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日記

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2020年4月の記事一覧

2020年4月29日(水)

歯肉炎の日に生まれたんだね。という下らない言葉を学生時代に放った記憶がどうにも頭から離れずにいて、毎年この日になるとその人々(二人いたのだ)の顔がもれなく浮かぶ。学生の頃に出会っているのでもう十年が経っている。そんな馬鹿なという気持ちだ。実家からの配給が届く。ありがたい。私が韓国海苔をかなり好んで毎日のように食していたのはもうずいぶん前のことだが、それから母の記憶が更新されていないことが窺える。久

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2020年4月28日(火)

鳥の鳴き声なのか人工的な警告音なのか判然としない音で目が覚めた。前者にしては無機質で規則性がありすぎる気がするが、後者にしては意思を持っているかのような音だった。この家に住んで四年になるがおそらく初めてきいた。隣人の男のえずく音なら何度も耳にしている。最近は取り立ててひどくなっている気がする。風呂場でえずいていると思しき反響の仕方だ。そのえずきと、少年が道端で剣道の素振りに勤しむ音が、閑静な住宅街

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2020年4月27日(月)

【ID:INVADED イド:インヴェイデッド】を一気に見る。アニメを一気に見るという行為をしたのはずいぶん久しぶりだ。一気に見ることができた。一気に見る(読む)ことはその物語から早く脱したいと思っているということで真の面白さではない、と言うこともできるということはわかっているけれども、それでもこの一気になされた視聴は面白さに支えられたものであるように、自分には思えた。とはいえ後から振り返るとき、

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2020年4月26日(日)

中野区役所によって中野区及びどうしても聞こえてしまう周辺区域に流されている、外出自粛を促すアナウンスがはじまってからどれくらい経っているのかわからないけれども、ずっと違和感があってそれに気づいた。「新型ウイルスの感染拡大を防ぐため」と言わずに、ただ「感染経路を防ぐため」となっているのだ。無論感染拡大を防ぎたいものが何なのかなど周知の事実ではあるものの、公的なアナウンスにおいて敢えて省く理由は何かあ

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2020年4月25日(土)

ファミチキ大感謝祭なるフェスティバルがファミリーマートで催されていた。感謝されているのは我々消費者なのだろうが、ファミリーマートの知名度をぐっと押し上げたファミチキそれ自体にファミリーマート一同が感謝を捧げている、という構図が目に浮かぶ。ファミリーマートはコンビニ各社で唯一、トイレが「ご自由にお使いください」になっているという大きな優位点があるが、Tポイント保持の確認の問答が生じるという厄介もある

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2020年4月24日(金)

新型ウイルスを新コロ助と呼び、その字面がまとっているネガティブな印象から束の間目をそらす試みが、会社の(あくまで内輪の)メールやカレンダーにて行われている。自宅のPCがどんどん会社仕様になっている。ブックマークやファイルはともかく、予測変換までとなると看過しがたい。内部結合、なんて言葉は自宅のPCに覚えさせるにふさわしくない。十日ぶりに髭を剃ったので顔が軽量化されたようだ。意外にも似合っていたよう

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2020年4月23日(木)

このnoteを書いているのは翌日の朝の早い時間で、なおかつ珍しくPCで書いている。文章を打ち込む前にはデフォルトで「おはようございます。今日も良い一日を。」という文章が打ち込まれていた。メモにHave a nice dayされるとは思っていなかった。その文言を正確に確認するために、二回ほどここまでの文章を消した。在宅であることを感性の摩耗を良しとするための言い訳に使っている節があって、これはまずい

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2020年4月22日(水)

食糧を買いに行くついでに書店によって小沼丹の短編集を買う。会計が1,650円で、札一枚を出したのち650円を小銭で払う。一枚一枚出して650円に達したその瞬間、そうでもしなければ誰かにとられてしまうとでもいうような迅速さで店員はトレイを持っていった。かるたをやっていた人かもしれない。小沼丹を読み進めていると吉田健一が出てきてなぜだかうれしくなる。作中で発されるほんの二、三の物言いからでさえ、吉田文

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2020年4月20日(月)

外付けキーボードにつけるトラックポイントを注文していたのが届く。六個入りで千二百円。ひとつあれば充分なので残りの五個千円ぶんと元々ついていたやつをブラックボックスに放り込む。ブラックボックスというのは無印で買った竹製の箱で、面積の小さい側面の両側には物を捩じ込むには頃合の穴が、本来は持ち手としてあいている。蓋もついていて、その上には大量の本が積まれているので蓋はもはやあかない。使わないイヤホンピー

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2020年4月19日(日)

スーパーに買い出しに行くついでに、テイクアウトを始めたという二郎インスパイアの店に行って持ち帰る。およそ一ヶ月ぶりのラーメンで、こんなにラーメンを食べなかったのは大学入学して以来はじめてのことだ。暴力的な美味しさ。
#日記 #エッセイ #コラム #小説 #創作

2020年4月18日(土)

4月18日という日付を見るといつも何かを思い出しそうになり、思い出しそうで終わる年もあるけれども今年は思い出すことができて、それは幼なじみの誕生日だった。幼少の頃は誕生日を諳じれるというのが親密さの度合いの指針になっていた。これから先新たに知り合う人間がいようと、そのうちのほとんどが誕生日がいつかなど知らずに人生を終えるかもしれない。Facebookのトモダチ一覧には、ある一定期間に知り合った人間

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2020年4月17日(金)

金曜日の終わり際、即時対応が必要というほどでもないけれども近々に調査対応の必要がありそうな不具合らしき事象の連絡を受ける。この土日はその事を思って暗澹として過ごすだろう。逃げ切るような心持ちで業務を終える。在宅だとその二分後にはお湯が沸いていてパスタを茹でることができる。ビーダマンやベイブレードを魔改造する動画を延々と見ている。脳が死ぬタイプの面白さでよろしくない。
#日記 #エッセイ #コラム

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2020年4月16日(木)

デスクは部屋の掃き出し窓の至近にあるのだが、昼間に長い時間座ることなどこれまではなかったので、今日のような暖かい日には足先に感じる微温が心地よいのだということを、この家に住んで四年になるのに初めて知った。外付けキーボードが届いて極めて文字が打ちやすい。しかし同時に注文したノートパソコンの置台の到着が恐ろしいことに連休明けになるようで、キーボードの部分を逆側に反ればタブレットにもなるノートパソコンを

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