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人生フラフラロンドン日記 ~Week 63~

ロンドンに来てから63週間が経過。17才の頃からの親友がロンドンへと遊びにきた。彼女は初の海外旅行に加えて初のロンドン。日本にいる時にはちょくちょくと会っていたので、いざロンドンで会うとなるとその実感がなさ過ぎて笑ってしまった。元々は友人だったが、今ではお仕事を一緒にさせてもらっている。僕がロンドンに来てから、たまたま書いたBig Thiefのライブレポを読んで、musitに誘ってくれた。

BC,NRやsquid、Big Thiefといった好きなアーティストにインタビューする機会がいただけたのも彼女のおかげで、それは一生モノの思い出だ。そんな彼女が、僕にとってロンドンに来てからの初めて来客だったので、それなりにアテンドを頑張った。彼女が近いうちに書くであろうロンドンの旅行記が楽しみだ。僕が好きな街を彼女がどう感じたのか、気になってソワソワとしている。

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1.

快晴の土曜日は今年初のサンダルも解禁。半袖シャツにサンダルでいいなんてすっかり夏で素晴らしい。予定がなかったところを友人に誘ってもらい、初めてHaggerstonはBroadway Marketに訪れた。すぐさま外で飲んでいる人たちや出店を楽しんでいる人が目に入り、マーケットの入り口からもう心がはずむ。

友人おすすめのコーヒーショップでアイスコーヒーと、気になった出店でクランベリーが混ぜ込まれたスコッチエッグを購入。ちゃんとしたスコッチエッグは初めて食べたがこんなにジューシーだとは。今までスーパーの安売り品でしか食べたことがなかったので、すっかりコロッケの下位互換と認識していたが、コロッケなんかよりもメンチカツに近く、卵も半熟トロトロで美味しかった。アイスコーヒーもいいが、思わずビールが欲しくなる味。

そのままLondonfields公園でピクニックをしていると、違う友人たちご一行が仕事終わりにやってきて、気づけばそのまま4時間近く公園で過ごしてしまった。ずっと日が明るいから時間の経過をすっかり忘れてしまうみたいだ。光がきらきらとして気持ちの良い土曜日だった。

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2.

日曜はBrixtonでキロ売りに。前日の深夜にオールナイトイベに行ってしまい、会場のFoldからBrixtonに直行した。古着のキロ売りにて、日本にいる友人へのお土産として古着を見繕う。気に入ってくれたら嬉しいな。自信はもちろんある。

そのままWindmilへ。もちろん昼間なので空いてはいないが、日本から来た友人も一目見ておきたいとのことで足を運んだ。いつも夜にしか行かないので気づかなかったが、昼間は本当に静かなことを知る。閑静な住宅街のど真ん中。明るい時間に見ると尚更そのボロさ、よく言うならDIY的な建物であることに気づく。でもここから始まって、ここが全てで、今のUKインディー・シーンの盛り上がりと地続きにここがある。時折写真では見かけていた看板犬も見ることができた。本当に屋根の上にいるとは。

そのままBrixton Breweryに。高架線沿いにあるこのお店の野外席はただ長椅子が置いてあるだけなのだが、その簡易さがとても良かった。個人的に大好きなBrixtonシリーズなのでいつか制覇したいなと思う。ブルワリーにしては値段も安かったのも良いところ。長椅子に腰を下ろすと、そよ風がそよそよと吹いていて気持ちよかった。寝ずに直行したので、ここでいよいよ充電切れ。飲みながら、うとうと船を漕いでいた。家に帰ると気を失うように睡眠。行く予定のパーティーに大寝坊したのは別の話。

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3.

音楽日記。

火曜はShacklewellでCongratulationsを観に行った。Brighton発の4人組。爽やか風に見えて、ゴリゴリに歪んだベースと軽快なリフが聴いててきもちいい。ヴォーカルのパフォーマンスも面白かった。

水曜はRough Trade EastでMaster Peace。RSDのイベントでWestでもライブをしていたようなのだが、西のお客さんのノリが上品過ぎたのか、「東のバイブスを見せてくれ」と煽っていて笑ってしまった。様々なUKロックにインスパイアされたという新譜は、ジャケットがケツを出している青年ということも含めて最高。

金曜は日本から来た友人を連れてshame。いざライブが始まれば人も靴も酒も飛び交うケンカのような本編から、ラストは新譜の「All The People」。ホームタウンでの公演ということを何度も強調していて、MCで話す「サウスロンドン」という言葉への一際大きい歓声がジンジンときた夜だった。彼らがサウスロンドンシーンの第一世代とするなら、バンド、シーンのその成熟っぷりには1つのドラマのような感動がある。

土曜の夜はFOLDにてMala Junta企画。どうしても行きたくなって当日券で足を運んだが大正解だった。朝4時からのスロットだったD.Danはまさに別格。様々なアプローチで鳴らされる低音は無機質のように見えて、いつの間にか絡みついてくる生々しさがあった。

日曜の夜はHackneyのGIANT STEPSへ。FOLDのイベントで疲れ切り、まさかの大寝坊。なんとかラスト1時間半前にたどり着くことができたが、友人は先に帰宅していた。申し訳ない…。最近はテクノばかりだったが、久々にポップスメインでとても楽しかった。体が自然と揺れてしまうし、違う友人も言っていたが、熱を共有しているようで心地いい。こんなに楽しいなら寝坊しなきゃ良かったと後悔する夜だった。あと会場が最高!

日曜は大寝坊したせいか元気がありあまっていたので、そのままハシゴでShacklewellに。この日はBC,NRのチャーリーが回していた。Shacklewellっ子がたくさん遊びに来ていて、みんなが3時まで思い思いに楽しんでいた。帰りのバスも夜中の3時過ぎと思えないくらい賑やかで、いい祝日だなと思いながら帰宅。長い1日を過ごした。

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〜今週のまとめ〜

久々に近所の中東料理屋にカレーを買いに行ったら、「最近見なかったけどどこ行っていたんだよ〜」と声をかけられた。数ヶ月ぶりに来たのに覚えていてくれた驚きと、この街に受け入れられたような感覚がこそばゆかった。

初めてロンドンを訪れた14才の時、あまりいい思い出ができず、僕は2度とこの街には来ないだろうなと思っていた。アイルランドに留学する機会を得て、週末旅行でロンドンに帰ってきたのは22才。すっかりこの街の虜になっていた。来れば来るほどキラキラしているこの街に憧れて、25才の今はこの街に住んでいる。「なんでこの街が好きだったんだっけ?」と分からなくなっていたけども、友人が遊びに来て。改めてこの街が大好きなことを思い出している。

自分の好きな街を好きと言ってくれたことが嬉しかった。思い返すと、ずっと誰かにロンドンのことを伝えたかったのかもしれない。この街に来たかった時のことを思い出して、ここで地に足つけて生きていこう。5月は自分の誕生月、僕はもうすぐ26歳になる。残りいられる期間を考えながら、出来ることをちゃんと成し遂げていきたい。久々に忙しい毎日を過ごしながら、これぐらい生き急がなきゃなと思っていた。イギリス生活はまだまだ続く。

イギリスでの栄養食ことケバブ


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