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坂の上の雲/司馬遼太郎

いやーーー読みましたよーーーーついに。
司馬遼太郎作品の中でも圧倒的な人気を誇る、「坂の上の雲」。

私なんぞが感想を書くことすら恐れ多いというか、感じることが多すぎて何を書いていいかわからないから、簡単に記録として残すだけに。

読んだきっかけ

もちろん、司馬遼太郎作品のファンだからです。
高校生の頃は日本史専攻で、得意ではなかったけど先生の話は面白く聞いてました。大河ドラマも見てた(過去作品で好きなのは八重の桜)。

司馬遼太郎の作品を初めて読んだのは確か、社会人2年目?の24歳の時。
上司の勧めで読みました!初めて読んだのは「竜馬がゆく」。
歴史小説って小難しいイメージがあったけど、司馬遼太郎の文章は本当に読みやすくて、歴史初心者でもすらすら読めると思う。

フィクションの箇所もあるらしいけど、文章力と構成力と、そもそもかなり調査を重ねた上で本にされているから、どこがフィクションでノンフィクションなのか全然わからんし、もはやそんなことどうでもいい笑
純粋に、作品としても歴史を知る上でも、とてもとても勉強になります。
感情移入して何度泣いたことか。

「竜馬がゆく」から、土方歳三の「燃えよ剣」、河井継之助の「峠」、西郷隆盛の「飛ぶが如く」を読んで、今回は満を持して、日露戦争における秋山兄弟と正岡子規を描いた「飛ぶが如く」を読みました!

感想

はあ、、、、感想、、、どっから書けばいいのか、、、
私はこれまで幕末が好きで、幕末の作品にばかり触れていたので、明治以降の作品をちゃんと読むのは今回が多分初めてでした。
日露戦争って学校で絶対習うけど、なんとなくしか知らなかった。

この本を読んで痛感したのは、日露戦争で日本が負けていたら、今の日本の姿はなかったということ。

ただ、この本の中では何度も、日露戦争の時の日本人と、太平洋戦争の時の日本人を対比させる表現も出てきます。

日露戦争で勝ってしまったが故に、日本人が驕るようになり、太平洋戦争では同じ日本人とは思えないような戦争の仕方をしてしまったと。
現に司馬遼太郎は、あんなにいろんな時代の歴史小説を書き残しておきながら、昭和に起きた太平洋戦争については一冊も書いていません。

あまりにひどすぎて、書けなかったそうです。

日露戦争を境として日本人の国民的理性が大きく後退して狂躁の昭和期に入る。やがて国家と国民が狂いだして太平洋戦争をやってのけて敗北するのは、日露戦争後わずか四十年のちのことである。敗戦が国民に理性をあたえ、勝利が国民を狂気にするとすれば、長い民族の歴史からみれば、戦争の勝敗などというものはまことに不可思議なものである。

坂の上の雲(最終章より)

私はまだまだ勉強不足だし戦争について何か考えを文字に起こすのが怖いので、個人の意見はここには記しませんが、でも、一つだけ言えることは、「坂の上の雲」は全日本人に読んでほしい!!!!

日露戦争の話って聞くだけで、読むの躊躇するかもしれないけど、でも、日本が昔ロシアと戦争をした、しかも開国した直後で外交も海外の文化も一気に入ってきて、戸惑い右往左往している時期に。ずっとちょんまげで刀を腰に差して歩いていた武士が日本を統制していた時期から、そんなに経ってないんです、日露戦争が起きたタイミングって。

よりによって対峙するのは大国ロシア。武器や軍艦の規模も威力も桁違いだし、でもこれで負けたら、日本だけでなく中国、韓国まで確実にロシアに侵略されてしまう(ちなみに日本が中国や韓国を守るために戦ったわけではないよ)。

地理的にも戦力的にも背水の陣の中、慣れない外交に帆走した人、戦地で戦った軍隊、何度もギリギリの決断を迫られる東郷平八郎をはじめとする指揮官たち、日本に残った正岡子規…。

約100年前に日本を追い込んだこの戦争について、どうして起こったのか、何があったのか、なんで日本はロシアに勝てたのか、を知ることって、大事じゃないですか??????

先人たちがこの国を守るために何をしたのか、を知ることは、この国に生まれた者として、最低限必要なことだと思うんです。私は。

NHKのドラマもすごくいい!まだ見てる途中だけど!キャスト豪華だし、しかも音楽久石譲だよ!!!

この本はおすすめだけど、全部で8巻あるから、読めないーっていう人は、違う方法でもいいからとにかく知ってほしいな。

熱い作品です。でも戦争の話だから、やっぱり途中胸が苦しくなる場面もあります。気になる人はぜひ。

このながい物語は、その日本史上類のない幸福な楽天家たちの物語である。やがてかれらは日露戦争というとほうもない大仕事に無我夢中でくびをつっこんでゆく。
最終的には、このつまり百姓国家がもったこっけいなほどに楽天的な連中が、ヨーロッパにおけるもっともふるい大国の一つと対決し、どのようにふるまったかということを書こうとおもっている。楽天家たちは、そのような時代人としての体質で、前をのみ見つめながらあるく。のぼってゆく坂の上の青い天にもし一朶(いちだ)の白い雲がかがやいているとすれば、それのみをみつめて坂をのぼってゆくであろう。

坂の上の雲(あとがき)

次に読む司馬遼太郎作品は功名が辻かな〜〜

また読書感想文書きますね!それでは!

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