5/25
午前5時に目が覚めた。
隣に眠る妹の頬を片手で包んでみた。
妹がわたしの手に気づいて少しニヤついた。
今日は死ねると思った。
今日は大切な友人らに久しぶりに会う日で、
今夜は朝まで日本に会いにきてくれた友人とクラブで盛り上がる予定で、
今日は死ねると思った。
自信があった。
妹の唇が上がって私は幸せになって
死ねると思った。
7時間ぐっすり寝られて、
家族より早く5時に起きられて、
大切なひとびとに会える今日は
私に自信を与えてくれて
今日は死ねると思った。
朝起きて今日は死んでしまうかもなと思う日はこれまでもあったが
今日は死ねると思えた日は初めてだった。
友人らと私たちが40歳になったときの話をして
明日の話をして
明後日に話をして
未来の話をして
それと今日死ぬことは何も矛盾していなかった。
とにかくもう自分には何も残っていないと思った。
もう取り返しのないところまで来た。
堕ちるところまで堕ちきれた。
なぜ今になって涙が出てくるのだろうか。
私は全てに最善を尽くしたのに。
私は私でなければ誰でもよかったが
大衆を眺めても誰も私ではなく、
誰も私にはなれないとわかる。