知った。悲しみたい、込み上げるものを溢れさせたい。家の前で電話をかけた。声を聞いた瞬間、泣いてしまった。言葉にもならない音が自分の口から出てきた。少しずつ話すことができた。
途方もない
やっと、ようやく、
自分のこと、失った友人のこと、など。
それらが過ぎ去ったと思った、束の間
また、自分は正解のない、終わりの見えない、
悲しんで、生きていかなくてはいけない。
あるひとの残した想い出を様々なところで想起し、想起させられ、悲しむ作業を繰り返す。
その途方のなさ。
劇的なことを経験すれば何か特別なものを手に入れられると、特別なものになれると思っていたのかもしれないけれど、あるのは空虚だけかもしれない。このまま、自分は、真っ白いレシート用紙の人生なのかもしれない。書かれるはずだった、そのように準備されてきたが、何もなされない、そこにインクは落とされない、そんな気がする。
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これから、わたしが、よくなる、
自分が、これから、よくなる、
そんな気がしない。
ひとの美しさまで、あとどれくらいだろうか。
この途方もない人生は、あとどれくらいだろうか。
父は、あと、どれくらいだろうか。
父まで、あと、どれくらいだろうか。
父が望まなかった生が、これから始まるのか。呼吸をする父の近くで悲しみと申し訳なさを感じながら、わたしたちの生が始まるのか。どちらも残酷で地獄だ。不思議と、自分は地獄に堕ちるつもりで生きていて、でももう一度父に会いたいから、天国に行かなければならない、と思った。今から天国に行けるように生きなければいけない。どう生きればいいのか、わからない。そしてわかっていなかったのは、今、ここが、地獄であること。父が元気に生きているうちに、わたしはもう少し、うまく生きたかったな。
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想像が絶した現実で
己の草原が音も立てず黄金をゆらす