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自由と孤独① 『自由からの逃走』

人間に内在する不可侵の権利ほどに不変なものはない  -トマス・ジェファーソン-

はじめに

将棋ブロガーのいっくんです。
6月から再開されたジムも今の所週4,5回で行けています。
筋トレの時間をとることによって今まで将棋一本だった生き方にも
メリハリがつき1日に30局も感情的に指すことがなくなりました。
逆説的ですが、将棋の勉強時間を減らすことで前よりもっと将棋が好きになりました。
「自立することは依存先を増やすこと」
といった熊谷先生の言葉がとても身にしみています。
https://www.tokyo-jinken.or.jp/publication/tj_56_interview.html


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本題

現代を生きる私たちにとって”自由”と言う単語は広く認知された言葉であるように思われる。
“職業選択の自由”
“表現の自由”
“報道の自由”
等々

とくに表現の自由に関しては、芸能人に対する誹謗中傷が苛烈さを増すなど「自由」の度を超えて
プライバシーの侵害も著しいように感じる。

19年10月には元AKBの川崎希さんに対する誹謗中傷をした人がプロバイダ責任制限法に基づいて
投稿者を特定することができたそうだ。

https://www.sankei.com/premium/news/191030/prm1910300004-n1.html


あからさまな中傷をする人を単に他山の石とするのではなく、私たち誰もが、意図せず他人を傷つけてしまう可能性がある
と考えインターネットと向き合う必要があるようだ。
有名人だけでなく、一般の人でもネットが原因による精神的なストレスを抱えてしまった人は枚挙に遑がない

たとえ世界中の
声なき声に責められたとしても
私が全部受け止めてあげる

miwaがいってた一縷の「ヒカリ」の存在を誰しもが求めているのではないだろうか。

 さて、今回はエーリッヒ・フロム著作の『自由からの逃走』を紹介したい。
1941年に出版
台頭する全体主義-ナチズムの成立要因を心理学の面から考察しているのだが
20世紀よりも21世紀に生きる人々の内面の葛藤を克明に表している気がしてならない。
近代の歴史は一言で言うと、「自由を求める戦い」であった。
18世紀末のフランス市民は自由のために旧体制や列強諸国と戦ったし、
ギリシアは長年のオスマンの軛から自由と独立を求めて、
チャップリンは眼前にある強力な組織に対して自由のために戦った。

彼らは時には血を流すこともあっただろう。そしてそれでは済まなかったこともあるだろう。
ただそれを求めるための結果としての死は最大限に肯定された。
戦った人々は、それが人間にもともと内在する当然の権利として追い求めた。
しかし、長い戦いの後に登場したのは「自由」とは対極に位置する権威主義的で独裁的な統治機構であった。
単に一部の人間の狂乱的な性格構造と政治力だけでは、
権力を握ったのだとは言うことができない。その政権が民主的な選挙で選ばれた以上、投票した大多数の人々の心理状態を的確に表現し引きつけた原因がそこにはあった。
その際にキーワードとなるのが現代人に代表的な心理状態である「孤独」「不安」の感情である。

 前世紀の失敗(全体主義諸国の敗戦とそれに伴う国家の解体)を知っている私たちは、
ナチズムやファッショ国家が現代に再登場するとは考えづらい。
しかしそれは自国中心主義やポピュリズムなどの程度や形を変え、人々の【孤独】【不安】に訴えている点には相違がないようである。
標榜するイデオロギーの違いはあれど、【孤独】【不安】を解消してくれる強力な組織を求める人々が多いと言う点で竃の準備はできている。中身が違うだけである。

そしてこの【孤独】や【不安】は一体どこから由来するのか。
まさに私たちが「自由」な存在であることから生まれているのである。

一体どう言うことだろうか。
本書の考察は、まさに資本主義が勃興しそれまでの中世的組織が解体する15世紀のルネッサンス期にまで遡る

これからの考察は、次回のNoteで投稿していきたい。

①「自由」には質的な自由と量的な自由が存在すること。
②孤独や不安は現代人に特有な感情であること、またそれはなぜか。

これをキーワードに、 述べていきたい。

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最後までお読みいただきありがとうございます。
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