本当に強くなるために弱さを見せる覚悟を決めた彼女
この人は、まさに名前を表しているようだな。
時折、そう思わせてくれる人がいる。
先日まで、全4回のセッションを受けてくれていたSさん(30代・製造業勤務)もそんな女性だ。
お名前に「夏」の字が入る彼女は、夏のひまわりを連想させるような、存在そのものが爽やかで、ただそこにいるだけで周囲を陽気なエネルギーで包み込むような心地の良い人。
そんな彼女とのセッションでは、こちらも気づかせてもらうこと、驚かされることが沢山あった。
中でも彼女が描いてくれたライフラインチャートは、特徴的だった。
これまで色々な方にこのチャートを書いてもってきたけれど、彼女のチャートを見て、とても驚かされた。
全ての出来事が、0地点以上、つまりプラスの領域に収められていたからだ。
記入してくれたそれぞれのエピソードを掘り下げて語ってもらうと、客観的に聞いていても決して順風満帆な道のりを歩んでこられたわけではなかったことが分かる。
むしろ人によっては、どん底に感じる人だっていてもおかしくないくらいの経験を彼女はしてきている。
けれど、彼女は自分の身に起きたあらゆる出来事を肯定しているのだ。
無理にポジティブに転換しようとしているのではなく、起きたことを、起きたこととして、ただ受け止める。
悲しみも、悔しさ、苦しみも、ただ受け止めて。
そこから、自然と昇華させてきた。
他者、環境、世界、そして自分自身を捉える、この特徴的な視点や思考を彼女に伝えたところ。
彼女は、こう話してくれた。
彼女の生き方、彼女の哲学を感じさせてくれるコメントだなと、こちらもその言葉を噛み締めていた。
セッションの合間に取り組んでもらうフィールドワーク中では、周囲の人からフィードバックをもらうことをお願いしている。
集められたコメントを読むと、彼女のことを誰もが好意的に感じていることが伝わってくる。
中にはウィークポイントをしっかりと伝えてくれる誠実なコメントもあったが、むしろそこを含めてサポートしたい思いにあふれていることが分かる。
彼女と他者との関係性がとても良好で、好循環が培われていることがうかがえる。
だけども。
彼女は、このセッションを通して、そんな自分と向き合いながら、
あえて、そこから一歩脱却する覚悟を決めた…
ここで彼女が、セッション終了後に回答くださったアンケートを、ご紹介させていただきます(ご本人の許可をいただきました)。
彼女が決意したことは、「(今まで開示してこなかった)弱さを見せる」ということ。
ひまわりのような「陽」の気を纏う彼女が、内側の弱さを晒していくことは、相当な覚悟だと思う。
むしろ、見せないようにしてきたことで、こんなにも周囲の人と良好な関係性を築けてきたのだから、いくらでもその安全地帯に留まる選択だってできるはずだし、していい。
それでも彼女が決意したのは、新しく手に入れたいもの、挑戦したいものが見えたから。
私もこの決意を聞かせてもらいながら、思い当たることがあるなぁ、と感じた。
完璧で理想の上司を前にすると、自分も鼓舞されるし、そうありたいと思う。
一方で、弱音を吐いてはいけない、情けない姿を見せてはいけない…そんな風に思ってしまったことがあった。
それでも本当の意味で、腹を見せ、本音を語ることが出来たのは、相手が隙や弱い部分を見せてくれた時だった。
「あぁ、この人でもそんな一面があるんだな。」と、心の距離がグッと近く感じられたことがある。
これからの彼女、そして周囲の人たちが、どんな風に変容していくのか…
楽しみにしながら、ずっと応援していたいと感じました。
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