【詩】月の岬からDIVEする

時間にDIVEしている
魚めがけて海中にとび込む鳥みたいに
DIVEしている
時間にDIVEしつづけている
魚めがけて海中にとび込む鳥みたいに
DIVEしつづけている
かみさまは
気軽に時間にとび込む人間たちに
魚めがけて海中にとび込む鳥みたいな、
欲望に忠実な滑稽さを感じている
ビルの上から、サイダーにDIVEするのは躊躇する
立ちのぼる泡々あわあわが発する音は、
悪魔の寝息のように
ぬめぬめしていて、
ぼくに、何も吐けない吐き気を起こさせる
強い刺激を求めている
キョウタンサントウキョウでも、
足湯ポイントはあると
信じて、DIVEする
 
月の岬に立って、見回す夜は
乾燥している
頬の皮膚が、ひっぱられる
夜は暗い
光は明るい、から
暗いところに置かれるのは当然だとされた
夜は不安になる
不安な夜は、安心感を持てなくて
置かれていく光を拒絶できなかった
拒絶しなかったことは、受け入れたことになり、
夜は光を望んでいたことになり、暗がりは望まれないものになった
月の岬からDIVEする
宇宙の底に落ちるまで、ぼくが暗夜を撫でている




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